表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
222/398

玉藻の忠告

雫とアンフェのもふもふタイムはその後、延長戦を迎えかなりの長時間行われていた。まだそれほど人型に慣れていないシロはそろそろ限界のようであった。


「あるじ、アンねえ。そろそろ」

「もうですか?」

「ぇ~?」

「わんわん!」


シロが人姿になれるようになり雫とお喋りしている様子を見て、元々、『人化』を習得しており、今まで人型で過ごしている鉄ちゃん、天使となり本来の姿がそもそも人型のアンフェに続き、シロまでも『人化』を習得したため、獣の姿がわんこ1人となってしまい、焦燥感に駆られたわんこが、雫に自分も『人化』の許可を求める。


「わんこの人型は何か違和感があるですからダメです。前も言ったです。」

「くぅん。」

「鉄ちゃんは龍の姿だと大きすぎて邪魔ですし、アンフェは元々がこれです。シロの人型モードは尻尾のもふもふ感が増していい感じになります。でもわんこが人型モードになると移動でわんこに乗れなくなるってデメリットしか無いです!」

「わんわん!」

「私は人に跨がる趣味は無いです。」

「わんにい。どんまい。」

「ぉ~ぁ~ぃ」

「……」

「くぅん。」


わんこの嘆願は残念ながら通ることは無く、シロに慰められるのであった。


漸くと言うか早くもと言えば良いのが、雫は妖魔街の長に会うために必要な札七枚の内、六枚を手に入れた。そのため次の相手、『妖怪七人衆』の序列一位、大天狗を倒せば全て揃うことになる。


「この街が出来て、わたくしたち『妖怪七人衆』が発足して何人かが入れ替わり守ってきた長い年月で札を全て集め長に会えた者など数えるほどもいませんわね。貴女方ならばそれを成し遂げるでしょう。ですが、あまり大天狗殿を甘く見ないようお願いいたしますわ。」


シロの成長。そして札集めも残り僅かということが相まって、次の相手となる大天狗のことがすっかり意識外に行ってしまっているように感じ、雫たちに忠告する玉藻。


「強いのは何となくわかるです。でも私たちも全てを出し尽くした訳じゃ無いです。シロも今さっき成長したばかりです。軽んじてる気は無いですが、それほど警戒する気も起きないと、わんこもいってるです。」

「わんわん。わふっ!」

「いってた。」

「ぉ~」


しっかりと責任をわんこに押し付ける一行。そんな様子に思わず笑みが溢れる玉藻。


「ふふ、仲睦まじいご様子で。確かにわんこ殿と鉄ちゃん殿は、まだまだお力を隠されているのを感じますわ。しかし大天狗殿も『妖怪七人衆』序列一位の座を長い間、長より授かり守ってきた御方ですわ。」

「そんなに強いんです?」

「強いですわ。と言ってもステータスやスキルの上での強さとは少し異なりますが。おそらくそのような数値的な強さで言えば大天狗殿よりも貴女方の方が優れておいでです。あの方の強さはそう言った数値には現れない知識や経験、言葉にすれば戦闘勘のようなモノです。兎に角、あの方との戦闘は戦いにくいのです。」

「ふぅんです。まあわかったです。」


玉藻の忠告をしっかりと聞き流した雫は、大天狗が待つ屋敷に向かうのであった。雫にとって戦闘とはノリと勢い、思いつきのため、数値的な強さも経験からくる強さも大してあてにはしていないのであった。


「私はわんこたちのステータスが強いから信頼してるんじゃないです。わんこたちだから信頼してるです。」


そういうことであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ