表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
193/398

小鉄たちの自滅技

このゲームにはエリア、フィールドに応じたギミックがある。森エリアには、雫は加護持ちのため気付かないが探知阻害系、雪原エリアは吹雪等による天候ダメージ系や積雪による移動阻害系等々が存在する。

勿論マイナス効果だけではないのだが、それは置いておいて雫たちがいる沼地エリアにも泥による移動阻害などがある。しかし『混血吸血鬼』であるアイの種族特性の一つに飛行能力の獲得が存在し、そう言ったギミックは無効化できる場合が多い。


「我の前ではこのような障害など無いに等しい。但し種族ペナルティも軽くないのでわんこ殿のようにスキルや魔法にて移動阻害を無効に出来るのは羨ましい。」

「わんわん」

「そんなもんですか?

そこら辺はなんとかなってるですからあんまり気にしてないです。」


種族ペナルティとは吸血鬼への日光ダメージなどである。その点わんこの『影道歩行』はエリアではなく造り出した影を歩くためそのような移動系のギミックを無視できる。

本来ならこういった物はアイテムや装備で対処するのが理想であるし、アイも日光ダメージの軽減などを装備で補っているのだが、移動阻害などは自分の足で移動することが少なく、元々の移動スピードが皆無な雫にはそう言った発想が出ず、雫たちのパーティーには出回っておらず雫の 知らない所でシロやアンフェが、かげながらフォローしているのだった。


そうこうしている内にすいとミリーがいるとされている地点まで到達した雫たちであったがそこには、すいたちの姿は見えずその代わりと言っては何だが小さなクレーターができていた。


「ふぇ。どうしたんですかね主。」

「まあ何となく想像はつくです。沼地ってことは沼の中に入っていて『水暴走』しちゃったようです。よね鉄ちゃん?」

「……………」


鉄ちゃんは静かに頷く。


「そうなったら召喚解除するしかねぇーですし、多分近くにミリーが飛ばされてるはずですから探すです。全くどっくんといいすいといい。」


どっくんの『毒龍』などのようなスキルと言うか、自滅技を他の小鉄たちの中の数体も会得している。ヒーの『超過熱』やクーの『絶対零度』などである。これらは自身の力を限界まで引き出すことで制御を失い数分のパワーアップと引き換えに自滅するのだが、すいの『水暴走』もそれに該当する。

物理攻撃に耐性の高いすいは水分を体内に取り込むことで速度を失う代わりに魔法攻撃への防御力を高める。しかし体内に取り込んだ水分が許容限界に達すると体内の水圧に耐えかねて破裂するのだった。その威力はそれなりに高く、予期してなければ高レベルプレイヤーでもかなりのダメージが予想される。更に破裂したすいの体はバラバラに飛散しHP1を残し移動不可となる。この状態になるとHPを回復させても体が元に戻らないため、召喚解除して再召喚せねばならないのだった。

その後、小規模クレーターの側に気絶しているミリーを発見し休ませるため召喚解除した。

一応『水暴走』の破裂は水属性付与の爆発魔法に分類されるため、近くにいたミリーは『魔法全反射』で誰かに擦り付けたため、肉体的ダメージは爆発の衝撃によるノックバックの落下ダメージくらいであった。


「どうしたです鉄ちゃん?

そんな可哀想なモノを見る目でクレーターを見てです。」

「……………」


このクレーターができた何となくの状況を眷属ネットワークを通じて知っていた鉄ちゃんは、ただでさえ理不尽な自爆攻撃を2度食らった存在に対して憐れみを感じるのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ