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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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雫包囲網接近中

雪原エリアと端の一画に陣取り何やら画策しているプレイヤーたちがいた。


「おっ見つけた。狼と一緒にいる。あとその傍らに男が1人と天使っぽい女の子がいる。」

「やっとですか。噂の『鷹の目』もたいしたことないですね。」

「うっせー。てめぇーの人形の移動が遅いからこんなに時間が掛かったんだよ。」

「やめなさいテリメア。『少女の楽園』の一員である自覚を持ちなさい。」

「お前もだホーク。黙って状況説明を続けろ。確か情報によれば男の方があの龍なんだろ。」

「はいはい、ベルさん。えーと、っと、やべ。」


ホークと呼ばれたベルが率いるクラン『剣聖の集い』の幹部の男が突然驚く。


「どうした。」

「一体、やられました。」

「なんですって。彼女たちを造り上げるのに私がどれだけの時間を…」

「テリメア。」

「はい。」

「いや、悪かった。しかし『代り目』で何時もよりも効果が低下してると言っても『鷹の目』と『視界知覚』のコンボでもどうやって攻撃されたかわかんなかったぞ今。」


ホークはテリメアが操る人形に『代り目』で視界を付与し、その視界を利用して偵察を行っていた。『鷹の目』によって圧倒的に広がった視界と『視界知覚』により視界に入った全ての物を捕捉するスキルで雫たちを見張っていたはずであった。しかしいつの間にか人形が破壊され見えなくなってしまった。


「それはわんこの仕業だろう。まあでも場所は特定できたんだ。直ぐに向かおう。ホークとテリメアは近くの人形を使って再度見張りを頼む。月鳥、『ステルスベール』を全員にかけておいてくれ。」


『正義の礫』の盟主アックスが指示を出し3つのパーティーが動き出す。『ステルスベール』とは探知系のスキルや魔法の効果を無効化するもので、これと幻惑魔法などの視覚を惑わすタイプの魔法と併せて使用するとかなり効果的なのである。


集団はさすがにトップクランのメンバーであるため、移動中に幾つものパーティーを壊滅させていた。


「ちっ、弱すぎ、準備運動にもならん。」

「まあベルっち、どうせもうすぐ本番なんやからそうカリカリせんといてや。」

「そうだよリーダー。lalaさんの言う通りだよー。とかどうせ鉄ちゃんさんはリーダーがやるだから、他のはわれらにちょうだいよー。」

「うるさい、lalaも林檎菓も黙ってろ。」


クランメンバー二人に宥められ少し不機嫌なベルを見た他の人たちが意外そうな視線を浴びせていた。


「ベルさんってもっと近寄りがたいイメージでした。何か意外です。」

「そうかしら。ベルはクランの中だとこんな感じなんだけど。まあ少し人見知りで口下手だから。」


特に女性メンバーのみで構成されている『少女の楽園』はそこまで積極的に他のクランと交流をしていなかったため、最初は距離があったが徐々に会話も増えてきていた。

そんなほんわかムードが偵察を行っているホークの一言で一変する。


「状況が変わった。ターゲットは現在、エリアボスと思われるモンスターと交戦中。距離はだいぶ近いっす。どうします?」

「ボスとの戦闘で弱ったところを叩けるチャンスだな。少し狡いがこれも勝負だ。戦闘に巻き込まれない位置まで近付いて戦闘終了と同時に攻撃開始で良いんじゃないか?」

「やっとか。なら作戦通り、『剣聖の集い』で龍は抑える。」

「鉄ちゃんさんだよー」

「黙れ林檎菓。」

「じゃあ俺たち『正義の礫』でわんこを分断する。そして孤立したシズを『少女の楽園』が仕留めてくれ。但し爆弾には気を付けてくれよ。」

「わかっているわ。」

「よし、それでは接近をかい…」


アックスが全員に指示を出そうとした瞬間ドゴーンという轟音が響き渡った。全員が一斉に音のする方を見ると巨大な火柱に目を奪われてしまった。全員が唖然とするなか何とか正気を取り戻したアックスが、ホークに状況確認を頼む。すると、


「ねぇアックスさん。ホントに彼女たちと戦うのか。俺、自然災害を平気で引き起こす奴と戦いたくないんだけど。」


とホークは呟くのだった。


クラン名を書いてあったつもりだったのですが見つからなかったので書きました。

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