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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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1週間

イベント開始まであと4日とせまってきた。雫達は、今亜人の街の門があるフィールドにいた。目的は門番の一人であるランにわんこを鍛えてもらうことであった。雫はそれほど乗り気ではないイベントなのだがわんこがとてもやる気になったらしく、自主的にランに頼み込んだのだ、さすが亜人だけあって何となくニュアンスは、ランに伝わったのだ。最初は嫌がっていたランも、リクから聞いた話をボソッと雫が一人言でもらすと、快く引く受けてくれたのだった。


「もっと力を込めて攻撃しろ、一撃一撃が軽すぎるぞ。」

「わんわん」

ランの檄がとぶ。ここ数日毎日稽古をつけてもらっているため、わんこの実力はぐんぐん上がっていた。

「よし今日はここまでにしよう。」

「くぅん」

「いやしかし…わかったあと少しだけだぞ。」

人族にはわからない会話をしながら稽古は続く。一方雫はというと鉄ちゃんに守られながら、センとリクとおしゃべりしながら、イベント用の爆弾を作っていた。わんこがやる気になったので雫も頑張ってみようと決めた。そしてリクからは封印についてもいろいろと聞いていた。

「やっぱりシズさんはすごいです。素質があります。ちょっとそのイベントとやらには間に合わないと思いますけど、もう少しで封印を覚えられますよ。」

「そうです。残念ですけどしょうがないです。そういえばセンさん魔法のことなんですけど。」

「うーんシズちゃんには魔法は合わないと思うわ、MPが絶望的に足りないもの、でもそうねシズちゃん達のパーティーには遠距離で安定して攻撃できる人がほしいかもしれないわね。」

「そうです。私の爆弾はどんなにいっぱい作ってもなくなったら意味ないです。」

「なんとかしてあげたいけどこればっかりは…」

センの台詞を遮るようにランが叫ぶ。

「なんだこれは、わんこどうした。」

わんこの前回も森だった。多くのモンスターに囲まれて雫を守るためにおこした。それが今またおきようとしていた。進化である。

「わんこの姿が変わったです。」

前よりも少し大きくなり、毛の色も黒みがかっていた。名前もただのワーウルフではなく、ワーウルフ・ナイトとなっていた。そして図ったかのようにわんこは魔法を覚えていたそしてそれにともない新しいスキルも一緒に。


『闇魔法 「影」』 『影使い』


「やったですわんこ、魔法です。なんか強そうな魔法です。」

「わんわん」

「……」

嬉しそうな雫達とは対照的にセンは難しそうな顔をしていた。

「どうしたです、センさん。なんかまずいです?」

「闇魔法しかも影はとても強力な魔法よ。私の空間魔法と同等くらいに。でも扱いがとても難しいのとてもあと数日で扱えるようになるとは思えないわ。イベントっていうのはあと4日後にあるのよね。ならあと3日しか練習できないとなるとは厳しいわね。」

「わんわんわん」

「そうねシズちゃんのためだもんね。わかったは、私も協力します。なんとか一通りだけでも使えるようにするわよ。」

「よろしくお願いするです。」

「わんわん」


それから3日間は先生をランからセンに変え、魔法の稽古にわんこは励んだ。その間雫はリクに教えられて、MP回復薬を作った。リクが見つけた魔草の群生地からたくさんの魔草をとってきてあとは、ポーションの作り方と同じであった。作ってはわんこに使い、作ってはわんこに使うの繰り返しで修行の効率を高める手助けを精一杯した。

そのお蔭か一通りはわんこも魔法が使えるようになった。


そしてイベント前夜となり雫達は最初の街に戻ることにした。イベントのことがよくわからないので、プレイヤーたちがいる街に戻ることにしたのだ。

「わんちゃん。わんちゃんの魔法は強力だけどまだまだ精度にかけてるから油断しちゃダメよ。シズちゃんも鉄ちゃんも頑張ってね。いい結果期待してるわ。」

「まあそのなんだ、頑張ってこい。」

「シズさんなら大丈夫です。アイテムたくさん作りましたし。」

とこの1週間で仲良くなった三人にお礼を言う雫達。

「ありがとうです。イベントが終わったら、また来るです。」

「わんわん」

「……」

しばしの別れである。



最初の街に到着した雫は、ログアウトするかどうか迷っていた。してもいいがせっかくだし、なんかやりたい気分でもあった。そんなとき後ろから声をかけられた。振り替えると少女がそこに立っていた。

「すいません、戦闘職の方ですか?」

「はいです。まあ一応ですが。」

「そっそれなら私の委託プレイヤーになってください。」

「委託プレイヤーですか。 」

「もしかしてもうなってますか。」

「いやそんなものになった記憶はないです。」

「じゃあお願いします。もう何人にも断られて、イベントも、もう明日だし。あなたしかいないんです。」

雫は最初、イベントに興味が薄く、イベント内容をしっかり見ていないため、委託システムを理解していなかったが。

「いいです。その委託プレイヤーとやらになるです。」

気まぐれかなんなのかわからないが雫は承諾した。この気まぐれが少女の運命を変えるとはまだ誰も知らない。

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