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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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生命の燈

遅くなりすいません

群として強いというのはつまり役割分担が成されていて、状況に応じて戦略的に動けているということに他ならない。そのため群を指揮する者が重要となるが裏を返せば指揮官がいなくなれば連携がめちゃくちゃとなりその力を発揮できなくなる。それをするのに適しているのがわんこである。影を使い後ろに回り込み襲撃するだけの簡単なお仕事である。

とは言えわんこであれ鉄ちゃんであれ単独で軍隊の相手が出来るだけの力を有しているため、最初は個々に別れて真正面から駆逐していたのだが、アンフェの『人気者』が活躍しすぎたためか、軍が群れてでたような圧倒的多数の敵が進行してきたのだ。ただ幸い荒野という見晴らしの良さと相手が基本数十単位で出現するため奇襲の心配が少なく、鉄ちゃんも雫の側を離れて前線で戦えるため何とかなっている。仮にだかこの状況に雫が切れていた場合、ボムの嵐発動とともにこのフィールドが荒れてすらない無の土地と化す可能性すらあったのだ。


「ピィッ、ピェーー…」

「あっ、まあやられたです。懲りないですね。シロ、『生命の燈』をつけといてくれです。多分そろそろ戻ってくるです」

「わかった」


現在、雫はおとなしくわんこたちの後ろで待機しているのだが、毎度のごとくラスの無謀な参戦からの玉砕が繰り返されていた。玉砕しては復活するラスの姿は健気である。しかしいくら八咫烏と言えど限界がある。しかもラスは幼生体だ。ラスが保有する総エネルギー量は『太陽の祠』で戦った八咫烏とは比べるまでも無い。というか本当にラスとあの八咫烏は同一種なのか疑問な程、ラスのエネルギーの保有量と生産力は低いのだ。

そのためラスは一定時間戦うとエネルギー切れを起こしてしまう。そしてそれは通常のポーション等では回復できない。エリクサーなど一部のポーションを使えば話は別だが通常のポーションはHPを回復させるに過ぎないものだからである。


「ピィィー」

「はいです。早く入れです」

「あったかい。たぶん」


ラスのためにエリクサーをじゃぶじゃぶ使っていたところ、聖樹の化身たるせーくんやクランメンバーたちが物凄い顔で見詰めてきたため、仕方なく雫が造ったのが『生命の燈』であった。聖属性の焔の中に入ることでエネルギーを吸収し心身共に回復する。つまりラスのお風呂的なアイテムである。


「ぉ~ぁ~」

「アンフェもそれ好きですね。まあいいですけど」


そしてこの燈が放つ光を浴びるのは神聖魔法を使うアンフェにとって気持ち良いのか、ラスの周りを飛び回るのも見慣れた光景であった。まあこの燈を1つ造るのに聖なる茸シリーズの茸など稀少な素材を幾つも組み合わせているためラスだけではなくアンフェも喜んでくれるのなら良いだろう。

ここで良いと思うのは勿論雫ではなく、八咫烏にはほぼ無限とも言えるエネルギー生産能力があるのだから、一時的にエネルギー切れになっても放っておけばすぐに復活するのになぜ稀少な素材を湯水の如く使うことに納得出来なかったせーくんやクランメンバーであることは言うまでもないことだが。










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