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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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勧誘の裏で

特に仲が良いプレイヤーたちで結成されることが多いクラン。中には強いプレイヤーのみで構成されたクランも存在するがこのVVOにも大小あわせてたくさんのクランが存在する。大規模なクランに入ることが出来ればソロや野良のパーティーを組んでいるよりも強いプレイヤーとの交流の機会が増え、強くなるチャンスがより多く与えられることになることは明らかなためほとんどのプレイヤーは大きなクランに入りたいと思っている。 そして第2回クラン対抗戦の開催が決定した今、クラン側も有望な新人は欲しいので各地で勧誘が行われていた。

そのように勧誘されている新規のプレイヤーの中でもひときわ多くのクランから勧誘を受けているプレイヤーもいる。その内の一人が鈴であった。際立った容姿とあわせて即戦力の戦闘スキルにより注目度はかなり高い。しかし等の本人はそんなこと眼中になく一言。

「…もう入ってる。」

と言い去っていくのだった。

さすがに多くのクランの誘いを一言で断る強者は鈴くらいだが今回の新人勧誘では苛烈な獲得争いが繰り広げられることが予想されていた注目株な新人がことごとく名も聞いたことがないクランにもうすでに入ってしまっていることが多くあった。鈴も含め注目の新人が多く加入したクラン。このクランが今度の対抗戦に波乱を巻き起こすのだがまだ誰も予想できていないのだった。


そんなゲーム中がイベント一色な中、いつもは周りとずれてしまうことが多い雫はというと、その前段階で悩んでいた。プレイヤーの誰でもクランに加入できると言われているがクランと言うのは冒険ギルド、商業ギルドに所属しているプレイヤーたちの集まりであるため、厳密に言えばギルドに登録していなければそもそもクランに入ることは無いのであった。ただし基本的にゲームを始めると同時に普通はギルドに登録するためこれは気にする必要の無いことなのだ。

しかし雫はゲーム序盤のトラウマからギルドへの行くことを拒んでいたためクランに所属することも出来ないのであった。

「うーん。色々な街に行ったですし色々なフィールドを探検したですけどどうしてもギルドって所に行く気になれんです。まあしょうがないですし今回もクラン対抗戦はパスです。というか戦闘職と生産職って区別があるのがそもそも悪いんです。ねっわんこ。」

「くぅん。わんわん。」

錬金術師は戦闘職だからダメだと言われたときのことを思い出して少しブルーになっていた雫をわんこが慰めるのであった。これらの結果またしても雫のクラン対抗戦不参加が決定するのであった。雫が人が大勢いるところを好まないことはこのゲーム内では有名な話になってきている。そのため大規模クランの面々は自分たちのクランに加入する可能性が極めて低く、イベントの上位を目指す上で最大の障害になりうる雫たちパーティーの対抗戦不参加は吉報なのであった。


「元々私は人混みとかそんなに好きじゃないですし、別に悔しくなんかないもんです。私は他のプレイヤーがクラン対抗戦とやらをやっている間にもっと面白い何かをやってやるです。よし、そうと決まればわんこ、鉄ちゃん、アンフェ、シロ。行くですよ。何かが私たちを待ってるです。」

何かと言う具体性が全く無い目的を定め雫はわんこたちを引き連れてフィールドに飛び出していくのだった。

雫が何も考えずに行動するとき誰にも予想できないようなことが起こる場合があることを雫は全く自覚していない。その点わんこたちはそのことを理解しており警戒しながら付いていくのであった。



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