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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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黒い鉄ちゃん

わんこがこのイベントでずっと戦える理由は、雫製作の装備品のお陰もあった。回復石を強化して『回復結晶』という新たなアイテムを作り。そしてMP回復用に『マナ結晶』というアイテムも修行中にMP回復薬を作りながら密かに製作していたのだった。

「わんわん」

これで何度目だろうか、地面から黒い剣が黒騎士を襲うが少し鎧に傷がつくくらいで弾かれてしまう。

「………」

鉄ちゃんの突進も止められてしまう。鉄ちゃんを回復させる方法は召喚を解除する他ないため、かなり限界が来ている鉄ちゃん。わんこも鉄ちゃんもそれがわかっているのでできるだけわんこが黒騎士の注意を引き付けている。

ここでわんこのランとの修行が役に立つ。以前なら食らっていた攻撃を難なくかわせるようになっていた。

「くぅん?」

戦闘を開始して何度か攻撃を重ねてわんこは違和感を覚えていた。ただここにはいつもは指示をくれる存在がいないため、その違和感を突き止めるか気のせいだと思うかの判断ができない。わんこは思いきって爪で攻撃を繰り出す。

「カキン」

わんこは黒騎士との戦闘で初めて自身の身体で攻撃をする。すると黒騎士には傷1つつかない。

「わんわんわん」

「………」

わんこが鉄ちゃんに指示を出そうとすると鉄ちゃんに表情はないが全身で嫌そうなオーラを感じる。

「わんわん」

再度わんこが鳴くと渋々鉄ちゃんが了承の構えをとる。それを見たわんこは、一気に駆け出し黒騎士の後ろに回る。そして影を使って黒騎士を襲う。しかし例のどおりダメージは極少量。しかしわんこの狙いはダメージを加えることではない。

「ズットーン」

前で黒騎士の注意を引き付けている間に鉄ちゃんが後ろからもろに突撃。しかしほとんど傷がつかない。

「わん!」

わんこの違和感が確信に変わる。わんこの違和感とは影魔法のダメージが通りすぎるということだった。確かに大したダメージが入ってるわけではないが、影魔法がいくら強力でも鉄ちゃんの攻撃ほどではない。しかも影魔法を使い始めて大して経っていないわんこの魔法である。すなわち黒騎士の弱点は影魔法。というよりも物理攻撃に耐性が高いのではないかということである。


鉄ちゃんのもとに戻ってきたわんこは相手の攻撃を避けながら、攻撃手段を考える。すると

「暗黒剣 一の型 黒曜」

真っ黒の剣に更に黒いオーラを纏わせた剣を振るう。

「わんわん!」

それを避けながらわんこは閃く。すぐに鉄ちゃんのとこに行き再度指示を出す。鉄ちゃんもしょうがないとばかりに了承する。わんこ達は一発勝負の賭けに出る。



一方そのころ雫は、

「鉄ちゃん、わんこどこです。いるなら返事するです。」

はぐれたのかと辺りを探している。途中何名かプレイヤーにあったが爆弾でお引き取りしてもらった。

「でもここのプレイヤーもうコインを持ってないです。まああと5分でイベントも終わるからいいんですけど。」

呑気な雫である。



わんこ達の戦闘も決着がつきそうであった。黒騎士の攻撃をわんこが避ける。

「暗黒剣 四の…」

黒騎士がスキルを発動する前にわんこの魔法が発動する。『影縫い』、これにより黒騎士は、数秒間動けない。そのアドバンテージを使いわんこが魔法を発動させる。すると鉄ちゃんが黒く染まりだした。影縫いが解かれるのと鉄ちゃんが黒く染まるのがほぼ同時に終わる。

「わんわん」

わんこが後ろに回り込むと黒騎士の注意はわんこに向く。残念ながらダメージ総量はわんこが多く、黒騎士は、わんこを警戒しているのだ。さっきと同じ構図。影に覆われた鉄ちゃんの突撃。魔法の仲介により物理攻撃と判断されなかった、鉄ちゃんの突撃を食らった黒騎士の鎧は砕け散った。そしてイベントも終わる。



「それではタイムアップ。これから表彰式です。イベントに参加した人もしてない人も全員参加可能ですので是非参加してください。参加プレイヤーはそのまま表彰式会場に転移します。それでは。」

運営からのアナウンスによりプレイヤーが一斉に転移されていく。


「ここが表彰式会場ですか、広いですね。あっわんこどこいってたですか。探したんですよ。というか鉄ちゃんはどこですか?」

鉄ちゃんは転移と同時に召喚が解除となっているためここにはいない。

「わんわん」

「まあいいです、お疲れです。」

そんな会話をしていると後方から少女が話しかけてくる。

「シズさんお疲れさまです。」

「ああハルですか。お疲れです。そういえば参加してないプレイヤーもここに来れるとか言ってたです。」

「はい委託の方の表彰もありますので。」

「そうそうなかなか頑張ったです。期待してるです。」

そういいながら雫はコインの総数を見ようとしてある項目を見る。

「やばいです。もう今日が昨日になってるです。まだ宿題もやってないのに、すまんですハル。私はログアウトするです。それじゃあです。」

「待ってください。そういえばフレンド登録もまだ。」

もう雫はログアウトしてしまった。


「それでは表彰式を開始します。報酬の方は後程入賞者のアイテム欄に転送ということになります。ご了承下さい。それではコイン総数第1位から発表します。第1位は、ベルさんです。」

ベル、アックスと双璧をなすトップ冒険者の一人である。

「第2位は、わんこさんです。第3位はアックスさんです。それでは、3位までのかた前にお進みください。」

我らがわんこは堂々の2位。というのも最後の黒騎士のラストアタックはわんこがしたという判定になっていたのだ。実際に鉄ちゃんの攻撃は直接触れてはいないためである。とは言ったもののわんこは雫がいないためいない。

「どうしましたかわんこさんもしかしてログアウトしてしまいましたか。残念ですがしょうがありません。ではベルさん、アックスさん一言。」

「やっとアックスに勝てた。それだけだ。」

「負けたのは悔しい。まさか3位とは思わなかったが、しょうがない。」

「ありがとうございました。それではその他の入賞者はこちらです。」

リストで100位までのプレイヤーの名前が載る。

これを見たハルは

「すごいシズさん7位だ、戦闘特化ではないっていってたのに。」

これで普通なら委託の順位は、7位であるはずである。

「私が7位か。こんどシズさんに会ったらお礼言わなくちゃ。」

「それでは委託システムの第1位は。」

ベルのパーティの生産者だと全てのプレイヤーが思った。しかし予想に反して司会者がプレイヤー名を言う。

「ハルさんです。おめでとうございます。」

ハルは自分の名前が呼ばれたが反応できないでいた。これに反応したのはベルである。

「おい、間違っているぞ。俺が委託されたプレイヤーと違う。」

「あれ?ベルさんの委託プレイヤーではないのですか。しばしお待ちください。とっ、えー何々、このイベントにおける委託システムのコイン数は通常のコインの数え方とは違い、そのプレイヤーの持ち物などならよしとする?なんですかこれ。えーとこのイベントには2位のわんこさんと7位のシズさんは別々でコイン数がカウントされてますが委託システムではそのプレイヤーの全てに委託したと見なして二人の合計とする。」

理解しにくい司会者の説明にピント来たプレイヤーがチラホラいた。

雫と交戦したプレイヤーであった。

「分かりにくいので、その両名の画像をお出しします。委託システムの優勝者ハルさんの委託プレイヤーです。」

そこには出かでかと雫達が写し出される。

「シズさんってことは私が優勝。えぇーー」

会場は騒然としてしばらく収まることはなかった。


しばらく本当に忙しく投稿がほとんどできないと思います。本当に申し訳ないです。

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