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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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VS雫パーティー

この戦闘は視点を連合側にしています。三人称だからあまり変わりませんがそうしないとすぐ終わりそうなので。

『少女の楽園』のメンバーは呆然としていた。事前に収集しておいた情報にこえだが直接聞いた情報を併せても、今の攻撃を直撃して無傷、いや生き残っていることこそあり得ない。しかし現状は奇襲によるアドバンテージは無し、奇襲は失敗したことになる。

唯一の救いは、雫をターゲットにしていなかった『正義の礫』と『剣聖の集い』の面々は作戦通りに行動出来ていたことだろう。勿論驚いてはいるが。


「こえだ。あの子は1st 2ndは錬金術師とその上位ジョブなのよね。」

「はい。それは間違いありません。」

「レディさん、こえだちゃん。運営から挙がってる錬金術師固有のスキルには戦闘に直接関係するモノはなかった。そもそも錬金術師の戦闘スタイルは長期戦闘での消耗品の補充、武器や防具の破損の修理、敵の武器防具の劣化、地形の変化などのある種の補助系戦闘職。あの子は戦闘系スキルを多く取得してる可能性はない?」

「多分無いです。シズちゃんはどっちかというと生産性に極振りしてるっ感じです。だからあれはアイテムによって防いだか、」

「彼女の取り巻きのスキルによるものね。幸い奇襲には失敗したもののりーりりも倒されてないわ。作戦を少し修正するわ。りーりりはターゲットから離れて中距離で魔法攻撃を、私とシュヴァルはここで遠距離をこえだは少し危険だけど接近戦でタゲ取りお願い。テリメアは人形でこえだの補助。わかった?」


『少女の楽園』のメンバーは何とか正気を取り戻し、戦闘に戻っていった。


こえだが雫たちのもとに到着した時、既に戦闘は始まっていた。奇襲の失敗で当初の作戦と多少の変更が余儀なくされたが、流石はトップクランの主力たちである。見ると雫から狼と龍の引き離しに成功していた。

わんこも鉄ちゃんも自身の対策をしっかりとしてきた相手との戦闘の経験は無く、動揺が見てとれた。


「やはり強いが、奇襲からの首斬りの一撃必殺を防げれば戦える。まあパーティーで囲んでやっとだが。」

「少しにですが攻撃は通っています。このまま押しきりましょう。」

「こっちも何とかなるな。こっちの攻撃は通ってないけど、速さで翻弄すれば攻撃を避けることは出来る。」

「今のところは優勢なんだからそう不満そうな顔しないでよベルさん。1人だと攻撃避けれても引き離すとこまでいけないんだから。」

「してない。」

「えー、何ですかその嘘。」


戦場で雫は妖精と二人っきりとなっていた。モンスターとプレイヤーが同じレベルならばステータスはモンスターの方が高く設定されている場合が多い。さらにわんこと鉄ちゃんはプレイヤーの強みのひとつであり、人型のモンスター以外にはない、装備をしている。しかし全てのステータスが彼らを圧倒的に上回っている訳ではなく弱点は存在する。

わんこは機動力にある程度特化している。魔法の威力も高いが、魔法特化の後衛職に比べたら見劣りする。今までは首などのウィークポイントの強襲による必殺ボーナスによりそれを補っていたが、今回、それを警戒した彼らは首などを徹底的に守る装備を整えて望んでいた。影からの奇襲も警戒されていて戦いにくそうだ。

鉄ちゃんは攻守にバランスが良いが機動力が高レベルプレイヤーに比べて圧倒的に足りない。『剣聖の集い』に翻弄されているようだ。

これは向こうにしてみれば、予想外だっただろう。しかしこえだはこの状況を素直に喜べなかった。1つにトップクランの精鋭6人がかりでも倒しきれない相手であること。一応、メンバーの犠牲を出せない事情、ここでメンバーを失えば雫たちに勝利してもこの同盟が解除した後困るということがあるため、慎重に戦っているとは言え多少優勢であってもほぼほぼ互角。彼らの実力を知るこえだとしては理解したくない事態だ。

そして魔法による中遠距離攻撃は開始してるのにそれをあの妖精が防いでることにであった。妖精が最前線のレベルでの戦闘が可能などこえだからすれば考えても見なかったことであった。

さらにこえだは雫を視認して、少し前に発言した自分を殴りたい衝動に駈られていた。


「何が戦闘スキルはないだよ。あるね。しかも私の見たことないのが。」


こえだが見たのは雫の周りに荊を生やしながら、自身の回りに短剣を飛ばしている光景だった。



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