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戦う錬金術師です(涙目)  作者: 和ふー
第1章 王国編
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インチキだ

こうして始まったボス戦。

わんこが駆け出し先手をとる。しかし相手はかなり防御力があり、

わんこの攻撃がほとんど通らない。相手も負けじと攻撃してくるが、

攻撃スピードが遅くわんこをとらえられない。

置いてきぼりをくらった雫は、

さっき製作した爆発石(中)を投げつけてみる。

例のごとく狙ってるわけでもないのに、面白いようによく当たる。しかしそれでも相手にほとんどダメージはない。

「うーん、強いです。私たちの攻撃があまり効果がないです。わんこ」

雫がわんこを呼び戻す。

「わん?」

「このまま戦ってもきりがないです。

普通にやっても多分勝てないです。」

「くぅん」

「そんな顔するなです。大丈夫、策があるです。」


雫の作戦は人形の構造についてのことであった。この人形は外装を

硬い金属で覆っており、絶対の防御力を誇っているように見えて。

ある程度の機動力を出すためにところどころ防御の薄いところがあるはずだと雫は考えた。

また、人形のため、間接部分はどうしても脆く設計せざるを得ないはずだと思った。

実はその通りなのだ。しかしこの世界をゲームの中だとしっかりと認識している者は、

ゲームだからといってそういうことを考えない。

実際ゲームなのでそういうことが反映されてない場合も多い。

今回に限れば雫のゲームに疎いのも功をそうしたのだった。


「わんこ あいつの弱点を私が探すです。お前も探求で攻撃しながらさがすです。」

「わんわん」

雫の指示でわんこは『探求』を使い相手の防御の薄いところをさがす。

怪しいところには雫が攻撃してダメージを確認する。

何度目かで攻撃のとき今までとは明らかに違うダメージの入りかたがあった。

「わんこあそこです。あそこを狙うです。」

「わんわん」

わんこからのダメージも明らかに前とは違う。

ボス戦の序盤はこちら側の優位に思われた。

しかし雫の爆弾石も残りが10を切っている。

ここからはわんこの負担がより増してしまう。

「頼むですよわんこ。」

「わんわん」


相手のHPもあと半分ほどになっていた。

さすがにわんこも徐々にダメージを受け

雫が回復させる回数も増えてきていた。

そしてついに相手のHPが、

半分を越えたとき、いきなり人形は後ろに移動した。

「何ですかあれ?」

人形は後ろにおいてあった本を一冊手に取り

何かしている。

「もしかしてあれがあいつが守ってる知識ですか?てかなんで守ってるやつが守ってる物を使おうとしてるです。」

俗に言うボスのパターンがかわったというやつである。

人形が本を閉じると大きな魔方陣が地面に浮かび上がる。

そこから現れたのは

「なんです。あれは、竜?」

鉄の塊で形作られた、竜であった。

「なぜいきなり竜ですか。脈絡無さすぎてす。」

雫がそんなことをいっている中、鉄の竜が

二人を襲う。

「やばいやばいやばいです。」

「くぅん」

突然の猛攻、さっきまでとは一転して攻められる。こうも攻撃されたら、

人形に近づくこともできない。

「おかしいですよ。こんなの倒せるわけないです。ずるいですインチキです。。」

わんこが鉄の竜を引き付けてなければ一撃で死ぬ雫。

そんななか人形がさらにもう一冊本を開く。

「また何かやるです。もう無理です。」

もともとこのエリアの推奨レベルはずっと上であった。このエリアをわんこが発見したこと自体すごいことなのだった。


人形は本を閉じる。使用する知識は

『カスタム』 自分のステータスを一定時間操作するスキルである。

これにより防御力特化の人形はスピード特化となった。その早さはわんこをして追いきれない。

わんこは先ほどまでしていたことを人形にやられ返されていた。

こっちの攻撃は当たらず、ダメージだけ増えていく。


ここに来ての相手のフォルムチェンジ。

人形に今までの攻撃をやり返される。攻撃は当たらない。これまでが運営側のシナリオ。

運営の意地の悪さが伺える。

これまですべてが想定内、

もし唯一運営側の想定を越えられたというのなら

「ドッカーン」

「あっ当たったです。」

雫の人智を越えた命中力だけだっただろう。


防御力特化のモンスターが防御力を失ったらどうなるだろう。

雫と同じだ。当たったら死ぬのだ。

奇しくも運営側もさっきの雫と同じ台詞を言うことだろう。インチキだと。








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― 新着の感想 ―
[気になる点] >そしてついに相手のHPが、 半分を越えたとき、 半分を切った時、ないし半分を割った時、ではないでしょうか?
2022/07/16 17:12 退会済み
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