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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第2章 魔国編
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人魔大戦

小枝から拡張パックのことを聞いた日の夜、詳細が運営から発表されたことでプレイヤーたちの話題はその話で持ちきりとなった。勿論、クラン『神の雫』も同様であった。


「帝国や聖国へは比較的簡単に行けそうだけど魔国は推奨レベル高すぎだね。多分上位プレイヤーたちでも無理でしょ」

「そうだな。まあ帝国や聖国もストーリーボスを倒さねば先に進めない仕様だから行けるだけだが…というか私たちはまだ帝国や聖国に行くための条件の王都にもたどり着いていないが」

「拡張パック配布まであと二週間ありますし、何とかなりますよ。もしならなかったらシズさんかアイさんに頼みましょう!」

「それが妥当」

「どうでもいいですけどこの話、ここでやる必要あるです?」


煉歌たち新メンバー4人が談笑しているのは雫の作業場である。雫がいつもの如くアイテム製造をしている所にずかずかと入ってきて話始めたのだ。ただ彼女たちも暇だから作業場に遊びに来た訳ではない。拡張パックの目玉の1つ『人魔大戦』人類対魔族の戦争へのクラン単位での参戦。これにどの国として参加するのか雫の判断を聞きに来たのだ。


「人類側である王国、帝国、聖国のどれかに属するか、魔族側の魔国に属するかくらますの意見を聞きに来たんだよ。普通に考えたら帝国か聖国だと思うんだけど」

「別にどこでもいいです。というか何で普通なら帝国か聖国なんです?」

「えーと、『人魔大戦』で属する国で活動する際に色々と恩恵が受けられて王国が初心者、帝国聖国が中級者以上、魔国が上級者向けの難易度設定もあって活動拠点を帝国や聖国に移すクランが多いと予想される」


そんな説明を聞いて雫は魔国が選択肢に入っていないことに疑問を抱いたが先ほど見た詳細を思い出して納得する。魔国へ行くには新フィールドの1つ『魔大陸』を超える必要があり、その難易度は現環境のトッププレイヤーによる精鋭パーティーでも突破は無理なレベルである。そのフィールドに出現が確定してるモンスターの情報を見るだけで気持ちが萎えてくるほどだ。もし何とか精鋭たちで『魔大陸』を突破したとしても有象無象のクランメンバーが突破することは今の時点では無理だと言える。そんな場所を活動拠点にするクランは少ないだろう。

その点帝国と聖国は新フィールドから行く方法も追加されるらしいが、それとは別に王都から飛行船によって簡単に行けるルートが存在する。飛行船ならば王都に来れるプレイヤーならば誰でも乗船可能であり魔国より遥かに行きやすいと言える。そのため『人魔大戦』で魔国に属するクランもおのずと少なくなることが予想されるのだ。


「特に大手のクランは帝国か聖国に属するだろうな。現状魔国に属するメリットが薄い以上他の大手クランに負けないためにはリスクは避けだろ」

「人類側の勝利は堅い」

「『人魔大戦』で人類側が勝利した場合は各国の戦功で順位つけて報酬貰えるんですよね?なら大手が同盟結んで1つの国に集結する可能性もありますよね?」

「ならその国に属すのが一番いいかもしれないね。その国が分かればだけど」


4人もできるだけ安定を求めているようで帝国か聖国に属することに賛成らしい。しかし


「私としてはどれでもいいです。でも取り敢えずアイの意見は聞いとかなきゃならんです。何処にいるか知ってるです?」


クランにとってそれなりに大切な議題なのにこの場にいない瞳。クラン活動に一番熱心な彼女にしては珍しいとも言える。


「えーとね…くらますが来る前にここに来て、「絶対、魔国」って言うだけ言ってソロ狩りに行っちゃたんだけど…」

「なら魔国でいいです。異論は無いなです?」

「いやいやいや、アイさんはちょっと中二を、というか魔国なんて私たちは兎も角、くらますでも行けないから属するメリットが…」


非常識な雫の判断を聞き動揺する煉歌。しかしそんなのに構う雫ではない。


「そもそも疑問だったですけどその属した時の恩恵ってそんなに凄いです?確か商品の売買とクエスト報酬が少し上乗せられるくらいです?」

「まあそうですけど…でも個人やクランでの戦功上げて功績が高くなると恩恵もグレードアップ…」

「よくわからんですけど別に魔国でいい気がしてきたです。もしそんなに恩恵に与りたいなら私が何とかするです。よし決まりです」


あまり街中で買い物をしたりクエストを受けたりしない雫にとってあまり魅力がなく、功績が重なると各国に応じてレアな装備やアイテムが貰えるなど特典はあるらしいがそれも雫がいれば何とかなりそうであるし、そもそもプレイヤーの中でも特殊なジョブやステータスをしてるクランメンバーたちにそう言った一般向けの報酬がどこまで当てはまるかわからない。

また彼女たち4人は新人であり雫たちには多大な恩があるため雫の決定に逆らい難い。更に言えば雫の私が何とかする宣言の説得力は中々のもので最終的に満場一致で『神の雫』は魔国に属することとなった。





雫→面倒

4人→帝国か聖国がいいんじゃ…

アイ→絶対魔国

雫→なら魔国 の流れですね

4人がどれか1か国に決めていればアイの意見無視でそこになってましたね。ある意味アイの作戦勝ちということです


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