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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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魔族の三剣

八咫烏を倒したとき、いやボスなどの強敵が相手である場合のほとんどが雫の一撃による決着となる。閻魔王の所に再度行ったときもそうであった。ジョブレベルを上げたことで『王の審判』を乗り越えた雫たち。まだ誕生してから日が浅いラスも動けたことからあのスキルはパーティーメンバー中で誰か1人でも条件を達成していると効果を発揮しない類いの物なのだろう。結果として乗り越えたことによって本格的に戦闘が始まったのだが、閻魔王のもう1つのスキル『百鬼夜行』により大量の妖怪が生み出されたのだが、それまで戦線に参加せずラスのお守りと称してサボってた雫が妖怪の大群を見て長引きそうだと考えた結果、ボム連投による強引な手段でなし崩し的な勝利を得たのだ。

雫には知るよしもないがここまでの経緯があって雫のボムに頼らずとも戦いたいという願いが生まれわんこの雫ボム規制指示が出されたのだ。それ以外にも温存のためというのもあるがわんこたちにとってはそれは後付けに過ぎない。そんな思惑があるとも知らない雫と仲間になったばかりでそんな思考とは無縁のラスは人の気も知れずに会話する。


「ピェー!」

「まあ私もボム使った方が早いとは思うです。でもわんこたちの意見も分かるです。ここのボスが八咫烏みたいなので最後、アイテムが尽きてやり直しなんてのも御免です。しょうがないです」


そう言いつつも厄介な魔族の対処法が見えてきたため最初ほど苦戦しなくなったこともあり、ラスの死亡からの再生回数も減りそれにつれてラスの文句も減ってきた。そんなとき


「まさか加護も無しにこの大陸を進んでくる愚か者がいるとはな」

「ベルゼ様の『蟲の目』からの情報でなければ信じなかった所よ」

「良いではないか!ここを通過して良いのは強者だけと決まっておるのだからの!」


片手剣を持った青年と細剣を持った女性、そして大剣を担いだ中年男性がこちらに近づいてきた。彼らは皮膚の色などの違いはあれど今まで出てきた魔族よりも人族に近い姿であった。彼らは雫たちがここにいることを知っているような口ぶりで来た。侵入者を排除しに来たと言うよりも挑戦者の実力を試しに来た感じである。


「わんわん!」

「あれです?あの人たち結構強そうです。まだダメなんです?」

「わん!」

「まあよくわからんですけどわんこがそう言うなら私は採取した素材で何か造ってるです」


わんこたちが彼らは相手であればボム無しでも良いと判断した。それならば今までは我慢していたアイテム造りを始めようとする雫。相手は明らかに通常モンスターとは異なる。つまりボスクラスである。とすれば不意打ちの警戒は必要なく目の前の相手に気を付けていれば良い。そもそも雫が相手を警戒しようが警戒しまいがこのレベルになれば関係ないが。そのため鉄ちゃんの守備領域に入っていれば基本的に何をしていても問題ないのだ。


「何か始め出したようだの?」

「…いやあの子はどうみてもただのテイマーでしょ。何をしても戦力にはならないでしょ」

「そうだな。そもそも我々三剣の前では人族が何をしようと無意味だろう」


そう青年魔族が締め括る。魔族たちは雫を無視する構えである。そして戦闘が始まる。


「折角ですしさっきのやつを再現するです」

「ピェ?」


鉄ちゃんの防御を突破出来ずわんこを捕捉できない魔族。


「昔は威力重視でしたですけど今は色々と考えられるです」

「ピェ?」


徐々に防戦一方になる魔族。


「中々良いのができたです」

「ピ、ピェ!」


支援部隊のアンフェやシロを狙い出すもわんこたちに邪魔される魔族


「あ、でもこれじゃまだ火力不足です?」

「…ピェ」


焦り、怒りだす魔族。自慢の剣技と相性の悪い相手。また敵の的確な支援によって自由に戦えず満身創痍である。そして何よりほんの数メートル先で戦闘が行われているとは思えないほどのんびりした人族。魔族の剣士としてのプライドは深く傷つけられていた。そして


「…舐めるなよ人族!」


無視していた雫に向かっていく青年魔族。当然わんこと鉄ちゃんが防ごうとするが


「そうはさせない!」

「そういうことじゃの!」

「わふ!」

「……」


魔族たちの意地かここ一番の攻撃が放たれる。何とか防いだ二人だが青年魔族を通してしまう。


「従魔が強いのは認めるが貴様は別だ!ここは強くなければいけない!」

「ピィー!」

「…!」

「小鳥とゴーレムか!こんな雑魚にすら守られる貴様は不適格だ!」

「あっ、待てです!」


激昂した青年魔族は目の前に現れたラスと雫が今の時間に造っていたゴーレムを一瞬で切り裂く。


ドカーーン


その瞬間、範囲こそ狭いが生命力の高い魔族を塵にするほどの爆発が起こった。爆煙が消えると非難の目が何とかアンフェの防御魔法が間に合い無傷の雫に集まる。特に切り裂かれ再生した直後に爆発に巻き込まれてご立腹なラスは直接文句を言っている。


「いや待つです。あれは私悪くないです!」


自分はイビルインプを真似して倒されたら爆発するゴーレムを造っていただけで切ったのは魔族だと主張する雫が許されるのは残りの2人の魔族が倒されてから数十分経過した後であった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です! 自爆したのは魔族ですし不可抗力ですよね~(笑) でも過去の事も在りますし、其処から怒られるのも必然ですな
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