表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
105/398

水の都の噂話

影分身で作り出した船に乗って水の都を散策しようとしていた雫だったがここで1つ問題が発生した。その問題はというとわんこが影分身を作り出した船の許容重量を鉄ちゃん1人で軽くオーバーしてしまったのだ。そのため雫は、

「残念ですけどいったん戻ってるです。」

と言い鉄ちゃんを除いたメンバーで改めて船に乗りこむ。

「じゃあ水路を使って色々と回ってみるです。」


この街の住人の中には船の上で生活している人も存在しており船を使っての露店なども多かった。しかもこういった街だからこそのアイテムなども販売されていた。例えば水の上を歩けるようになる靴などであった。

やはりそういった水の都ならではの水の上での生活を視野に入れたアイテムが多いのだ。それらは性能も優秀で画期的な物が多くあるのだが、いかんせん価格が高く下手したら船を1つ買った方が安上がりになる程であった。

雫も使いどころが限られている物を買う気は無いのだがこういったアイテムなどから学ぶものは多く、露店に並ぶ商品を興味深く眺めていた。



色々な所を回っていた雫に話しかけてくれる店員さんもいた。その中でこんな話を聞かせてくれた店員さんがいた。

「そういえばお客さん。お客さんは旅の御方でしょう。それならこの街来てビックリしたでしょう。」

「たしかにそうです。驚いたです。」

「そうでしょう。街に水路が張り巡らしてあるのなんかこの街だけだからね。」

「そうですね。何でこんな水路ばっかりあるんです?」

「何でもこの街ができたのと海王様が第5の街と第6の街の間の海を統治し出したのがほぼ同時期らしくてね、海王様の使いがここに街を作ったって噂もあるんだよ。」

「海王の使いですか。もしそうならそいつらは今どこにいるです?」

「さあ?でも噂じゃあ街のはずれの渦潮みたいになってるところがあるんだよ。そこがその使いたちが住んでいる場所に繋がっているなんて言われているよ。といってもあれに巻き込まれたやつは気を失って街の近くの川に流れ着くやつが多いって聞くけどね。まあ全部噂だけどね。」

と明るく話を聞かせてくれたのである。

そんな噂に興味を示した雫はその街はずれの渦潮に行ってみることにしたのだった。



渦潮があるという街のはずれにやって来た雫はまずわんこに海王戦でも使用した「水呼吸ボーション」の改良版をかける。

「一番水の中でも動けるのはわんこですし、私たちは影の中に待機してるです。」

と言う。要するに雫の作戦はいつも通りわんこにおまかせ、であった。

「…わんわん」

わんこも了承し、雫たちが影の中に入る。そうこうしているうちに船が渦潮に巻き込まれていき、最終的に耐えられなくなり船は消失してしまった。それに伴ってわんこも水の中に消えていったのである。


渦潮の勢いに流されそうになるのを必死に堪えるわんこ。自身の影で強引に流れに逆らいながら噂の場所を探す。さすがのわんこも辛そうであった。雫に貰った「水呼吸ボーション」と雫たちが影の中に入る前に拝借し、纏った影による身体能力の向上がなければとっくに流されていたかもしれない。

そんな頑張るわんこに運も味方したかわんこの視線の先に渦潮による水の流れが全くない場所が目につく。

「わんわん」

わんこは力を振り絞りその場所にたどり着いたのだった。


その場所に着いたことがわかった雫は影から出てきてわんこに回復ポーションをかけながら

「わんこ。よく頑張ったです。ナイスです。」

と労う。アンフェやシロもわんこの元にきて感謝の意を伝えていた。

そんなことをしていると後ろの方からほんのり魚っぽさを醸し出した男が話しかけてくる。

「貴様ら何者だ。ここに入ってこられたということは我々、水人族に近しい種族のものか?」

と尋ねてきたがまずその種族を知らない雫は

「水人?変な名前です。」

悪気は無いのだが挑発してしまう。

「へ、変な名前だと。海王様の加護を授かる我が由緒ある種族の名を…許せん。」

基本どこに行ってもトラブルを起こす雫なのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ