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第37話

「はあ、はあ。」

薫は剣を振るっていた。両手剣を片手に持ってそれを振るのが薫の一日の鍛錬の一つだった。今では騎士顔負けの太刀筋を放っていた。

剣はほとんど我流であった。それでもスキル天才があり最強と言っても差支えがないものになった。

「薫ちゃん!俺と一緒訓練しようよ!」

薫に声をかけたのは一緒に召喚されたナンパの男、伊集 真だった。異世界に来ていろんな女を無理やり自分の物にして喜んでいた真は薫にも手を出していた。

2人は近接戦を得意にしていて、一緒にいる時間が長い分それだけ口説かれてきた。

(名前、なんだっけ?)

しかし、薫にとってはモブキャラで名前すら覚えていないが・・・。

「悪いけど、あなたじゃあ私の相手にならないの。どっか行って。」

いつもと同じセリフを返してその場を乗り切ろうとする。

「いやいや、剣の訓練じゃなくてベットの上での訓練しようよ。」

「は!何言ってるの、汚らしい下ネタはやめて。」

「あれ~、もしかして動揺してる?処女でしょ!薫ちゃん可愛いのにもったいないね~。」

いつも以上にしつこく薫を誘ってくるようだったが急に下ネタを持ち出した。

薫も顔を少し赤くして真の言葉を否定していく。

「いい加減にして!斬るわよ!」

そういって訓練用の剣を置いていつも持ち歩いている実戦用の剣に持ち替える。

「そんな量産品の剣じゃなくてもっといいのを使えばいいのに。」

そう、薫の剣は最初に支給された量産品の細剣を使い続けていた。

「うるさい。剣が良ければ勝てるっているほど世の中甘くないわよ。」

「そっか、なら公爵にもらったこの剣の威力を見せてあげるよ。」

そういって真も剣を抜く。その剣は普通のロングソードのようで見ただけでプロが作ったことがわかるほどの物だった。

薫と真の間に緊張が走る。周りにいた兵士たちも2人から距離を開けて見守っている。

薫と真が剣を握る。同時に前へと足を出して距離を詰め・・・・・

ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

2人は突然の爆発音に足を止めた。

「何が起きた!」

「襲撃です!ただちに西門に集合せよとの通達です!」

「わかった。すぐ行く!勇者様方も一緒に来てください!」

兵士たちが大急ぎで動くのに流されて2人は西門まで走っていった。

「敵の数は?」

「そ、それが。」

「どうした!?」

「それが、2人だそうです!」

「何~!」

薫は前を走る偉そうな兵士と連絡用に来た兵士の会話を聞いていた。

(2人?いくらなんでもここは王城よ。陽動にいるだけで別働隊がいるのかしら?)

いろいろな事を頭に考えたが結局は自分の仕事はその2人を倒して情報を吐かせることだと割り切った。

途中で葵ともう一人のナンパ、蓮杖 孝昌と合流した。

「大丈夫?」

「ナンパされた。」

実際はこれから戦闘になることについて心配した薫の質問に違う答えを返した葵は大丈夫だと考えて薫たちは西門に急いだ。


西門について薫たちが見たのは吹き飛ばされた門とその周りで様々な方法で息絶えている兵士たちだった。その中心に2人の男が立っていた。

「あなた達は何者?」

薫が先頭に立って2人に質問をする。

2人のうち1人はフルアーマーで全身を覆っていて顔を隠していたが、その動きから薫たちを見て動揺しているのが見えた。もう1人は白い豪華な服を着て白いマントを羽織っていた。そして真っ白な仮面を付けていた。

「俺は、ゼウス。召喚された異世界人たちを見に来ただけだ。」

ゼウスと名乗った仮面の男は頭を抱えたい気分だった。

顔を覚えられるわけにもいかないのか変装道具をつかって素顔を見せないようにしている。鎧の男はフルアーマーで顔を隠していた。

「うるせえ、俺は伊集 真!死にさらせ!」

「今から死ぬ奴が自己紹介してるんじゃねえよ!」

真は叫びながら剣を抜いて俊に切りかかり、孝昌は一瞬で魔法を発動して集に向けて発射した。

「「うるせえ、モブキャラには用はないんだよ。」」

真は切りかかった瞬間、鎧の男が手に持っていなかったはずのロングソードで1閃して剣ごと真の胴体を2つにした。孝昌は魔法を唱えて当たると確信した瞬間に魔法を打ち消されて仮面の男が放ったレーザーのようなものでを消し飛んだ。

「うそ、なんで?」

目の前で起きたことを理解できずに薫と葵は放心した。5秒で2人の勇者が死んだ・・・。


橘川 俊

19歳

クラスA

人間(騎士)

スキル 魔力無限・創造魔法・剣王・無限の魔眼・天才


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