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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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いざ魔大陸へ

雫が魔国へ行くための準備を大体完了させ、煉歌たちが何とか第6のフィールドボスである氷姫を撃破して第7の街から王都に行けるようになった頃、拡張パックの配布が開始された。配布の開始と共に追加要素の詳細が公式HPにアップされたらしいが、雫からすればそもそもどうやって拡張パックをゲームに組み込めば良いかわからず、瞳の指示を逐一仰ぎながら何とか起動させることができたため即座にログインしてしまい詳細を見る精神的余裕は無かった。


「さっき確認した感じだと『魔大陸』は第10の街の先から続いているらしいです。煉歌たちは王都から帝国に行く予定らしいです」

「ふーん、アイはどうするです?」

「…私は第1の街から続く『聖街道』か『帝街道』を通ってどっちかに行こうと思います」


魔国へ続く『魔大陸』だけでなく帝国や聖国へ続くフィールドも新たに追加されていた。とは言え今、このフィールドを使うプレイヤーは殆どいないだろう。帝国や聖国へ行きたいならば王都から飛行船に乗ればよい。第1の街に追加された2つのフィールドはまだ王都に辿り着けないプレイヤーのために追加されたようにも見えるが、これらのフィールドを突破できる者は大抵、王都まで行けるプレイヤーである。そのためあまりこのフィールドに意味はない。とは言えこれまでの傾向から隠しフィールドやクエストがあるだろう。殆どのプレイヤーが行かないであろう今がチャンスとも考えられる。

また今から雫が行こうとしている『魔大陸』はそもそも第10の街まで来れているプレイヤーが殆ど存在しないため、おそらく帝国や聖国編のストーリーがどのくらいあるかわからないがここ1、2ヶ月は寄り付く人もいないだろう。


「情報によれば『魔大陸』には複数のボスモンスターがいて、それぞれがチェックポイントになっているそうです」

「チェックポイントです?よくわからんです」

「アイテムの補充とか全滅時のやり直しポイントらしく、そこでならログアウトも可能らしいですよ。まあ一度『魔大陸』から出たら最初からやり直しらしいですけど」


フィールド内に持ち込めるアイテムには限りがあるためチェックポイントでの補充はありがたいし、ログアウト可能なのも助かる。しかし1つのフィールドにボスが複数というのも珍しい。ただチェックポイントから他の街に移動も出来るらしいのだが、そうした場合もう一度最初からやり直さなくてはならず、今までのフィールドと難易度が違うことがわかる。

大手のクランに所属するメンバーなどは自分たちで色々とイベントを主催していることも多く、あまり長い間1つのフィールドに留まるということが難しい場合も多い。そう言ったことを考えれば厳しい仕様とも言える。運営側とすればチェックポイントで補給しつつ一気に踏破できるまで魔国には行かせない思惑があるのかもしれない。


「まあログアウト出来るなら少しずつ進んでいくです。煉歌たちには私の事は気にせずやるように伝えとけです。あとのこちゃんずは収穫したら共有の箱に入れといてくれです」


しかし最近はましになったがあまり他者との交流をしない雫にとってはこの仕様は特に足枷にはなり得ないのであった。


「じゃあそろそろ行くかです」

「わんわん!」

「………」

「いく」

「ぉ~ぅ~!」

「ピェーー」

「そういえばお前たちとしっかり冒険するのも久しぶりな気がするです。というかラスとはこれで2回目くらいです?」

「わん!」

「そうですね。気合い入れていくです!」


久しぶりに皆での出陣にテンションが上がる雫は未踏の地『魔大陸』へと歩を進めるのであった。

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