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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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不死者たちのフィールド

本日は運営主催のイベント「夏祭り」が第1、第2の街とその周辺地域で行われていた。第1、第2の街周辺での開催の理由としてはやはり増加した新規プレイヤーへの配慮であった。 このイベントは3日間行われ、色々なNPCが夏祭りの定番の出店を出しており、かき氷や綿菓子といった物を頬張る様子が各地で見られた。このゲームには空腹度などのパラメーターは存在せず、食べ物を食べなくともよい。雫などのようにそういった物を食べないプレイヤーもいる。ただ、特に女の子にとってカロリーを気にせずに美味しい物を食べられるのは貴重であるため皆、美味しそうに夏の風物詩を頬張っていた。

その他の出店ではVVO内でのモンスターのぬいぐるみやお面などが売られていたり、射的やくじ引きなどでは、通常のアイテムから今回のイベント限定のアイテムが景品として並んでいた。噂ではその景品の中に「浴衣」というアイテムもあるそうであった。 いつもはモンスター狩りに勤しむプレイヤーたちもそういったことから離れ夏祭りを楽しむのであった。

ただ雫たちはというと、シロが現在不在のためそういった催し物は、全員が揃ってからという雫の意見があったので、調度夏祭りの最終日とシロが帰ってくる日が重なるので帰って来てから行くことになった。


そんな雫たちはわんこたちの強い希望で第8のフィールドに来ていた。本当は雫はちょっと調べたい事があったのだが、シロに負けてられないと意気込むわんこたちの熱意に負ける形と なった。

そうやって来た第8のフィールドの出現するモンスターは特徴が多岐にわたっており1体ずつ対応が違い雫は面倒に思っていた。

ゴースト系のモンスターは、通常ダメージを透過するため魔法攻撃で倒さなくてはいけないが、スケルトンなどの通常攻撃の方が効果があるモンスターなどがいる。

「今はいいですけど進んでいったらこれも増えるですからやっぱり面倒です。」

と言いながら、雫は魔法攻撃に分類されている魔法銃を使って空中をふわふわ浮いているゴーストたちを射撃していた。わんこと鉄ちゃんは襲いかかってくる骨の大群を蹴散らしていくのだった。


雫の予想通りなのかフィールドを進んでいくとフィールドの様々なところに墓地が現れ始め、出現するモンスターの傾向も、今まで出てきたゴーストやスケルトンの上位版だけでなく、そこの地面の中から這い出てくるモンスター、ゾンビも新たに加わった。

「やっぱり出てきたです。こういう雰囲気の場所には絶対にいるんです。でもあそこら辺になんで墓地があるんですか?」

そういう仕様である。そんなこといったらなんでお化け屋敷にもお墓があるんだと言う話になる。まあそんなことよりさらに複雑になってしまったモンスターの対応に追われていた。いつもならモンスターの大群はボムで一掃する雫なのだがフィールドに点在する墓地が地味にボム封じになっていた。

「誰のお墓か知らんですけど邪魔です。範囲攻撃したら誤ってあれごと爆破しそうです。」

律儀な雫の指示でわんこたちも墓地を破壊しないように戦闘を続けるのだった。


それからアンデットたちと何度か戦闘を行ったが、やはりフィールドに気をつかいながらの戦闘は疲れるようで何時もよりも早めに切り上げ、採取した素材などを見ている雫だったが

「うーん。やっぱりダメです。これはなんともならんです。」

素材の不作ぶりを嘆いていた。それもそうだろう、第8のフィールドはモンスターの傾向から見ても死んでいると表現できるように枯れ果てている。そのためまず薬草などが全く生えていない。またモンスターから得られる素材といっても、骨か腐った肉体くらいである。残念なことに雫が倒したゴーストからはとれる場所がない。

「ポーションとかと錬成してもいいですけど、なんか呪われそうです…呪いのポーションとか笑えないです。」

そんな誰にも使えそうにないポーションを作る予定のない雫はアンデットから手に入れた素材の類いを全て売り払うのだった。

実はそういった素材を使って作るアイテムもあるのだが、なんとなく雫の倫理的にアウトだったのである。それらの素材はオークションで手に入れた鍛冶をするプレイヤーの手によって呪いの装備に変わるのだがそれは別の話である。



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