第35話
すいません
間違えて前回のところに今回のを載せてしまいました。
「これが今回の報告になります。」
「そう。で、後ろにいるのがジュリカ国の第3王女フェン=G=ジュリカでいいのね?」
「はい。」
そういってフェンが一歩前に出る。
「フェンです。今回私が持ってきた情報は異世界召喚についてです。」
「本当に成功していたのですか。」
サンテリア頭が痛くなっていた。サンテリアの代わりに答えたのは隊長だ。
前々からジュリカ国がそういうものを研究しているのは知っていた。しかし成功するとは思っていなかった。しかもフェンの話を聞く限り一度調整前に召喚をしてその性能を図っている様だった。
「これでさらに前線が厳しくなるでしょうね。」
「召喚者が来る前に終わらせる必要がありますね。」
「無理でしょうね。そんな簡単に終わるならすでに終わっています。」
沈黙で気まずい空気が流れる。
「今後に彼女の対応についてはこちらで考えることにします。俊はもう下がっていいわよ。」
「了解。しかし私も他に話があります。」
「何?」
「しばらくの間暇をいただきたいのです。」
ガタッ!
「そんなこと許しません!今は戦争をしているのですよ!その中で姫の元を離れるなんてありえません!」
比較的に冷静な隊長も取り乱して俊を咎める。
「いいわよ。私の警護なんてアリアナがいれば十分でしょ。」
「しかし・・・。」
「わかっているわ。そのかわりにフェン王女を保護したというその冒険者を探して私に会わせなさい。これが条件よ。」
その発言に俊だけじゃなくフェンも反応した。あらかじめ集はフェンと俊に自分の身元を報告させずにあいまいに答えるよう言われていた。
(これも協力のうちに入るだろ。)
「了解。1ヶ月程度で戻ります。それまでよろしくお願いします。」
許可だけもらって俊はさっさと部屋を出ていく。
「妙に焦っていましたね。」
「そうね、何かあったんじゃないの?」
アリアナ=トゥンウェルとサンテリアは興味深そうに俊の出て行ったドアを見ていたがすぐに切り替えてフェンを向き合う。
「俊の報告を聞いた限りすでに次の召喚はされてるでしょうね。それでどれくらいあなたは召喚された人について情報を提供できるの?」
「はい。まずは・・・。」
曰く、召喚者は最初は素人らしい。
曰く、才能が凄いのかメキメキ実力を伸ばしていくらしい。
曰く、前回召喚された人は見た目ではありえないほどに腕力が強かったらしい。
曰く、前の世界の知識を提供して技術の向上にも手助けできるらしい。
「腕力って、魔力で強化してたわけじゃないの?」
「魔法を覚える前からそうだったので違うと思います。」
素人なのは当然である。もともと戦いとは無縁の世界の人なんだ。戦闘技術を持っている方がおかしい。実力が上がるのも当然だ。元の世界は義務教育がされて入れそのおかげで100%の確率で天才のスキルを得ているからだ。腕力などの特典は人それぞれだし、そもそも協力的でない場合もある。
「そんなにすぐに戦力になるわけじゃないのね。」
「はい。」
「で、前に召喚された異世界人はどうなったの?」
サンテリアの質問にフェンが俯いて目を逸らした。
それだけで察したサンテリアはすぐに理解した。
「なるほど、勇者なんて言ってるけど実際はただの使い捨ての戦闘奴隷ってことね。」
「・・・・はい。」
俯いたままフェンは答える。サンテリアとアリアナには見えなかったけど、フェンは歯を食いしばって泣きそうになるのを我慢して顔を歪ませていた。
「それを止めるために私たちに情報を渡しに来たのね。」
「はい。時間をおけばまた召喚する魔力を貯蓄するでしょう。」
「ねえ、そんなにしょっちゅう召喚できるものなの?」
「いえ、最初の召喚の際に失敗の場合を考えて必要な魔力を2回分集めてからやっていたのでその時のあまりで今回は召喚したんだと思います。」
「そう、大体1回分はそれぐらいの時間で集められる?」
「魔術師の数にもよると思いますが、今だと1年かかると思います。戦争をしていなければ半年で出来ると思います。」
「そう・・・。」
今の話でジュリカ国が自国との戦いにかなりの準備をしてきているのがよくわかる。
「この話は国王にもしましょう。私たちで判断できる範疇を超えているわ。」
「フェン王女を迎えに行くと飛び出している時点で超えてると思いますよ。」
「え?」
フェンとレイナはよくわからに二人の漫才もとい会話に割り込んで事情を聞いた。