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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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格の違い

大天狗から受け取った札により漸く全ての札が揃う。すると七枚の札が合わさり一枚の『割札』になった。


「その『割札』を持っていき提示すれば、基本的にこの『妖魔街』のどの場所にも入場が許可されるの。まあこれを持たずとも長の屋敷など限られた場所以外は入場できるがの」

「そうですか。これでこのイベントもクリア目前です。後は長とやらだけです」

「ほほ、そうじゃの…まあ普通ならば『妖怪七人衆』は、一日二日で突破される面々では無いのじゃがの」


『妖怪七人衆』は多種多様な特徴を各々が持っているため、初見で攻略されることは想定していないのだ。


「ところでお前さんたちは長にも勝負を挑むつもりかの?」

「…玉藻にもそんな事聞かれたです。別にどっちでも良いです。私はそこまで好戦的では無いですから。貴方も長とは戦うなって言うですか?」

「別に言わないの。戦ってみるとええ。勝負にならんからの。格の違いを知るのも良い経験じゃしの」


雫としては別に無理に戦う必要は無いと考えていたが、確かな強者である玉藻と大天狗の両名が勝てないと断じた『妖魔街』の長に興味が湧いた。


「そんなに強いです?」

「強いかどうかはわからんの。儂は長が戦闘で三つのスキルの発動、以外の行動を見たことが無いからの。ステータスや他にどんなことができるかは知らんが、それだけで我々は完敗したの…」


大天狗は長の数少ない情報を提供してくれる。それを聞いた限りだと雫には確かに勝てるビジョンは浮かばない。


「そうですか。まあ取り敢えず行ってみるです」


情報を反芻し終えた雫は、最後の札と長に関する情報をくれた大天狗にお礼を言いつつ、長の屋敷に向かうことにするのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大天狗に好奇心を刺激された雫はおそらく負けるだろうと高を括って、長と戦ってみることにした。完全に出たとこ勝負であったが、その結果は案の定散々なモノとなった。


「何度やっても無駄だ。『跪け』」

「…くっ!駄目です。抜け出せんです」


長のその言葉に貧弱な雫だけでなく、わんこたちですら素直にしたがって跪いてしまう。


「はっはっは。お前たちはまだまだのようだな。我が『王の審判』を破るには種族としての、もしくは存在としての格が足りぬのだ。我こそはこの『妖魔街』の長であり、死の審判者である閻魔王。我と同格以上でなければこれを破ることはできん!」

「面倒なスキルです」

「負けを認めよ。その『割札』さえあれば我はいつでも再戦を受け入れようぞ」

「…そうさせて貰うです。今は勝てないです」


閻魔王の『王の審判』に対抗するにはもっと強くなる必要があるらしい。それは進化などをして閻魔王と釣り合う種族になるか、存在を、おそらくレベルを上げて閻魔王と釣り合う存在とならなければ、ちゃんと戦うこともできない仕組みなのだろう。

唯一これに対抗しうるのは雫の『フラスコの中の自由』だか、あれは今は使えないし使えたところで、動けるのは雫のみでは、閻魔王の公開されている2つのスキル『地獄門』という召喚術と防御術を兼ね備えたスキルと、それによって召喚された地獄に住まう妖魔を纏う『百鬼夜行』で雫の反撃を封殺してしまうだろう。ここは退いて強くなるか雫が対抗しうるアイテムを作る以外無いだろう。


「まあそんなに落ち込んだ顔をするでない。我に勝てずとも『妖怪七人衆』を全て打ち倒し我の元までこれた功績を称えて、お前には褒美をやるのだからな」


今のところ閻魔王を倒すという隠しクエストはクリアできなかったが、本筋のクエストは何とかクリアできた雫に喜びは無く、ただひたすらに閻魔王のスキルを打ち破るアイテムを錬成するために考えを巡らせていて、話を聞いていないのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 王の審判とかモロめだかボックスのパクりじゃん。
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