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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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里帰りぽい

学校の授業を終えた放課後、いつもなら素早く家事と宿題を済ませてゲームをプレイしてる時間だが、今日はいつもと違った。


「しずちゃん。ここ分かんないんだけど、あとこことここも。」

「小枝、うるさいです。自分で考えろです。」

「…できる。」

「鈴もそう言ってるです。一週間後には期末試験なんですし、やれです。」


12月では学校の行事も期末試験と終業式を残すのみとなっていた。その期末試験対策のため小枝が雫に頼ったため、鈴も誘って三人で勉強会をしているのであった。と言っても雫は意外に勉強は出来るし、鈴もそこら辺はそつなくこなすため、小枝が頑張るのみの勉強会なのだった。


「それにしても、クリスマスイベントって何になるのかな。」

「小枝、サボるなです。」

「えー、少し休憩しようよ、今日は結構頑張ったし、それにさ、この前のクランのイベントは私たちの所も鈴の所も結構いい線いってたし。」

「イベント。そんなのあったですか。覚えてねぇーです。」

「…最初ボロボロ。…団長来た。」


鈴が言うには最初は厳しい戦いだったが、クランの盟主が遅れて登場してから怒濤の追い上げを見せたらしい。


「凄かったよあの人。団長さん。作戦と指揮が凄いって。あの人数でランキングに載せるのは難しいのに。」

「へー。でも最初は駄目だったんですね。何でです。その団長さんが居なかったからですか?」

「………、…別に。…役立たずが。…でも消えた」


鈴は雫を少し見たあと小さな声で物騒な言葉を呟いた。そのため雫は鈴が何を言ったかは分からなかったのである。その後も勉強会は小枝が雫にもう止めようと泣きつくまで続いた。



ここ最近、雫は新たなアイテム造りに奮闘しており、それらの製造に必要な素材集めのためにあちこち駆けずり回っていた。勿論、わんこが。

大抵の場合、雫は誰にも邪魔されないわんこの影中で作業をしていた。但しこういった場合、機動力が劣る他のメンバーは手持ちぶさたになりがちであった。

そのため単独行動が似合う鉄ちゃんは、新小鉄たちを鍛えるため何処かに行っていた。

そして今回は珍しいことに何時もは雫にベッタリなアンフェは、お伴にシロを連れてお出掛けであった。アンフェたちが来たのは『妖精の楽園』。アンフェにとっては里帰りであった。


「~ぉ~ぉ~ぅ」

「コーン?」


パーティーに入った順ならばアンフェはシロより先輩であるため、少しお姉さんぶりながら色々と身振り手振りで案内をしている様子が可愛らしい。しかしシロにはアンフェのお姉さんぽさが上手く伝わらない。

対照的に、ここで自分専用の妖精を選びに来ていたプレイヤーたちを次々に骨抜きにしていった。


「なにあの子、すっごく可愛い。」

「ヤバイよね。それにその近くの狐もふわふわしてそうで、たまらないよ。」


「他の妖精と大きさが違うな。こんな情報は出回って無い筈。レアイベントか?」

「それなら先に取られないようにさっさと契約するぞ。」


アンフェを自身の妖精にと思うものも少なくなかった。だが妖精と契約しようとしている段階の駆け出しのプレイヤーにアンフェをどうこう出来る筈もない。多数の視線に気づいたアンフェは魔法を行使するのだった。


「って、消えた。くそ逃がした。」

「ああ、狐さんも何処かに消えちゃった。」


魔法で姿を消したアンフェとシロは、プレイヤーが少ない奥の方に歩を進めるのであった。


『妖精の楽園』の奥の方にはアンフェの目からも力を持っていると思える妖精がチラホラいた。魔法に長けたものや、同族の気配に敏感なものは、『幻惑魔法』で隠されたアンフェの存在に気が付き、寄ってきた。

アンフェは進化を二度行い、高位の妖精であるためそれを察知した他の妖精が集まってくるのだ。アンフェは自身の魔法を解き、えっへんと効果音が出そうな仕草をしながら言った。


「ぁ~ぅ~ぁ」


すると周りに集まった妖精が歓声をあげるのだった。但しその場の雰囲気に取り残された者もいた。


「…コーン?」




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― 新着の感想 ―
[良い点] 過去にプレイヤーにないがしろにされてたアンフェへの、プレイヤーの手のひら返しっぷり。そしてそれを軽くいなすアンフェが、今流行りの【ざまぁ】のようで素敵です。 (*´▽`*) [気になる点]…
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