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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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第9のフィールド

「えーとわんこはそこの白いおおか、って全部白いです。あぁもー、めんどいです。右から二番目のやつを倒せです。あっ、鉄ちゃん援護を頼むです。アンフェとシロも狙えです。もう増えてきたですよ。」

現在雫はテンパっていた。

満を持してといった感じで第9のフィールドに歩を進めた雫であったが、このフィールドなかなかに難易度が高めであったのだ。前回の第8のフィールドの薄気味悪い感じとは正反対に、神々しささえ感じる光に満ちているフィールドに出現するモンスターも、当然のように光属性を感じさせる魔法やスキルを使用しており、タイプ的に2パターン、遠距離型と支援特化型に大別できた。


雫が言い掛けた白い、正確には白銀の狼は遠くから光線を放ってくる遠距離型。そしてアンフェの使用魔法である「神聖魔法」による支援を得意としているのが、このフィールド特有の雰囲気を醸し出しているまるで天使のようなモンスターであった。

そして更に厄介なのがその2タイプを併せ持ったモンスターである聖竜。ホーリードラゴンなのである。コイツらはニュー小鉄たちと同じくらいの大きさを生かして素早くフィールド上を動き回り、攻撃と支援を繰り返し場を掻き回しているのであった。


「倒しても倒しても湧いてくるのはまだいいですけど、ボムで一掃できないのが、ってまた来たです。」

ボムでの範囲攻撃は最初は決まっていたのだが警戒されたのか、徐々に神聖魔法による防御などの妨害を受け始めそうこうしている間にモンスターが増えるという悪循環に陥ってしまっていた。今回ばかりはアンフェの『人気者』の効果が悪い方で働いてしまっていた。

現在の雫は『荊森』と『血操作』をフル活用しながら戦っており、所どころの戦闘ダメージを鉄ちゃんが肩代わりしてくれているため何とかなっているが、かなりギリギリであった。


「のこちゃんずはあんまり効果が無いですし、ある程度のダメージだとすぐに回復されるから意味ねぇーですし、はぁーです。もうしょうがねぇーです。人海戦術で素早く終わらせるです。わんこ、頼むです。」

「わんわん」


雫の指示を聞いたわんこの回りに影が一気に終結し次の瞬間、影が狼を形作る。いつもの影分身と違う点は狼の形をとっているだけであるという点である。姿を真似る必要がないこのスキル『影狼』は影分身よりも1度に出せる総数も、一体一体の強さも上である。

また雫は全く知らないことだが、光が満ち満ちているこのフィールドでは闇系統の能力は総じて弱体化しているのだが、例外的にわんこが扱う影は強化されていた。光があると闇は無くなってしまうが影は濃くなるという原理であった。そのため雫の想像以上にこの作戦は功を奏することになったのである。


余談だがわんこのスキルの中には『影狼』の類似スキルで『影兵』という人型の影を多数生み出すという物もあるのだが、狼の方がわんこににているため可愛らしいという理由で雫はこちらを好んでいるのであった。




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