表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
131/398

古代遺跡と古代種

砂漠の獅子を倒し終えた雫たちはその先に見えていたここまで歩いてきた場所には、存在していなかった人の手が加えられたような建造物の前に来ていた。この建造物は所々朽ちているが、砂漠にあるわりには綺麗に残っていた。見た目、小さなピラミッドであるこの建造物には寂しくポツンと1つだけ入り口らしき物体があり、そこから中に入れそうだったので折角ここまで来たと言うことで、この似非ピラミッドの中に入ってみることにした。

「入り口があんまり大きくなかったですけど入ってみると広く感じるです。不思議なもんです。」

入ってみると驚くことになかなか広いことに気づく。これは外から見えるピラミッドの部分は、基本的にハリボテであり中はほとんど空洞で作られている建造物であったのである。しかしよく床を見てみると一面びっしりと幾何学的な模様が描かれていた。

「うわっビックリしたです。でもなんか面白そうな模様ですね。この床、全部に描かれてるです。えーとあっちにも…」

そうやって雫はこの部屋の真ん中にいってしまう。すると突然、床がひかり始める。わんこや鉄ちゃんが雫を守ろうと試みるもそれを実行する前に模様が効果を発動する。次の瞬間、その空間には誰も存在しておらず、床に幾何学的な模様だけが残っているのだった。



雫が辺りを見渡すとさっきまでと違う風景が見えていた。しかし雫の回りにはしっかりとわんこたちがいた。

「真ん中に行ったら床、というかあの模様が光ってここに来たですか。罠かもですけどまあどうしようもないですし、進んでみるです。」

雫たちは進んでみることにしたのだった。あの床に描かれていた模様は、1種の転移魔方陣のような物であり雫たちは砂漠からここに飛ばされて来たのであった。

「えーと、ここの場所の名前はですね。「古代遺跡Ⅰ」ですか。1ってことは2も3もあるかもです。でも遺跡ですか。まあ確かに古い感じはひしひしと感じるです。」

このフィールドは「火龍の巣穴」と同じようにセーブポイントのような場所が随所に設置されておりその事からこの遺跡がある程度長いことを予感させるのであった。

またこのフィールドに出現するモンスターは蠍などのように砂漠にも出現したモンスターの他に、ゴーレムも出現するのだがそのゴーレムたちは、今まで雫が見てきたゴーレムとは少し異なるモンスターであった。今までのゴーレムは金属等の塊のような存在だったのたが、この場所に存在するゴーレムはからくり人形のような存在であった。戦闘方法は自身に仕込まれた仕掛けを用いて多彩な攻撃を仕掛けてくるのだ。

「これはゴーレムってやつじゃないかもです。見た目は似てるですけどなんか雰囲気みたいな物は全然違うです。」

そんな会話をわんこたちとしていると前方から

「ソレハ、クグツ、ワタシモ、クグツ。」

ロボットのような声が聞こえてくる。雫の目の前にいる者はフィールドに出現しているとゴーレムとほとんど同じ外見をしていた。しかし自分の言葉を喋っていることから全く違う存在だと言うことは雫も理解した。

「ワタシハ、クグツゾク、オウニツカエル、ユイイツノ、シュゾク。」

傀儡族、遥か昔に滅んだとされている古代種の1つである。その名の通り身体は人工的に作られた傀儡であり、子孫を自らの手によって作り出す種族であった。また傀儡族は、戦闘手段としても子孫作りとは違う方法で作り出した傀儡、操り人形を使い操って戦うのであった。

「傀儡ってことはさっき出てきたゴーレムは、お前が操ってたんです?」

と聞くと、

「ソウダ。ジリツガタ、クグツダ。」

とだけ答えるのだった。雫も最初は敵だと思ったのだが戦闘の意志が感じられない。戦闘をする気ならば戦闘用の傀儡を所持していないのはおかしい。そうやって疑問に思っていると、

「セントウノ、イシナイ。ワタシハ、モウ、タタカエナイ。」

そう言ったきり傀儡族は喋らなくなった。ただここに出てくるゴーレムらしきモンスターの正体が傀儡族の作り出した自立型傀儡と言うことはわかったのであった。

「別にそのネーミングは良いですけど、自立してるなら傀儡じゃないですよね。」

雫はそんなことを思いながら先に進むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ