表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
14/398

ある日熊さんに出会った

ゲームを始めた雫の1日は、学校からの帰宅後すぐに宿題を済ませ、夕御飯を食べて、ゲームにログインし、日をまたぐ前にゲームを終えて就寝。となっている。

そのため今日もいつもならゲームをやっている時間なのだが、雫は今日はゲームに入らず、夕御飯を作っていた。

父親も母親も何週間も家に帰ってこないこともざらにあるので、いつもは自分の分を適当に作って食べるのだが、父親から二人で今日帰ってくると連絡をもらい料理を作っているのだ。

「ちょうどいいです。なんかゲームもアップデート?とかいうのでプレイできないです。

なんかあったですかね。明日にはできるようになるっぽいです。」


運営の予想ではそろそろ各プレイヤーが一撃熊を倒し次のエリアにいってる頃だったのだが、ゲームの進行が滞っている。

問題の解決のため運営が調整を入れることとなり1日アップデートが行われることとなった。

とはいえ修正点は、ある程度の上位素材を

NPCからでも買えるようになる、といった

かなり細かい点のみであった。


「いやー久しぶりに家に帰れるな母さん。」

「そうね、あなた。」

「雫にも久しぶりに会えるし、ゲームの管理で手が足りなかったからね。」

「何をいってるの。会ってはいなかったけど、よく見てたじゃない。」

「というかあいつ、なんかとんでもないプレイヤーになっちゃったんだけど。」

「そうかしら、普通よ普通。」

「そういうところだよ。雫はお前に似て周囲にあんまり目を向けないことがある。」

「私に似て可愛く育ったわよね。」

「ほらまた関係無い話をしだす。」

ただの夫婦のじゃれあいなのだが、雫の父、母は、ともにゲームの運営であるのだ。

雫がとんでもない進化をしていく、というか雫自身は、特に強くなってはいないが、

様子を常に監視していた。今日は、アップデートも、一段落ついたので、愛娘を一目見ると

同時に雫にプレイについて、

何を考えているのか、聞きたいということもあった。


「あっお帰りです。父さん、母さん。」

「久しぶりね雫。大きくなったわね。」

「何いってるです。数週間で大きくなるわけねーです。」

「そうじゃないわよ。精神的によ。」

「どういう意味です?」

「ゲームの中でいろいろとやってるみたいじゃない。」

「なんで知ってるです?」

「なんでって…」

「まてまてまてちょっと母さん。」

「何かしらあなた。」

「仕事の話は雫には話しちゃいけないだろ。

そういうルールだろ。」

「何をいっているのあなた。常識がないあなたにいいことを教えてあげるわ。」

「なっ、なんだよ、お前に常識がないとか言われたくないが。」

「ルールは破るためにあるのよ。」

「守るためにあるんだよ。」

また再開したじゃれあい。雫は慣れたように。

「もういいです。夕食にするです。」

と言った。


「そういえば雫。ゲームはどうだ。楽しいか。」

父が探りを入れる。

「楽しいです。わんこの他に鉄ちゃんが仲間になったです。」

「鉄ちゃんってプレイヤーか?」

プレイヤーと一緒にいた様子はなかったので驚く父。

「そうじゃないです。鉄ちゃんは鉄の竜で、モンスターです。」

「あら鉄の竜で鉄ちゃん?可愛いわね。」

「可愛い?あいつがか。」

父は動揺が隠せていない。

「可愛いですよ。表情を変えないけど。私についてきてくれるんです。」

雫は根本的に鉄竜がスキルであることを失念していた。

「そっそうか。それはよかったな。」

鉄竜をデザインした同僚に同情する父であった。

「でも雫。あなたプレイヤーとあんまりしゃべってないんじゃない。」

今度は母が探りを入れる。

「そんなこと無いです。いつもきれいなお姉さんに素材とか売るとき話してるです。」

お姉さん(NPC)と話してることを主張する雫。

「それはNPCよね。雫?」

「NPCってなんです?プレイヤーと違うですか?」

「えっそうね。何かしらね、NPC。」

母も諦めたように呟く。プレイヤーに雫が製造した素材が流通しない理由は、雫のゲーム知識のなさが原因だったのだ。

「なんか父さんも母さんも変です。どうかしたです?」

二人の心情を知らない雫は尋ねる。

ゲーム製作を職とする夫婦からなぜ雫が生まれたのか。その夜二人は頭を抱えたのだった。


アップデートが終わった次の日。

雫は正規のルートを進んでいた、街では店に駆け込んでいくプレイヤー達が見かけたが、特に何を思うわけでもなく素材集めに勤しむ。

「わんこがなんか前にも増して強いです。

ねっ鉄ちゃん。」

「……」

いつも通りの光景である。

街ではプレイヤー達が活気づいていたが、この辺りのフィールドは特に人がいない。

どんどん雫は奥に進んでいく。

ついに雫達は、プレイヤーが進んだ最奥地までたどり着いていた。ということは、

「なんかこの雰囲気しってるです。」

ボスの登場である。

「グォー」

「わっ、くまです。くまがでたです。」

一撃熊が雫達に襲いかかる。このモンスターの強みは攻撃力。当たればトッププレイヤーでも耐えきれるかわからない。そう、当たれば…

「わんこ、鉄ちゃん。」

「わんわん」

「……」

熊の攻撃の前に鉄ちゃんが噛みつく。それに引き続いてわんこが攻撃する。

「わんこ、鉄ちゃんそこをどくです。」

最後に雫の強化版爆発石が直撃する。

「ドッカーン」

竜と狼に噛みつかれて爆発を食らった熊は、

その攻撃を披露する間もなく倒れていった。

「やったです。わんこ、鉄ちゃん」

「わんわん」

「……」

雫達パーティーはいつもの通りだ。

そのいつも通りが怖い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 爆弾の攻撃力すげぇ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ