表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
247/398

クランの新メンバー Ⅱ

「まあ兎に角、クランの人事に私はあんまり関わる気がないですから入りたいなら好きにすればいいです」


大体の話を聞き終えた雫はそう言い残し作業場に戻っていく。残された煉歌たちはどうすればいいかわからず、瞳を見るが自分に注目が集まったことで緊張してしまった瞳もどうすればいいかわからず、呆然としてしまう。すると戻ったはずの雫がとことこと帰ってくる。


「昔造ったやつでお前たちの弱点補強に使えそうなのを幾つか持ってきたですから、良かったら使えです」

「え?あれ?私たちって自分で言うのもなんだけど結構どうしようもないと思うんだけど…」


各々、致命的な弱点を抱えている筈であるため、そう簡単にそれを補強できるアイテムを用意できるとは思えず訝しむ煉歌。しかし雫はそれを意に介さずアイテム説明に移る。


「これはテディベア用です。自動人形『小人傭兵』です。確か『傀儡師』は自分で操らなくても人形たちを強化できるですよね?」

「は、はい」

「それにこいつらはそんなに複雑に造ってないですから、複数体操作するのもそこまで面倒じゃないはずです。それでこれは煉歌にも関係するですけど、この『小人傭兵』シリーズの1つにっと、これですこれ、『小人の音楽隊』シリーズです。こいつらがいれば煉歌の『合奏団』も使えると思うです」

「え!本当に?」

「元々、のこちゃんずの中で歌ったり踊ったりする奴らが現れたんですけど、邪魔だったのでそいつらのスキルだけこの『小人傭兵』に移しといたですよ」

「は、はぁ」


まだのこちゃんずを知らない煉歌たちの反応は薄いが、『小人傭兵』に興味津々なテディベアを除けば全員、スキルを移すというパワーワードにしっかりと驚いていた。その中でも一番に反応を示したのはあまのまひとつであった。


「ちょ、ちょっとまってくれ。スキルを自由にすることができるのか?」

「そんなに好き勝手にはできんですけど、それなりになら可能です。後で2、3個好きなスキルを付与してやるです。あとここらの装備品を着ければ多少ならステータスを上げられると思うです」

「ステータスは嬉しいが、それよりもスキルだ。スキルは2、3個しか駄目なのか?」

「うーん。別に駄目って訳じゃねーですけど、スキルを1つ付与する毎に難易度が上がってくですから安全に付与するには2、3個が良いってだけです」


スキルを付与する『魂への干渉』は『錬成』などのスキルと同様に素材のレベルが上がるほど難易度が上がる仕様のため、レベルが低い者、スキルが少ない者の方が成功確率は高くなる。『錬成』ならば失敗しても素材の消失や劣化で済むが、『魂への干渉』での失敗のペナルティはそこそこ重くなる。そのため安全マージンは取れるならば取る構えなのである。


「そうか。ならばしょうがないか。数個でもスキルが貰えることをありがたいと思うべきだな」

「私がスキルに慣れたらもう少し増えるかもです。それで最後にパフェまふに『逆様の領域』です」

「逆様ですか?」

「そうです。とある妖怪が使ってたスキルを参考に造ったアイテムです。まあそのスキルの下位互換何ですけど。効果は1日3回、領域内にいる味方のステータス中で一番低い値が反転するです。範囲は半径20mくらいですから気をつけるです」

「うわー。普通に凄いアイテムですね」

「まあこんなとこです。じゃあ私はこれで戻るですから、わからないことはアイに聞けです」


全員がアイテムの性能に驚き付いてこれてないのを余所に、今度こそ作業場に戻ろうとする雫に、漸く瞳が声を発した。


「待ってください。まだ相談したいことが」

「なんです?」

「クランハウスのことです。クランの人数に応じた広さのクランハウスが無いといけないんですよ」


今まではクラン人数2名だったため、クランハウスは瞳が所有するプレイヤールームを指定していたが、4人が加入するためにはそれでは足りないのだ。


「うーん。じゃあここじゃ駄目です?」

「ここってこの孤児院ですか?駄目っていうかクランハウスはプレイヤーが所有している物しか…」

「?所有してるです」

「所有って何時から?というかこういったNPCがいるエリアは特別なクエストとか無いと購入出来ない筈ですよ?」

「知らんです。ちょっと前にマリアからここのオーナーになってくれないかって言われてここの土地の権利を買ったです。流石に私も自分の物じゃない所にこんなに堂々と作業場なんて作らんです」

「え、あ、そうですか」


のこちゃんずが走り回ってる光景を見たこともある瞳は、雫ならそれもやりかねないと思ったが黙っていることにした。


「それでもこんなに大きな土地を購入するなんて、かなりのお金が必要だったんじゃ?主って別に商売とかしてませんよね?」

「商売ってほどじゃねーですけど、オークション機能とかで色々と売ってるですよ」

「オークションってそんなに儲かりますか?ああ、でも主のアイテムならかなりの値段が…」


そんな会話にあまのまひとつが入ってくる。


「もしかしてお前さんが噂に名高い『匿名希望さん』かい?メタルラッシュやボムラッシュなどオークション事件を何回も引き起こし、素材だけでなくアイテムも売ることから生産職の可能性が高いことかしかわかっていないあの!」

「さあ?でも金属とかボムとかは結構売ってるです」

「ボムを。なら間違いない。爆弾ならまだしもボムをオークションで売る人は『匿名希望さん』だけだからな!」


噂の人物を間近で見てテンションが急に高くなったあまのまひとつだが、雫本人はいまいち理解しておらず、興味無さげにしているのだった。



オークションの話は一応、32話 ボム製造 の話ですね。雫の資金源は基本的にオークションやNPCへの素材の売却です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ