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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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日傘と日焼け止め

遅くなってすいません

雫が用意したアイテムは『日傘』と『日焼け止め』であるが、勿論現実世界で使われているような紫外線を遮るだけの代物ではない。どちらのアイテムも『妖魔街』や第9の街で入手した素材を使って作られているのだが、どちらにも種族的に日光が弱点であり街中に必需品のように売られていたため、素材入手にはそれほど困らなかったのだ。

この『日傘』は正式名称を『吸血姫の日光浴』といい、これは第9の街でひっそりと売られていた吸血鬼専用装備、というよりもそれ以外の種族で日光対策をする必要がないための専用なのだが、である日傘を買い錬成して強化したものである。そしてこの間、『魂への干渉』を使って更なる強化を施したため、それを含めればかなりの高性能な傘となっていた。


「まあ難点は私のいつもの格好だと全然似合わないことです。付与したスキルの関係からもこれを使うときはできる限りわんこモードにならなきゃならんことです」


漆黒のドレスを身に纏うわんこモードであれば吸血姫が差す傘も似合うだろう。ただわんこモードをさほど好んでいない雫からすれば苦肉の策とも言えた。


そして『日焼け止め』であるが、これは従来の日焼けを防ぐ物ではなく、太陽に焼かれるのを防ぐというコンセプトで作成されており、これを飲むと一定時間『火炎耐性』、『高熱耐性』『光耐性』などを獲得し、それに伴うフィールドダメージも無効にするという効果を持つポーションであった。


「本当は全く効かないようにしたかったですけど、『熱無効』とか意味わからんです。それに本家の『日焼け止め』を塗ってても日焼けしちゃう時あるですし、まあいいかと思ったです」


本来なら耐性よりも上位の無効を付与するポーションを造る気でいた雫だったのだが、まず始めに光でダメージを負うという感覚が理解できず苦戦し、それを克服した後に熱を無効化するという想像が付かなかった。最終的に本家の日焼け止めを参考に何とか形になったが、ここまで造るのにかなりめんどくさい試行錯誤があったのだった。


「頑張って『高熱無効』とか『光無効』を付与したら、凍り付いたり目の前真っ暗になっちゃったりしたです。別にダメージ無かったですけど、不便すぎです」


技術的に不可能ではないが、雫が造るアイテムは全体的に威力の加減が効かないため、ある程度妥協することになったのだ。幸い性能的に不足はなく、下手なモンスターの炎属性の攻撃なら、雫の紙耐久でもほぼ無傷で防げるくらいのため、『日傘』込みで何とかなるだろう。


「ほほ、貴女が凄まじい技術者であることは理解しました。何卒、八咫烏様の荒ぶる御心を静めてください」

「まあほどほどに頑張るです。期待せずに待ってろです」


雫としても八咫烏は未知のモンスターである。雫が絶対の信頼を寄せるわんこと対を為す存在であることから苦戦は必至だ。日光対策はしてあるがどこまで通用するか雫にもわからない。下手すれば相対して即、雫が溶かされてゲームオーバーの可能性もある。

ただ折角の強敵である。新作のボムの試金石にはもってこいである。そのため雫は、ロドンに心八咫烏に由縁のある場所を聞き、いつも通り行き当たりばったりでその場所に向かってみるのだった。

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