表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
132/398

水不足と迷子

第二回クラン対抗戦の開催日が少しずつ近付いて来ており、各クランが色々な準備を行っている中、ついに第6のフィールドボスである氷姫を打ち倒し第7の街に到達したプレイヤーたちが現れ出した。第7の街にもプレイヤーの姿が増えてきたのだ。

そんなプレイヤーたちであったが少し気になることがあった。

「なあなあ、この街って今までの街よりも大きくて品揃えも良いよな。」

「ああ。なんでも近くに王都ってエリアがあるかららしいぞ。折角だし行ってみようぜ。」

「ああ、それは楽しみなんだけどな、そうじゃなくて…」

「何だよ。ハキハキ喋れよ。何が言いたいんだよ。」

「えーと。シャッター街って言うのかな。賑わってる所は凄く賑わってるのに、店を閉めてたり客が少ない店の差がひどくないか?」

彼が気になっていることは、今話題に上がった王都やここ第7の街等の周辺地域に起こっているとある問題が関係していた。その問題とは、致命的な水不足であった。いや水不足と言うのは少しニュアンスが異なる。正確に言うと周辺地域に流れていた飲み水が飲めない水、浄化されていない水となってしまっているのだ。そのためきれいな水を使う、飲食店や薬師なんかが商品を出せずにいるのであった。

この問題が周辺地域の以前までの活力を奪うという事態に追いやっている要因なのであった。第7の街や王都でクラン対抗戦用の新しい武器を手に入れようとしていた面々の予定が、見事に狂わされるのであった。


そんな中、雫はと言うと少しずつ古代遺跡の探索を進めているのであった。迷路のように入り組んでおり、モンスターやトラップが多く存在しているため、なかなか前には進んでいかないのであった。

「床がわさーってなったり、壁がどーんってなったり、挙げ句のはてには目の前でぐるぐるしてたときはどうしてやろうかと思ったですけど、まあなんとかなってるです。ねっわんこ。」

「……くぅん」

雫が尽くトラップに引っ掛かり続けており、その度にフォローをしていたわんこは力なく雫の発言に同意する。

その後もこの遺跡特有のゴーレムに似ている傀儡族特製の自立型傀儡であったり、蠍などを筆頭とした状態異常攻撃を繰り出してくるモンスター。大規模なトラップなどもうたくさんであった。遺跡の道はそこまで広くないのにこれほどまでにたくさんのギミックの対処にさすがのわんこたちもくたくたであった。

「それにしてもこういった室内で、しかもボロボロなのだと私のボムが使えないから苦手です。まあでもなんとかなるですよ。おっあれはこの遺跡に飛ばされた時の模様に似てるです。行くです。」

雫たちの目の前には前と同じような幾何学的な模様が描かれている床があった。それをいち早く見つけた雫は、一目散に駆け出す。

「わ、わんわんー!」

わんこが制止させようと吠える。 ビックリして一歩遅れてしまったのは、戦闘に参加していたわんこ、鉄ちゃん、シロの3名。アンフェだけが雫の頭の上に乗って付いていった。嫌な予感がして追い付こうとわんこがした瞬間、その予感が的中し、雫とアンフェが消えてしまうのだった。それを見てわんこたちも急いでその模様に近付くのであった。


「おっと。また飛ばされたみたいです。まあ関係ないです。行くですよわんこ。」

雫は飛ばされたことを自覚した上で慌てずわんこに呼び掛ける。しかし返事は無い。

「おーいわんこ。わんこ、わんこ?」

何度呼び掛けても返事は無い。回りを見渡してみて人影が無いことを確認した雫は、

「ま、不味いです。わんこたちが迷子になっちゃったです。」

と言うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ