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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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魔女の森

圧倒的違和感。雫がフィールドの光景を見たときに感じたのはそれだった。

『魔大陸』第2フィールドは広大な草原が広がっていた。第1フィールドやチェックポイントの村はかなり禍々しかったため様変わりしていた。


「おかしいです」


確かに『魔大陸』に青々とした草花が生い茂った草原が広がっているのはおかしいような気もするが雫らしくはない。いつもなら能天気に自然を観賞するか興味なさげに研究に戻るかの二択なのにだ。それを不振に思ったわんこは辺りを探りだす。


「…わんわん!」

「そうです。うまく言えんですけど私の感覚と視覚の情報がちぐはぐしてるです」

「ほんとだ」


視覚以外での知覚に長けているわんことシロも雫の違和感を共有する。確かに植物は生い茂っているようなのだが、目に見えている草原ではなく樹海のような場所に感じる。そうやって悩んでいると


「ぁ~ぅ?」

「そうです。草原みたいに見えてるです」

「…ぅ~。ぇ~ぅ~ぁ」

「幻惑魔法です?」


アンフェも詳しくはわからないがそれに近い視覚阻害らしい。そういったのは第4の街の樹妖精のドリーが形成してる『迷いの森』があるがそれは状態異常による認識阻害である。しかし今回は状態異常を無効化する鉄ちゃんでさえ引っ掛かったようなのでまた別の魔法による視覚阻害なのだろう。


「……?」

「私は何となくの感覚です。説明しにくいんです!」


アンフェはよくドリーの元に通っているらしいし、自身でもそういった魔法を使用するため耐性が備わっていてもおかしく無いが雫は魔法や状態異常耐性が鉄ちゃんやわんこよりも備わっているとは考えにくいのに何故この認識阻害に違和感を覚えたのかと言えば、雫がドリーから授かった植物と仲良くなる加護の恩恵であった。


「草原ならさーって感じなんですけど今はゴーって感じるんです」


かなり感覚的なものだがこれが馬鹿にできない。特に植物が多いフィールドではパーティー内でトップクラスの索敵能力を発揮する程なのだ。


「多分ですけど友好的な植物さんたちが私が見えてないってわかったですから危ないよって教えてくれたです」


そんなことを話していると霧が晴れるよう草原が消え辺りに樹海が広がる。何処からともなく女性の声が聞こえてくる。


「流石にベルゼ様の審査を突破してきただけはある。こんなにも早く私たちの幻術が破られるとは思わなかったよ。でもこんなものはまだまだ序の口。ここは『魔女の森』魔女たちがお前たちを狙ってる」


そういうと女性の声が聞こえなくなり気配も消える。すると雫は頭を抱える。


「えーとです。ここは『魔大陸』だったはずです。なのに魔女の森?迷ったです?」


『魔大陸』第2フィールドの別称を『魔女の森』と言うよというだけの説明だったのだが、そういうのに疎い雫は別のところで混乱し不安になるのだった。




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