第19話
遂に神としての力が本格的に出てくる!
町に戻ってからはひたすら隠れていた。それもそのはず。何百もの魔物たちを数十分で片付けた化け物たちだからだ。
冒険者たちはすでに全員戻っていて俺たちもことは噂になっていた。
「面倒だな。」
「急いで宿に戻った方が良さそうだね・・・。」
「・・・疲れた。」
「レン、頑張れ!あと少しで宿に着く。体洗わないと臭くなるぞ!」
獣化で体力をほとんど使ったレンは俺の腕の中で死にかけてる。俺の最後の言葉に一瞬反応して耳が立った。女の子だから気にするのかね?
今、俺たちは路地裏を疾走していると宿にたどり着いた。
「これからどうする?」
宿に戻って体を洗った俺たちはレンを寝かしてから今後の話をしだした。
「この町を離れるのが一番だろう。」
「移動するときの食糧やキャンプ道具、それにどうやって移動するの?」
「徒歩だろ。食糧やキャンプ道具はレンに揃えてもらおう。俺たちだと顔を知られている可能性がある。」
「は~、一番近くてイェスクっていう町で徒歩3日掛かるよ。」
スキルを使って報告をする。正直、面倒くさい。それでも、ギルドに顔を出したらばれるし、あそこで俺たちが死んだことにすればいいか!
「じゃあ、今後はそういうことで!お休み!!」
「ああ、お休み~。( ̄ω ̄」
初めて魔物たちと闘い、それが予想以上に精神的に来てたらしい。すぐに寝つけた。
「ここはどこだ?」
最初に異世界に飛ばされた時のように真っ白な空間にいた。
「ここは神界じゃよ。」
後ろから忘れたくもない、憎き?アイテールの声が聞こえた。
俺は、ためらいもなく風でアイテールを両断しようとする。
「ほっほっほ。血気盛んなガキじゃわい。」
何もせずに打ち消された!?
「死ね!このクソ爺!」
魔神の力を使い殴りかかる。
「いきなり、ご挨拶な感じじゃな。ふん!」
俺の全力の拳を止められた?
「痛たた、やっぱり若者は元気じゃな~。」
「俺の全力を止めていながら言うセリフじゃね~よ。」
「儂をぶっ飛ばしたいという感情はわからなくもないが、今回はこんなところで力を消費しない方が賢明だぞ?」
アイテールの意味深な言葉に首を傾げたら周りから強い気配を感じた。急いでアイテールから距離を取り周りを警戒する。
「あら、この子が新しい神?ずいぶん若いのね。」
「だが、神としての才能はなかなかある。」
「そうは言っても、生まれたてで力を全く使えてないぞ。」
「これから私たちが教育すればいいじゃないか。」
「うふふ、私好みの顔してるじゃない。持って帰ろうかしら。」
「ふん、ガキのくせに神になるとはなかなか面白いじゃないか。」
「紹介しよう、しゃべった順に、セレネー・建御雷・プロメーテウス・地皇・アフロディーテー・月詠じゃ。改めて、儂はアイテールじゃ。全員基本的に人間たちが勝手に作った名前を引用しておる。」
「待て待て待て。いったい何が起きている?もしかして、俺は本当に神になってしまったのか?」
「まっ、概ねそんな感じじゃ。」
「なんで俺が神になった?」
「?魔神の力使ったじゃろう。それで貴様は晴れて儂らの仲間入りじゃ!」
うれしくねー!全然うれしくない!
「じゃあ、ゲームってどうなるんだ?」
「続行じゃ。貴様を除いた人間で執り行われる。」
久々に落ち込んでまともな質問が思い浮かばない。
「神になったのだから、いい加減落ち込むのをやめたらどうじゃ?」
「!神になっても思考はやれるのか?」
「いや、顔の表情で読んだだけじゃ。」
仕方ない、神になったものは仕方ない。順応していくしかないだろう。
「そろそろいいか?」
地皇が横から入ってくる。
「なんだ?」
「神にあっているのに敬語じゃないとは、なかなか気の据わっている小僧だな。」
「今は同じ神だ。気にする必要ないだろう?それでなんの用?」
「ああ、そろそろお前に神の能力を完璧に扱えるように修行をしてもろおうと思ってな。」