表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
139/398

わんこの意趣返し

ハルのホームを出ていき、何処に行こうか考えているその時後ろから声がかかる。

「おいちんちくりん、さっきはよくもやってくれやがったな。でもなさっきみたいな不意打ちはもう食らわねぇー。今度は正式にデュエルで勝負しろや。」

デュエルとは、基本的に戦闘が行えない街中で戦闘が出来るようにするためのシステムであり、ルールや賭けるものを決めてプレイヤヤーたちが戦うのものであった。

雫は少し考えて、考えた結果面倒になったのでわんこに軽く捻り潰すように指示を出す。

「まあいいですけど、お前の相手はこのわんこがするです。それでいいですか?」

「その犬っころを倒したら次はてめえの番だからな覚悟しとくんだな。」

わんこを雑魚扱いしてくるウロフを冷めた目付きで見ながら雫はルールを定めていく

「体力が全部無くなったら負けです。わんこが勝ったらおとなしく帰ってくれです。」

「はっ、さっきのは油断しただけだ。もう不意打ちは食らわねえよ。」

ルールが定められたので、デュエルが開始する。すると同時にウロフが先制攻撃を仕掛けてくる。獣人特有の高いステータスを駆使した、スピードに乗った重いパンチ。それがわんこに直撃する。ウロフはパンチの手応えで勝利を確信した。

「はっ、やっぱり雑魚じゃねぇーか。一撃で倒されるなんてよ。」

勝利を確信したウロフはもうわんこを見ていなかった。少しでも注意を傾けていれば気づけただろう。ウロフが殴り飛ばしたはずのわんこがいつの間にか居なくなっていることに。

「さてと、次はてめえの番だ!早く俺と、ってなんだこりゃ。」

ウロフが雫に注意を向けた一瞬の間に黒い影がウロフを完全に拘束してしまったのだ。狼狽したウロフだったがすぐに立て直し、影の拘束を力ずくで振りほどこうとする。しかしびくともしない。

「ちくしょう。犬っころが生きてやがったのかよ。結局不意打ちしかできねぇ雑魚じゃねぇか。」

最後は影の刃がウロフを串刺しにしてこのデュエルは終了した。わんこはこの戦闘を敢えて影分身を利用した方法で行った。直接的な戦闘でもわんこはウロフの上をいっている。しかし不意打ちだから、油断したから負けたと言っていたウロフに敢えて同じように不意打ちで勝つことをわんこは選択したのだった。

「まあなんにせよ勝ちは勝ちです。今日はおとなしく帰れです。それじゃあなです。」

ウロフを置いて雫たちは颯爽と何処かに去っていくのであった。


わんことウロフの戦闘を陰から見ていた鈴たちは、自分たちのクランメンバーが呆気なく敗北する姿を見て、少しながら驚きを隠せずにいた。ウロフは妖精との契約も出来なかったほどには性格に難はあるが、戦闘能力に関しては他のメンバーも認めたいた。しかし今回のわんことの戦闘では何もさせてもらえなかったのである。スキルを使う前に倒されてしまったのだ。

「あれが前回のイベント覇者であるわんこか。そして準優勝の鉄ちゃんもあのパーティーには存在している。出来ることなら味方にしておきたいものだが、リンは彼女とは親交があるのだよな。」

「…ある。」

「なんとかならないものかな。まったくウロフも考えなしに突っ込んでしまうのは何とかならないものかな。」

「…凄い。」

他のクランメンバーが雫の取り込み方法を考えている中、鈴は先程の戦闘でのわんこの動きに感嘆しているのだった。


雫は先程のハルの提案を思い出していた。

「アイテムを提供ですか。まあでもそういったやり方でならクラン対抗戦に参加できるですよね。でもなぁです。なんか乗り気じゃないです。」

マイペースな雫はみんなで協力しあってみたいなのが少し苦手な節があるためか、今回の提案を受ける気にはなれないのであった。

「うーん。どうしようかです。まあなんとかなるです、あんまり考えてもしょうがないです。ねっわんこ。」

「わんわん」

雫を自陣に引き込もうとする勢力も存在しており、雫の選択がクラン対抗戦の結果に多大の影響を及ぼすことが予想されるのだが、それでもやはり雫はいつも通りなのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ