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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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魔法銃の試運転

雫はクエストクリアの報酬として受け取った魔法銃の試運転をしに先程までクエストのためにいたフィールドに戻って行っていた。

「うーん、確かになかなか強いですね。でもこれはひと工夫しないとです。」

雫が試してみて感じた魔法銃の性能はかなりのものであった。威力は雫の作るボムには及ばないもののその攻撃スピードには目を見張るものがあった。また雫のバグにも等しい命中力は射撃にも当てはまるようで相手は回避するまもなく倒されていった。

だが魔法銃を使用するためにはMPを消費しなければならなかった。雫のなけなしのMPではたいした威力の銃弾は発射出来ないのであった。

「うーん。わんこや鉄ちゃんならこの銃も上手く使えるですけど意味ないですし。」

確かにわんこや鉄ちゃんならこの銃の真価を引き出せるだろうが、この銃を使うよりも普通に戦っても同じであろうし、何よりこの銃は雫の持続的な戦闘力の向上に繋がるため逃す手はなかった。

「さっきみたいにわんこがMPを注いでそれを私が撃つのは…ダメですよね。意味ないです。」

色々と案を出すがどれもあまり良い案とはいえず考え込んでします雫であった。するとわんこが案を出した。

「マスター。あれ。魔道具。」

わんこがいったのは王都の魔法屋で買った1つの魔道具であった。

「あれってこれですか。ああ。これなら良いかもですね。頭良いですわんこ。」

わんこが言った魔道具の名前は「マナタンク」というのもであった。事前にMPを貯めておき順次必要となったら取り出せる魔道具であった。しかしこの魔道具を使ってもMP不足は解消するが雫のMP量は初期値に毛が生えた程度であるため威力の問題は解決していない。結局MPを注げる最大値は雫のMP量なためどんなに多くのMP量を保有してようとも威力だけはどうしようもないのであった。

だがそんなことは分かっている雫は持っていた魔法銃とマナタンクを近づけていく。

「じゃあやるですよ。『錬成術』」

魔法銃+マナタンク➡貯蔵式魔法銃


失敗すれば折角手にいれた魔法銃を無駄にする行為であるが雫は錬成に成功したのであった。

「よしです。これで良いと思うです。」

早速新しくなった銃の様子を確かめる雫であった。




雫がモンスターを使って銃の試運転をしている頃、王国騎士団の勅命を受けたと勘違いしているベレッタによる雫の捜索が行われていた。

「その捜索対象の女は中級騎士程度を惑わす魔法を使えるという話でしたね。なら『新たなる眼』」

スキルである『新たなる眼』はスキルや魔法での擬装を見破るためのスキルであった。

「あとは魔法の形跡を辿っていきましょうか。こんな街中で魔法を使っている人なんてそんなにいないでしょうし。」

扱いやすい女騎士であるが騎士団でも指折りの実力者でもあるのであった。




雫は雫用に作り直した銃の調子を確かめ終えた。

「わんこたちの貯めたMPでも問題なく撃つことが出来るようです。なら良いです。よし王都に帰るです。」

雫が王都に戻ろうとすると、後ろから声がかかる。

「少し待ってもらえますか。」

そこには騎士の姿をした女性が立っていた。

「どちら様です?」

「これは失礼。私はベレッタ。王国騎士団所属の騎士です。」

「その騎士様がなんかようです?」

「別に用はないですけどね。貴方には正義のために連行させていただきます。『斬気』」

女騎士、ベレッタは居合い切りの要領で剣を抜く瞬間にスキルを発動し斬撃を飛ばしてくる。突然の攻撃に雫は少し驚いていたが雫以外は警戒していたので、

「危ない。「影盾」」

わんこの魔法によって作り出された盾により斬撃を防ぐ。

「やはりこの程度の攻撃ではダメですか。しかし正義のために貴方を倒させていただきます。

『瞬歩』。」

ベレッタの姿が消えたと思ったら雫の目前まで移動していた。そこから雫に攻撃を加えようとすると

「..................」

「っ固い」

鉄ちゃんがしっかりと守る。

「強者が2人もいるんですか。なかなか。」

攻撃が鉄ちゃんに通らないと分かったベレッタは、一旦引く。それを見た雫は

「いいですわんこ、鉄ちゃん。少し下がってろです。丁度良いです。こいつで最後の調整をするです。」

その発言に驚くわんこたちだが雫の意見を尊重し下がる。それを見てベレッタはにやける。

「いい度胸ですね。でも私は手加減をしませんよ。これは正義のためですからね。」

剣を構え直すベレッタ。

「御託はいいです。『荊森』」

そう言いながら雫はスキルを発動し足から荊が出てくる。

ベレッタは突然の荊の出現に戸惑いを隠せない様子であった。しかもその荊はベレッタに襲いかかってくる。そのため距離をとって遠距離から攻撃を仕掛ける手にでた。無数に飛んでくる斬撃を見た雫は、

「全部撃ち落とすです。」

魔法銃によって正確に斬撃を撃ち抜いていく。

「そんなことって。」

その驚くべき光景に動揺したのだろうか。それとも遠距離ではダメージを与えられないと悟ったのか斬撃を飛ばしながらも突っ込んでくる。

「甘いです。「暗闇」」

雫は暗闇の効果でベレッタの視界が奪われる。といってもベレッタ相手では一瞬しか視界を奪っていることは出来ない。しかも『新なる眼』によりスキルや魔法の気配は探ることが出来るため『荊森』を展開している雫の場所は視界が奪われていても分かる。あまり意味のない魔法であるとベレッタは決めつけたが雫が視界を奪ったのは一瞬だけベレッタの動きを止めるためであった。

「見えてたら防がれるかもですけど、見えずに防ぐのは無理です。」

 雫は生み出した一瞬の隙を逃すものかと引き金を引く。ベレッタの視界が戻った頃には既に迎撃できる限界を越えていた。

 雫は剣を握っている腕を徹底的に狙う。異様なほど精緻で速い銃弾の連撃で腕はボロボロとなり剣を落としてしまう。ベレッタにはもうどうすることも出来ない。

「勝負ありです。動かない方が良いです。」

銃を向けられただ呆然と雫を見つめるベレッタなのであった。



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