第11話
前回の振りからちょっとしたイベントを作ってみました!
主人公のチートぶりがよくわかります。
「おいしいね~、レン。」
レンに話しかけると頷いて食べることに必死になっている。店の外の席で夜風に当たって食べている。
レンって無口だな。それに食べている時でも俺の顔色を窺っている。やっぱり奴隷として刷り込まれた恐怖はなかなか抜けないな。これでも、この1週間に頑張って俺の物として接するときとレンとして接するときは使い分けるようにできる限り教えたからあとは慣れてもらうしかないな。
俺はレンから目を逸らして外を見る。外は暗くなってきているので人が少なく、向かいの店が見えた。
その向かいの店から酔っぱらった図体のでかい男が出てくる。その酔っ払いを目で追っているとまた数人店から出てくる。ケンカのような喧騒がこちらまで届いてくる。
図体のでかい男が手を振り上げて後から来た男たちを殴り飛ばしていく。誰も動かなくなって男は歩き出す。突然こっちを見て早足に近づいてくる。
「てめえ、何こっち見てんだ?」
めんどくさそうだな~。そう考えて目を逸らす。
「こっち見ろよ!」
叫ぶと同時に俺たちが使っていた机を殴って叩き割る。その上にあった俺の飲み物とレンの食べ物が地面に広がる。
「あ?なんか文句あんのか?」
被害を受けたレンが男を睨みつける。
「・・・新しいの買って来て。」
「ははは、何小娘がいきがってるんだよ!」
男がレンに向かって拳を振りかぶる。レンはびっくりして目をつぶってしまっている。その拳がレンの目の前で止まった。いや、止めた。
「お前、何調子に乗ってるんだ?」
男の手首を掴んで拳を止めている俺に目だけを向けくる。
「デクノボウ、人の物に何手出してんだ?ああ?!」
一瞬で殺気に当てられて顔を蒼白にする男。それでも意地でも俺に突っかかってくる男。
「う、うるせえ。文句言ってきたのはそっちが先だろ!」
「先に机を壊したのはお前が先だ。」
「黙れ!黙れ!お前が俺の方を蔑むような目で見てきたのが悪い!」
いや、確かに少しはそうだったかもしれないけどお前にどうこう言われる筋合いはないぞ?
「ま、どっちでもいいよ。」
「よくn「うるさい、黙れ。」っ!」
俺の言葉に逆らえなくなった男は今度は俺に向かって攻撃してくる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
顔を集中的に攻撃してひたすらフルスイングをする男。
「ど、どうだ!」
肩で息をして俺を見てくる。俺は微動だにせずに椅子に座っていた。
「とりあえず、弁償代と俺たちの飯代払ってもらおうか!」
一発相手の鳩尾に入れると男はそれで体をくの字に曲げる。間髪入れずに相手の頭を掴んで地面に沈める。最後に体を椅子ごと回転して踵落としを喰らわせる。以上、椅子に座ったまんまの攻撃でした。
「う、あ。お、お前は化け物か!」
そのまま逃げていく男。手加減したとはいえ、あの糞領主の息子は今ぐらいで気絶してたと思うよ?
「まあ、最後に。」
言いながら立ち上がって一気に距離を詰める。
「俺の物に手を出した償いをしてもらうぞ!」
男の足を蹴飛ばす。男はそのまま回転をして財布などをまき散らしながら回転をつづける。最後に地面に頭をぶつけて終わった。
俺は男の財布を取って店まで戻り、財布を店員に渡す。
「そこから、俺らの飯代と修理代を使ってください。あ、余ったら迷惑料としてもらってください。」
「は~。」
気の抜けた返事をする店員を置いて、俺はレンを連れて店から離れる。レンはその間ずっと店を名残惜しそうに見ていた。
「面倒だったな~。」
「・・・おいしかった。」
俺の独り言に答えてくれたレンに取ってはあの男は食事の記憶で霞んで忘れられているらしい。
その後、宿に帰った俺たちは兄さんに言わずにおいしい飯を食べに行ったことについて散々愚痴られてベットに入った。
今日も思ったけど、予想以上に体がチートになってるな。最後の蹴りなんか、転ばせるつもりの力しか入れてない。最初のパンチもあのがたいの良さであれだけ苦しんだってことは相当な威力だったってことだろう。アイテールのせいで自分が化け物に見えてくるね。今度会ったときには、蹴りの1発や2発は覚悟しておいてほしいね!怒
そろそろ、兄さんと本格的にスキルの制御とか魔法を覚えていかないとやっていけないな。べ、別に魔法が使いたくてうずうずしているわけじゃないからね!え?もう使ってるって?あれは魔法じゃないまた別な力だと思うよ。うん。