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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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雛鳥の再誕

『太陽の化身』の使用条件が整いました。使用しますか? YES/NO


という文字を見た雫は


「太陽の化身?何ですそれ?聖樹の化身なら知ってるですけど。まあ取り敢えずYESです」


あまり理解していなかったのだが折角なのでYESを選択する。すると雫が取り出してもいないのに『太陽の化身』が出てくる。それを見た雫は漸くその存在を思い出す。


「ああです。むかーしにどっかの爺さんに貰った謎のアイテムです。すっかり忘れてたです。というかどこの誰に貰ったでしたっけ?」


呟く雫に答えられる者はいない。アンフェもシロも首を傾げるだけであった。それもその筈である。このアイテムはとある宗教家から受け取った物であり、これを手に入れた頃はアンフェもシロもまだ仲間にはなっていなかったときの出来事である。

そんな忘却されていたアイテム『太陽の化身』は勝手に出てきたかと思えば、辺り一面に飛び散った炎を集め始めた。


「『太陽の化身』って名前といいこの光景といい何か怖いです。警戒しとけです。今は鉄ちゃんもわんこも再召喚できないですから」

「ぉ~ぅ」

「わかった」


炎を集めると言っても『紅蓮の炎』によってフィールド上を覆ったマグマは集められていない。おそらく爆発で吹き飛んだ八咫烏の一部を集めているのだと雫は直感する。そしてその直感はある程度正しかった。炎の集結はすぐに終わり、集まった炎が徐々に形作られていく。ただそれは雫が警戒した八咫烏の復活とは少し異なっており、炎から形成されたのは雛鳥であった。


「ピェー」

「何か元の八咫烏とは大分違うですね。さっきのは再生じゃなくて再誕だったです?」


再び誕生した八咫烏の雛は、覚束ない足取りでよちよちと雫たちの元に歩いてくる。まだ生まれたばかりの雛鳥だからというのもあるが八咫烏は三本足でありあまり歩くのに不適切なのだろう。そんな雛鳥を見た雫は既視感を覚えた。


「何かあれです。わんこたちが仲間になったときみたいです。もしかしてお前も仲間になりたいです?」

「ピェ」

「そうですか。なら名前を考えるです。こいつカラスなのにピェピェ鳴いてカラスじゃ無いですから名前くらいはそれっぽくしてやるです。……よしラスです。よろしくですラス」

「ピェーー!」


こうして八咫烏の雛鳥が新しく仲間に加わったのであった。『太陽の化身』の効果はこのクエスト限定で使用可能な八咫烏の一時的なテイムである。本来このクエストはフラグの立て方により、何パターンかに分岐する。雫たちにはわんこがいたため八咫烏との戦闘一択であったが、フラグの立て方次第では『八咫烏の乱心』ではなく『月夜狼の襲来』など敵が八咫烏では無いパターンも存在する。しかし基本的に八咫烏も月夜狼も『日蝕』や『月蝕』を使って弱体化しないと勝てない仕様になっている。

そのため『太陽の化身』などのアイテムを使用することで助太刀してもらうのである。ただこのアイテムを使用せずにクエストボスを撃破すると別の効果が発揮される。それが御使いの永続的なテイムであった。ここまでソロで来る人は殆どいないため、パーティー枠を1つ使うテイムがいらない場合もあるため、テイムを断ることで別の報酬が用意されているのだ。

本来八咫烏との対決のため『太陽の化身』ではなく『月の化身』を貰う筈なのだが、月の化身は既に仲間になっているため『太陽の化身』を貰い、八咫烏を撃破してしまったため雛鳥としてのテイムであるのだが、それを知らない雫は、いやそれを知ったとしても雫は新たな仲間の誕生に喜ぶのであった。




書き始めた当初に用意していたラスボスを倒してしまいました。さてどうしよう

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