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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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死を司る王

様々な思惑が入り交じる第二回クラン対抗戦を見事にスルーした雫は、フィールドの辛気臭さを理由に放置していた第8のフィールドに来ていた。ようやく雫はこのフィールドを攻略する決心がついたのだった。しかしこのフィールドが苦手なことは変わっておらず、今回の目標はどんどん進んで今日中に第9の街に到着することに決めたのだった。

そしてフィールド攻略は雫の目論み通りに進んでいた。雫たちのパーティーは実のところ、雫を除く他のメンバーにとってはこのフィールドは、どちらかと言えば得意とするフィールドなのであった。種族が妖怪故か夜の方が動きが良いシロ、出現してくるモンスターとの相性が抜群に良いアンフェ、フィールドとの相性が良い魔法を持つわんこ。また鉄ちゃんが装備している霊亀の首飾りの効果により、雫を守る負担が大幅に減ったことも相まって雫たちは、どんどん先に進んでいくのだった。



そんな絶好調な雫たちの足を止めさせたのは、第8のフィールドも終盤に差し掛かった頃に出現し始めた高位アンデットであるデュラハン、リッチー、バンパイアのようなモンスターであった。他にもスケルトンの上位個体である、ギガント・スケルトンやジェネラルゾンビのような通常モンスターの質も上がったことにより容易に先に進めなくなったのだった。

「めんどーです。こんな奴らさっさと倒して先に進むですよ。」

しかしそう上手くはいかない。ただでさえ序盤に比べてモンスターの出現頻度が上がっているにも関わらず、リッチーはスキル『死兵創造』を使い下位アンデットをどんどんと産み出していく。ただそれだけならばいまさら雫たちが雑魚兵に手間取りはしない。しかしそこに立て続けてデュラハンのスキル『統率』と『鼓舞』により下位アンデットどもが連携を取りだし、その質も上がってしまう。ただでさえ強いモンスターの他に、厄介な軍隊まで加わったこの戦場に辟易してしまう雫なのであった。

中でも一番雫が面食らったのは、アンデットたちの動きであった。普通のゾンビたちの動きは緩慢であるのだが、リッチーに呼び出されるゾンビたちは、通常よりも高レベルであるため、ステータスが高く俊敏な動きをしてしまう。ゾンビなのに素早く、しかも集団で動く姿は正直に言って気持ち悪いのである。

そんなこともあり雫のやる気はどんどんと削られていっていた。

「わんわんわんわん」

そんな雫を鼓舞するわんこ。その言葉にため息をはぁーと吐いた後、気持ちを切り替えて皆に指示を出す。

「しょうがねぇーですしやるです。まずはこれ以上モンスターを増やさないためにあの後ろの魔法使いみたいなのを倒すです。あいつを倒したら少しずつでいいからモンスターを減らしてくです。」

雫たちの進行を食い止めることには成功したアンデット軍隊であったが、打倒まではいかず、本腰を入れ直した雫たちによって、徐々にその数を減らされていくのであった。



リッチーが率いていたアンデット軍団をなんとか倒しきった雫は、ヘロヘロであった。

「モンスターが多すぎるです。混戦になるとボムは使いずらいですし、本当にめんどーです。」

そんな愚痴を言いながらも雫たちはお馴染みの広いフィールド、ボスフィールドにたどり着くことが出来たのであった。

 このフィールドの真ん中には大魔法使いと言った風貌の人型のモンスターが陣取っていた。このモンスターは、『ノーライフキング』死を司る王であった。

「やっとここまで来れたです。後はお前を倒せばこの辛気臭い場所ともおさらばできるです。」

そう言って雫たちが戦闘体制をとるが先手を取ったのはノーライフキングであった。

「……『冥府の門』……」

 ノーライフキングの発動したスキルにより、恐ろしい色合いの門が出現する。その門の扉が開かれると中から、高位アンデットの集団が飛び出してきた。先ほど手こずったリッチーやデュラハン、様々なアンデットの上位種が門から姿を表し、圧倒的な死の軍勢を形成したところで、門が消失する。それを見ていた雫は、これでもかってほどに顔をしかめて、

「またですか。さっきとやってること変わってねぇーです。」

と愚痴るのだった。

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