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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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貫き通す弱さ

奥の手であった『ステータス反転』が裏目に出て、ボコボコに打ちのめされた天邪鬼は雫との最弱勝負に完膚なきまでに敗北を喫した。天邪鬼の敗因は、天邪鬼のステータスはバランス良く振り分けられており、満遍なく低いのに対して、雫のステータスはDEXにほぼ特化した構成をしており、それ以外は軒並み初心者プレイヤーレベルのステータスをしている。この差が出てしまった。

一応種族進化を果たしてステータス的にも強化され、装備品で最低限の値は確保している雫であるが、それでも天邪鬼の低威力の攻撃が、即死級のダメージになることからその貧弱さが分かる。一方、天邪鬼は弱いと言っても『妖魔街』などの妖怪や『妖魔の脇道』を踏破出来る力のあるプレイヤーに比べて圧倒的に弱いが、アイテムや装備品を除けば生産職より弱い可能性すらある雫と比べるまでもないのであった。


「くそが。俺の弱さは所詮贋物って訳かよ。しかも俺の切り札を使っての大敗。ちきしょー。」


悔しさを全面に出す天邪鬼。 そんな天邪鬼を見た雫は駆け寄っていき優しく追い討ちをかける。


「お前の敗因は私の方が弱かったというのを除いてもです、最終的に弱さで勝負しなかったことです。弱者に強者の戦い方はできねーです。強さの使い方がわかんないんですから。」

「その通りだ。俺の『捻くれ者』が相手にも効果を及ぼすスキルなのは、俺が強さを使いこなせないためだ。多少ステータスに差が出来ても強さを扱う練度が違うから、俺が強く、相手が弱くさせないと駄目なんだ…しかし今回は俺だけに反映されるようにすべきだった。」


そう言ってガックリと肩を落とす天邪鬼。そんな彼に二人の戦いを見学していたシロが慰めと言う名の追撃をする。


「コーン」

「なんだシロ坊。」

「コーンコン」

「なんだと。いやでも。」

「コォン?コン」

「確かにそうだったな。小手調べであの威力。本気だったらこの道場が…そうか俺は結局負けていたのか。」


シロの考えでは、『捻くれ者』の『ステータス反転』によって天邪鬼のみが強化され、高ステータスとなった場合、結局いつも行っているボス戦と変わらない。すると雫がボス戦において用いる手段は最大火力のボム攻撃である。フィールド内ですら被害は甚大であるのに、道場内でアレを使えば道場が燃え尽きてしまうだろう。

そのため要約すると、

「どっちみち天邪鬼に負けていたが、被害が少ない負け方だったから結果的によかったね」

であった。言ってることは正しいかもしれないが、酷い言い草である。それを天邪鬼は聞いてさらに落ち込んでしまう。


「くそが。俺はどうすればいいんだ。俺の弱さは中途半端だったのか。」


そんな呟きを聞いた雫が何か思い出した表情をする。


「弱さで思い出したですけど、もっと弱くなりたいなら良いのがあるです。えーと、『エナジードレイン』と『幼化ポーション』です。試してみるです?」

「わふっ、くぅん。」


雫は二つのポーションを取り出し天邪鬼に突きつける。それを端から見ていたわんこはそれらのポーションを渋い顔で眺めていた。






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