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第20話

少しだけ長いです。


「は?」

俺の聞き間違いか?修行なんて言葉が聞こえたよ?

「何を不思議がっている。死ぬ気で耐えろよ?」

「へ?」

ドゴン!下の足場が急になくなり、落下する。

「クソ!」

急いで風を起こす。

「ほ~、そんな能力まであるのか・・・。」

「何すんだよ!?」

「いや、そのまま下に行ってみろ。そこで、あるものを倒せれば貴様の修行は終了だ。」

「?」

とりあえず、下に降りるか・・・。

ひたすら、降りていく。途中から面倒になって能力を切って降りていく。

「よっと。」

ギリギリのところで風のクッションを作って着陸する。

周りを見渡す。周りは依然白い空間が広がっている。

「何も居なくね?」

気配を探っても見つからないし、視認もできない。警戒だけはし続ける。

「!」

一瞬、ほんの一瞬だけ視界に何かが映ったように見えた。

ひたすらそこを凝視すると二つの目玉と目が合う。

「っ!」

同時に今までに味わったことがないほどの濃い殺気が俺を襲う。

「これは・・・」

まるで何もないところから生まれてきたようだ。

あまりにもデカいそいつは、でかさのあまりどこにいるのかもわからなかった。狼のような姿をしていて見ているだけで頭の中で警報が鳴っている。

「なんだ、あれ?」

≪フェンリル≫

頭に思い浮かんだ言葉に戦慄する。

「神殺し・・・。」

あまり神話に詳しくない俺でも知っている神殺しの有名な獣だ。

「おいおいおいおい。いくらなんでも相性悪すぎるだろう・・・。」

一撃くらっただけで死ぬんじゃない?

頭を切り替えて魔神になる。本気でやらないとやばそうだ。

「ガアアアアアアアアアア!」

いきなり飛び掛かられる。初動がゼロで全力のスピードを出してくる。完全に反応が遅れてもろに一撃を喰らう。

「ぎゃあああ!」

フェンリルに攻撃されたところがひどい痛みに襲われる。苦し紛れに防御に回した左手は溶けかかってる。

「なっ!」

急いで気を使って修復する。前回魔物たちとの戦いで使った時より回復するスピードが天と地の差があるほど遅い。

これ以上隙を見せるわけにはいかないから攻勢に出る。

「はあ!」

風の刃を無数に飛ばす。フェンリルの通る隙間がないくらいうちまくる。

「ガアアアアアアアアアア!!」

フェンリルの咆哮が響く。

「まじかよ・・・。」

全部の刃が打ち消されている。

この調子だと雷の力を使っても普通に防がれそうだな。

「やっぱ、男は拳かな!」

全身に気を纏わせて特に拳の周りを濃くする。これでアイテールでも殴れるほどの強さのはずだ。

フェンリルの動きが止まる。こっちの変化に気が付いたようだ。

「睨めっこしてても面白くないだろう。行くぞ!」

ただ我武者羅にフェンリルを殴り続ける。圧倒的にこっちの方が早くなったのでフェンリルに逃げ場はなくなった。

「は!」

渾身の一撃を眉間に叩き込んで距離を取る。攻撃が効いているのか、足がふらついている。

安心して気が少し抜ける。けど、次の瞬間それを後悔する。

フェンリルの口から黒い波動がレーザーのように俺に向かってくる。回避する方法を考えるためレーサーを凝視する。あまりの集中で時間が止まったように感じられる


これは避けられないな。

でもこれを喰らったら死ぬ!

どうすればいい?

どうすれば?

≪魔神の力を使えばいい≫

魔神にはどんな力がある?

≪あなたは知っているはず≫

俺のスキルがそういうならそうなんだろう。

でも、それはどうやって使えばいい?

≪天空の力と同じ≫

つまり?

≪形を思い浮かんで放つだけ≫

そうか・・・

わかった。


今思い浮かぶのは目の前と同じレーザーのようなもの。そのイメージに魔神の力を乗せる。後は右手でそれを放つだけ!

「はあ!」

後一瞬遅ければフェンリルのレーザーに飲み込まれていた。その一歩手前で俺もレーサーを放つ。

そこから出るのは、フェンリルと同じ黒いレーザー。だけど、俺の黒はフェンリルのと違い漆黒と表現するのが適切なほどに黒かった。純粋な黒に埋めつくせれていて染み一つないきれいなレーザー。

俺は自分の放つ黒に見惚れていた。気が付いてフェンリルの方に顔を向けるとフェンリルの顔が無くなっていて胴に穴が開いていた。まるで消滅したかのように・・・。

「これは、どうなったんだ?」

「自分のしたことがわからないとはどういうこっちゃ!」

後ろからへはいを感じてたから大して驚かずに振り向いた。

「知るかよ、スキルの言うとおりにやっただけだ。」

「は~、これだから最近の若者は・・・。いいじゃろう、説明してやろう。今さっき、貴様が使ったのはまさしく神の力で消滅を司っておる。ちなみに儂は創造じゃ!貴様とは相反する力じゃな。」

なるほど、だからフェンリルがきれいに消えてるのね・・・。

ん?

「それってやばくない?」

「うむ、やばいな・・・。もし貴様が暴走したら殺すには一苦労じゃな。(笑)」

いや、しないから大丈夫だよ・・。

「まあ、訓練は終わりじゃ、このまま帰るとよい。」

「どうやってだよ。」

「適当に念じれば行けるわい。この世界は神界で神のための世界じゃ、いくらでも行き来できるぞ。」

へ~


地味に厨二病です。(地味か?)

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