第16話
魔物の大群めがけて遂に突撃。
すぐ終わります・・・。
ご主人様は私の方を見てうれしそうににやけている。なぜか、私の左手をじろじろ見ている。少し恥ずかしくなって隠すと、意味ありげな顔で私を見てくる。
「それじゃあ、魔物退治を始めよう‼」
なんの躊躇いもなく棘から飛び降りていくご主人様に驚きながら急いで後を追う。
「待て!」
お兄さんがため息をついて後ろからついてくる。
「レン、これからはひたすら死なないようにすることに全力を注げ。無理に敵を殺そうとするな。」
ご主人様が落下しながら私に対して忠告をする。この人は本当に優しい人だ。私が人前に一緒にいると嫌がるだろうと思い隠れながら追うと、怒り普通に接するように言ってくれた。
「はい!」
私が大きい声で答えると少し驚いた顔で私を見てくる。
地面が迫ってご主人様はそのまま着地する。私はそれに一瞬目を見張るが私も真似して着地してみると成功した。そのかわりすごい衝撃が足に伝わってきた。お兄さんも着地したが、平気な顔をしている。この2人は本当に異常だ。
「汚いなー。」
着地と同時に魔物を踏みつぶしたらしく足元には肉塊が潰れている。
周りの魔物は私たちに驚いて放心している。
その間に衝撃の抜けた足を力を込めてナイフを抜く。
「この力は初めてだから巻き込まれたくなかったら俺に近づくなよ。」
ご主人様が体から黒いオーラを発しながら忠告する。
「俺もいろいろ試してみるか・・・。おい、集。お前の剣も貸してくれよ。」
なぜか、周りを魔物で囲まれていながらも余裕のお兄さん。ご主人様も余裕の雰囲気で剣を2本ともお兄さんに渡す。
「渡してから気付いたけど、俺何で戦うの?」
「そりゃあ、男なら拳で戦えよ。」
「なら兄さんも拳で戦えばいいじゃないか! (∴`┏ω┓´)/」
「バカ野郎!!スキル剣を極めし者がどれだけ凄いか見てみたいじゃねえか!」
周りの魔物たちを牽制しながら話を聞いてると、本当に魔物たちに囲まれているのかが不安になる。
くだらない話を聞いていると止まっていた時が動き始めた。
「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
レンの照れる姿をもっとリアリティーに書きたかった・・・。