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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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閻魔の杖

閻魔王からの褒美を受け取った雫は、現在天邪鬼の元で『妖術』の修業に励んでいる瞳にお別れを言い、『妖魔街』を後にするのだった。

閻魔王からの褒美品は幾つかの種類があったが、使えるものが限られていたので雫はその中から『閻魔の杖』を貰うことにした。『閻魔の杖』の効果は装備者の『妖術』と『仙術』の威力を底上げする基本的な効果の他に装備することで『死の運命』を使用可能となる。


「わんわん!」

「『死の宣告』?何ですそれ。この杖で使えるようになるのは『死の運命』です。宣告じゃないです」

「わんにいちがうよ」

「……」

「最強決定戦?覚えてないです。まあ何にしても一回使ってみるといいですシロ」

「わかった」


類似スキルに『死の宣告』という物があると、それを受けたことがあるわんこが言うのだがそんな昔の事を雫が覚えている筈がなく、しょうがないので手頃な相手でスキルの試し撃ちをしてみることになった。その結果『死の運命』は攻撃的なスキルというよりもデバフ要素のあるスキルであることがわかった。

『死の運命』の本来の目的は即死耐性を持つモンスターを殺すためあるようで、その副次的な作用によって対象が持つあらゆる耐性を無効化することが可能である。これはスキルによる何らかの攻撃の回避すら無効化するため、『妖魔の脇道』の幽霊型モンスターを例に上げれば、物理攻撃を避ける『透過』も魔法ダメージを軽減する『魔法耐性』も無効となるので、わんこや鉄ちゃんでも幽霊たちを倒せるようになるのであった。


「中々いい杖です。それはシロが使っていていいです。ああ、でも『妖術』を使って何かを錬成するときは貸してです」

「りょうかい」

「それじゃあ行くです」


スキルの試し撃ちも終わったので、取り敢えず閻魔王の『王の審判』に耐えられるようになるため、レベル上げに勤しむことにするのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日に運営から大規模のお知らせがあった。今回のアップデートは今までのモノよりも更に色々な要素の追加があると噂されており、新エリアや施設の解放、新しい種族や職業、モンスターの追加などに加えて3rdジョブの解放など様々な事が始まるのではと言われており、インターネット上ではそういった噂で持ちきりなようだ。

そういった物に疎い雫はそれらの情報を小枝や瞳から聞かされており、特に瞳が言うには、


「こういうアップデートの後には、新規のユーザーや新しく始めるプレイヤーも存在するから、クランに誘う人材も現れるかもしれない」


らしい。とは言え雫は積極的に人材確保に赴く積もりもないので、もし良さげな人がいればという程度であった。そんなことより雫が気になっていることは、今回のアップデートで行けるようになる筈の街、第10の街であった。そこは陽神の総本山であるらしいので、わんこを連れていくとなれば面倒事に巻き込まれる可能性が高いだろう。


「まあ、わんこを連れていかないって選択肢は無いですし、面倒そうですけどここまで来て第10の街に行かないのも何です。しょうがないです」


やれやれという風に肩をすくめながら、雫は楽しそうに笑みを浮かべるのだった。


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