第10話
しばらく時間が飛んでいます。
「「「その間はずっと部屋で寝て過ごしてました!!」」」
ニートな兄弟と奴隷はダメ人間確定ですね!
あれから1週間。貴族殺しの調査は未だ続けられている。目撃者がいないせいで何の手がかりもな状態なので当然とも言える。
「結局残りの奴隷はそのままだったな~。」
1人ベットに横になって寝ころぶ。胸の上ではレンが枕代わりに頭を置く。俺はその下で本を読んでいた。兄さんは依頼を受けに行った。俺は今日は常識を学ぶという口実で休んでいる。
「う~ん、でも予想以上にこの国は荒れてるね~。」
俺が読んでいたのはこの世界の情勢で、そこになっているのはこの世界の常識だった。
この世界には魔人、獣人、人間がいた。それぞれ複数の国を作っていて人間の国が一番多い。
魔人には悪魔族、鬼族など。獣人には犬、猫、鳥とかいろいろいる。人間は人間しかいないようだ。他にもエルフやドラゴンなどの高等な生き物がいるらしい。その他にも魔物などの人に害を成すものも多くいる。
俺たちが今いる国はゼルフィア。その中のグリスカという首都の近くにある町だ。ここの首都は帝都ランオーグと言って王家の名前を使っているらしい。今この国はどこの国とも敵対していないが、少し前まで隣国のハングセルとドンパチやっていたらしい。今はゼルフィアが勝ち、一気に町が繁栄しているらしい。この町は、外見ばかり凄くして中身が全くできていない町のようだ。そろそろこの町を出ていくことを相談した方がいいのかもしれない。
「それにしても獣人ってみんなレンみたいに身体能力が高いのかね?」
レンにさりげなく聞いてみる。レンをこっちに目を向けて首を横に振る。
「・・・この前は以上に私が早くなってた。」
そうか。まだ未発達なだけあって身体能力は低かったらしい。身体能力が上がったのは何時からか聞くと、俺が主人になってかららしい。
「つまり、俺の血を飲ませたせいか!」
新しい事実が発覚した。つまり俺の血は人を強化することができるらしい。
やっぱり、魔神のせいなのかな~
「レンもギルド登録するか?」
俺の発言を聞いたレンが頭を退けて俺の方を見てくる。
「・・・できるならしてみたい。」
という事でギルドに登録しに行った。レンは奴隷の首輪を服で隠していたので大して注目を浴びずに登録を済ませてきた。
「レン、カード見せてくれない?」
レンは、手に持っていたカードを俺に差し出す。
それは俺らと違って普通の物だった。
レン (集の所有物) クラスE
15歳
白虎族
女
スキル獣化
これを見て俺たちがどれだけ異常なのかを思い知らされる。普通が良かった・・・。
登録を終わらしたらそのまま武器屋のところまで行く。
「レンはナイフがいいかな?」
レンは体が小さいから剣などを扱うにはちょっと無理があるだろう。レンは小さくうなずいて武器屋へと入る。
「いらっしゃいませ!」
「すいません。ナイフと剣を見せてもらっていいですか?」
「ショートソードとロングソードどちらがいいですか?」
「ロングの方でお願いします。」
しばらく店員が物色していいのを持ってきてくれる。
「これはいかかでしょうか?」
持ってきたのは何の変哲のない2本のナイフと3本のロングソード。
俺はそれを全部買って宿に帰った。
宿に帰って兄さんがいたのでとりあえずロングソードを1本渡す。
「代金いるか?」
「いいよ。ついでだし。この前、服買って来てくれたじゃん。」
そういって2本のナイフをレンに渡す。腰につけるようにもらってきたベルトも改造して後ろにつけられるようにした。
「防具はまた今度な。金がない。」
頷くレンを連れてレンの初めての依頼へと向かった。
「とりあえず、門の外の依頼を受けてそのついでにナイフの訓練でもするか。」
その日は、日が沈むまで外で薬草集めと訓練に費やして終わった。
そして、ギルドに報告した後宿に向かう途中においしそうな店を見つけたからそこに向かった。
「今日の初依頼達成のお祝いをしようか。」
「・・・いいの?」
「いいの。いいの。」
その時俺は、その後に面倒事に巻き込まれるとは思ってもいなかった。
いや、なんとなく最後の振りをやってみたかっただけです。大したイベントは準備してません。すいません!