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君と過ごしたブルーブルーブルー  作者: 高畑はる


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1/1

2014年・春 プロローグ

 中2の新学期が始まった。

 クラス分けの掲示板に君の名前を見つけた時、私は今日君にこの1年の想いをぶつけようと決心した。


 なぜかその日の私は無敵な気分で、大好物のオムライスもずっと我慢して願掛けをしていたし、毎朝観ている情報番組の運勢占いで、しし座が1位だったからイケる気がした。


 少し緊張しながら2-Cの教室に入ると、幼稚園からの幼馴染の澤田唯さわだゆいが両手を広げて走ってきた。


 「なっちゃん、私らまた同じクラスやで!」


 そうだった。私は君の名前、河合陽樹かわいはるきばかり目で追っていて、それ以外の名前はやり過ごしていたので、唯の名前に気づいてなかった。

 幼馴染の唯も一緒だと思うと、さらに無敵感が増した気がする。


 「うん!めっちゃうれしい。何やったら卒業まで同じクラスでおりたいよな」


 「ほんで、あのミッションはいつなん?」

 と唯が、鼻を膨らませて聞いてくる。

 子どもの頃から、興味があることに対しては鼻が膨らむのが癖なのだ。

 当の本人は気づいてないけれど。


 唯には、彼のことをずっと相談していたので、いつか来るべき日に思いを伝える告白=ミッションと2人の間で名付けていた。


 私は間髪入れず、「今日やで」と力強く答える。


 「えーーーーー!」

 ますます鼻を膨らませた唯のすっとんきょうな声が教室中に響き渡った。


 ミッションは、呼び出して想いを伝えると決めていた。彼の連絡先も知らないし、SNSは何もしてないみたいなので。

 ホームルームが終わったあと、何度も口から出そうになる心臓を飲み込みながら、私は彼に近づき、


 「あっ、河合くん、あの、ちょっと話したいことがあるんやけど、ちょっといい?」


 急に話しかけられてびっくりしたのか、少しオドオドしながら、

 「部活に行かなあかんから、少しだけやったらいいよ」と私の方を見ずに言った。


 2人並んで体育館の方まで歩いたけど、その間一言も会話はなしで、彼が今どんな表情をしてるのかチラ見することも出来なかった。


 告白の場所=体育館の裏。

 何ともベタなシチュエーションだけど、私はこの場所にある桜の木がお気に入りだ。

陽当たりは良くないのに学校内にある桜の中で、ここだけ見事な咲っぷりを見せてくれる。


 1年ぶりにこの下に立ち、私は1年間片想いしている彼に想いを伝えるのだ。


 「いきなりごめんな。えーと、、、あっ、私の名前、西島菜月にしじまなつきです。

 あんな、私な一年生の球技大会の時に河合くんのジャンピングサーブを見てから、ちょっと気になってました」


 球技大会の時、隣りのコートでバレーボールの試合が行われていて、彼が思い切りジャンプし、体をくの字に反り返らせながら、宙に浮かんだボールをしなやかに床に叩き落とした、そのフォームがとても美しくて、その一瞬で恋に落ちてしまった。


 「喋ったことないし、私のこと知らんと思うけど、、、」


 「あー、でも、部活してるとこ、たまに友達と見に来てなかった?名前は知らんかったけど、何となく顔は覚えてた」


 時々、唯とこっそり見に行ってたのがバレてたと知って恥ずかしくなった。


 「西島さんとその友達、何となく雰囲気似てるし、

 目がクリっと大きくて、、、俺が飼ってるシーズーにちょっと似てるなと思っててん。

 なんか、付き合うとかよくわからんけど、とりあえず友達になろう」


 私はシーズーってかわいいけど、鼻ぺちゃ犬の代表よなと思いながらも、彼が拒否せずに向き合ってくれたことが嬉しかった。


 「ほんまに?じゃあ、友達からでよろしくお願いします」


 その時ハラハラと小さなピンクのハートが彼の肩に落ちた。


 「俺も何言われるんやろうとめっちゃ緊張してたから、口から心臓が飛び出たかと思ったわ」

 と肩に付いた小さなピンクのハートを私に見せながら笑った。


 私も笑いながら、なんだか胸の奥がジーンとして、涙が出そうになり慌てて上を向いたら、雲一つない真っ青な空が見えた。


やっぱり今日は無敵だな。






 ーーーこんな小さな穏やかな日々がずっと続くと思っていた。


 だけど、自分から始めた物語なのに私が壊してしまったんだ。


 君と二度と会えなくなるまでにーーー


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