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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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八咫烏の乱心

装備の更新が終わった雫たちは『就職屋』で2ndジョブを選びその後第10の街へ進んで行く。全員が自身の戦闘スタイルにマッチしたジョブを選んだらしいが、残念ながら雫にはよく分からない単語が並んでいたため、おおよそでしかその凄さは伝わらなかった。


「えーと、わんこが『暗黒騎士』で鉄ちゃんが、たしか『黄金の守護龍』でしたです」

「わんわん!」

「………」

「それでアンフェが『神使』でシロが『陰陽師』ですね。何かみんな小難しいジョブに就いたです」

「ぁ~ぇ~」

「そうだね」


雫が就いた『魔錬導師』も十分小難しいのだが、それを棚上げしてわんこたちを非難する雫。とは言え別に雫がわんこたちの戦力の詳細を知っている必要は、特に無いのでこの話は直ぐに収束し話はこれから向かう第10の街についてに移行していくのだった。


第10の街は聞くところによれば第9と同じく宗教色の強い街であり、なおかつその信仰対象は陰神の御使いたるわんこと、相性の悪い陽神である。そのためわんこを住人に見つかるのはあまりよろしく無いのだが、雫の考えは少し違った。


「どうせ隠しても見つかりそうですし堂々としていればいいです。別に悪いことしてるわけじゃないですし、もし喧嘩を売られたら買えばいいだけです」

「くぅん」


もし今の雫が喧嘩を買えば街全体が大変な事になるため、わんことしては雫の影の中にでも隠れていた方が良いとかんがえているのだが、それを主人は許してくれなそうなので、弱々しい声で穏便に済ませるように要請する。

いくら街中が戦闘禁止区域で直接的なダメージが無効になり、破壊不能オブジェクトが存在すると言っても衝撃はNPCにも届くし破壊が可能な建物は倒壊するだろう。雫の最高威力のボムが放たれれば街は無事では済まない。わんことしては、いくら自分のための行動とは言え、いやそれだからこそそんな事態に陥るのは忍びない。


「大丈夫です。心配するなです」

「くぅん」


その要請を雫が素直に受け入れるかは別の問題だが。兎に角雰囲気は和やかに一行は第10の街に向かっていった。


そうして一行は第10の街に到着したのだが、着いてそうそうわんこたちは目の前の光景に理解不能に陥ってしまった。そんな呆然と目の前を眺めているわんこたちを尻目に


「取り敢えずわんこの心配していた私が街を破壊することはないですね」


雫は目の前の光景を受け入れていた。わんこたちは答えないが雫の発言は的を射ていた。何故なら第10の街は既に破壊されていたからである。正確に言うのならば第10の街は業火に包まれていた。


「まさかこういう街じゃないですよね?住人たちが火を消そうと四苦八苦してるですし」


一瞬、街全体で陽神を信仰しているためもしかしたら自主的な街を燃やしているのかと考えた雫だが、火を消そうとしている人たちが見えるのでそうでは無いのだろう。

そして何より、雫の目の前にはクエストの文字が浮かんでいる。おそらくこれは雫が街に入ったため発生したクエストの一環なのだろう。


「これも久しぶりな気がするです。えーと、『八咫烏の乱心』ですか。まあ確かに乱心してるですね」


街の有り様を眺めた雫はクエスト名に納得するのだった。

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