第8話
「初めまして。俺は橘川 集。君の新しい主だよ。」
小さい子が口を開けたまま、停止している。たぶんショックなんだろう。
しばらく見ていたら笑ってしまった。そんな俺を訝しい顔をしてみてくる小さい子。
「ごめん、笑う場面じゃないね。でもあまりにも呆けた顔をするから面白かったんだよ。」
そういったらなぜか目を逸らされた。う~む、変なこと言ったかな?
小さい子って言いにくいな~
「君の名前は?」
聞いた瞬間目を伏せてしまった。・・・え?教えてくれないの?困ったな~。
しばらく沈黙が流れる。
「・・・ない。」
はひ?今なんて言った?
「・・・今までのご主人様に名づけられたことない。・・・だからない。」
は。なにそれ、意味が分からない。
「え?親からもらった名前ってないの?」
「・・・物心付いた時には奴隷だった。」
うーん。これって俺がつけてあげる系?
「じゃ、じゃあ俺がつけてあげようか?」
目を輝かして俺の顔を見る。眩しい。そこまで期待されても困るよ。ていうか、性別どっち?
「その前にその布取っ払ってもいい?いい加減暑苦しくない?」
ビクッとその子が震える。恐る恐る顔を隠していた布を取る。
「え?」
そこにいたのは髪が白い(たぶん銀)可愛い少女だった。たぶん14歳程度だろう。
何よりその頭には猫耳が乗っかっていた。
俺は恐る恐るそれに手を伸ばして、触ってみる。
「ヒャッ!」
少女が驚いた声を出したので急いで手を退ける。
「ご、ごめん。あまりにも珍しかったから。」
触った感触は本物だった。今もピョコピョコ動いている。ファンタジーだ!凄いファンタジーだ!大事なことなので2回言った。頭にタマとか言う名前が思い浮かんだけどまりにセンスがない。
「・・・見捨てないの?」
「は?なんで?」
「・・・だって、私獣人。」
なるほどやっぱり獣人とかいるんだ。今後は犬耳とかにも要注意だな。
「普通に可愛いと思うよ?」
また顔を伏せてしまう少女。いい加減名前付けてやるか。でも、自信ないな~。
「じゃあ、これからお前はにゃnグヘ!」
「なに、変なこと言ってるんだよ!ちゃんとつけてやれよ!」
今まで黙っていた兄さんから激しい(暴力の)ツッコミが入る。
「ちょっとした冗談だよ。」
いちいち本気にする人だな~。ていうか、少女がまたこっちを不思議そうに見ている。
「ゴホン!改めまして、今日から君はレンだ。これからは俺に仕えろ。」
そういって少女じゃなくてレンは頷いた。チャラララ~ン、仲間が増えたぞ!
「そういえばレン、お前それ以外に服無いの?」
静かに首を横に振る。やっぱりないのか。仕方ない残りの金で買ってくるか。残高を見るとそこには1235Gあった。充分だろ。
「兄さん、兄さんの服を買うついでにレンの服も買って来てくんない?」
ちょうど、部屋を出ようとしていた兄さんに金を投げつけながら頼むとそのまま頷いて部屋を出ていった
手持ち無沙汰になった俺はレンにいろいろ質問してみることにした。
「レンは何歳?」
「・・・16歳。」
う~む。予想が外れた。まだ小さいのにね~。ていうか、この外見いろいろおかしいだろ!
「じゃあ、兄弟はいる?」
「・・・姉さんがいた。」
へ~、でもやっぱり離れ離れになっちゃったんだ。なぜか、気まずい空気が流れる。うむ、最初から考えていた質問をしよう。
「これからは俺に言いたいことがあったらちゃんと言え。ほしいものがあるなら言え。可能な限り考慮する。」
しばらくまた沈黙が訪れる。気まずくなった俺は、そのまま袋から服を取り出して着替え始める。着替え終わったころにレンが顔をあげて言った。
「叶うならば、姉さんと暮らしたい。」
予想していた奴隷からの解放ではない要求に驚いていながら顔には笑みを浮かべた。
「じゃあ、お姉さんのことをいろいろ教えてちょうだい♪」
そこから兄さんが帰ってくるまでその話を聞き続けた。
兄さんが帰ってきてレンに着替えるように言ったら目の前で着替え始めたのに驚いた。でもそれ以上に驚いたのが、レンの体は奴隷というイメージとは合わないぐらい栄養の取れたものだった。その分、成長が遅れているのだろう。お、俺はロリコンじゃないぞ!!興奮なんてしてないからな!!!!
一気に二人目の奴隷か?
次回!その姉のもとへ!