妖怪七人衆の猫又
幽霊退治をしながら進んでいた雫たちパーティー。たまに『人気者』に誘われてレアモンスターもチラホラ現れるが、アンフェとシロの活躍もあり、問題なく『妖魔の脇道』を抜けることが出来た。
今回もフィールドの先には街があり、その街に入るためにはその前に待ち受けているボスを撃破する必要があると言うお決まりのパターンなのだが、今回のボスモンスターは一味違った。
「にゃにゃ?これはこれは。珍しい来客かと思ったらこれは久しぶりにゃ。九尾ちゃんたちじゃにゃいか。」
「コーンコン」
そこに立っていたのはシロに『妖術』や『仙術』を教えた猫又のヤミであった。
「あーあ、久しぶりです。確か、ヤミだったですか。ここにいるってことはお前がここのボスってことでいいですか?」
「にゃー?ボスっていうか私はこの『妖魔街』の長に仕える『妖怪七人衆』の一人ってだけにゃ。ここの守護は七人で仲良くやってって言われてるから、毎日ここの守護は交代にゃー。私がここを守護するのは7日に一度ってことにゃ。わかったかにゃ?」
「まあでも、今日はお前がボスってことに変わりはないわけですね。」
「にゃにゃ。そうにゃん。」
そう言ったヤミの姿がぐにゃっとぶれる。それと同時に複数人のヤミが一斉に襲い掛かってきた。おそらく『妖術』による幻だろう。また『仙術』によって気配を消しているため見分けがつかない。
「わふぅ!」
「どうしたんですわんこ?」
わんこは前回、ヤミの変化を匂いにより判断できたのだが、今回は対策済みのようでわからない。
「コーン」
相手の『妖術』に対抗しようとシロも『妖術』と『仙術』を使いだした。しかし年季が違うのだろう。『妖術』と『仙術』による探知は難航している。
「にゃはは。ちょっと前に『妖術』と『仙術』を覚えた小童に負けるほど落ちぶれてないにゃ。いくにゃ『黒炎玉』」
「わんわん!」
焔龍の闇騎士による火属性闇属性吸収を得ているわんこが前にたち防御の体勢に入る。
「にゃはは。この火の玉はただの火属性じゃないのにゃー。妖魔の火の玉は闇にも通じるのにゃ。」
「わんわん!」
焔龍の闇騎士による火属性闇属性吸収によってノーダメージのわんこ。ヤミも大見得を切った手前、恥ずかしそうだ。
「複合属性を初見で防御されるにゃんて。でも君たちにも私の幻影は見破れにゃい。」
「うーんそうです。めんどうですね。わんこ、準備。一気に焼き尽くすです。」
「わ、わん」
「にゃは。範囲攻撃かにゃ?私には『仙術』の結界術があることを九尾ちゃんから聞いていないかにゃ?」
「耐えれるなら耐えてみろです。『紅蓮の炎』」
前回のイベントでも使用した『紅蓮の炎』により雫を中心に火柱が上がり、フィールド全体をマグマが包み込む。
「にゃ、にゃんと。まずっ。」
予想外の災害級の攻撃を前に、ヤミは成す術なく呑み込まれていくのだった。この戦闘後、この攻撃についてヤミは憤慨した様子でこう語るのだった。
「にゃんなんだにゃーあれは。あんな攻撃知らないし、聞いてないにゃー。反則だにゃー。」




