第4話
短いです。
気づけば暗くて狭い所にいて、なんとなくもうここにいる必要はないって理解した。
外に出れば横にでかい卵があった。今壊したばかりの欠片を見て、おれが壊したのと同じだとわかった。わかったら、なんか壊さないといけない気がして、殴った。
殴って殴って蹴って殴って穴があいたから中を覗いたらちっさい手に殴られた。
穴を広げて引っ張りだしたら、ああ妹だ、って思った。やっぱり妹だったって、嬉しくて笑った。
おれは俺だった。昔俺で、今はおれだ。どっちもおれだから、俺の妹もおれの妹だ。
父親に抱き締められると、妹は白目を剥いた。衝撃が強すぎたようだ。
あらためて目が覚めれば覚めたで妹の方は混乱してるのか、辛そうだ。
はっきりしてないんだ。今と昔が。
なんとか卵を見ることで整理がついたのか、ぐるぐると色が変わっていた目が淡い青に落ち着いた。ちっさい妹の少し後ろに、俺の妹がぼんやりと姿を現した。反対側が透けてるけど、ちっさい妹と足についたヒモみたいなのが繋がってるから大丈夫だろう。
完全に分かれてしまったのか、戻れなくて困った顔をしている。俺は妹の困った顔に弱かった。おれにはどうすることもできない。
記憶を共有しながら別人格のような形で治まったんだろう。
会話には今と昔が入り交じっている。しかし、俺の妹自身が表に出てくることはほとんどない。俺の妹が表に出ると目の色が変わる。
あいつはどちらかと言えば口数が少なく、気が強くてぼそりと毒を吐く。
ちっさい妹は多少なりとあいつの性格が影響してるようだが、よく喋る。気はそこまで強くないし、毒を吐くよりも逃げる方が得意そうだ。
俺はおれで、妹がふたりになった。
そんなもんだろう。
シスコンパワー炸裂します。