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禁忌魔術、マニュアル化されました ―あなたの問題は、仕様外です―  作者: 青谷 静


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第15話 統合処理を行います

「……楽になりましたね」


アオイは、事務室の端末を見ながら言った。


「なったな」


クロガネ課長は頷く。


画面には、新しい表示が出ている。


統合処理:自動

判断:不要


「……判断、不要」


アオイは呟いた。


「これ、誰が決めたんですか」


「最新版」


カンザキが即答した。


対応室。


今日も使用者は多いが、流れは速い。


「次の方」


詠唱。


光。


音。


空気。


「……成功です」


記録は、ほぼ自動だった。


・使用結果:成功

・異常:なし

・記録状態:統合済


「……統合済?」


アオイは首を傾げる。


「まだ、何も起きてませんけど」


「先に処理されています」


カンザキが言う。


「後で困らないように」


「後で、ですか」


「はい」


「……何が?」


「判断です」


昼前。


同一案件が、また二件発生した。


だが、表示は一つだけだった。


「……あれ?」


アオイが言う。


「二回呼ばれた人が……」


「いません」


シラベが言う。


「一回だけ」


「……でも」


アオイは端末を確認する。


「ログ上では、二件……」


「統合されています」


カンザキが言う。


「表示されません」


「……本人は?」


「一回分の記憶だけです」


アオイは、息を吐いた。


「……確かに」


少しだけ、正直に。


「楽ですね」


午後。


トラブルが起きた。


正確には、起きかけた。


「……時間表示が」


アオイが言いかける。


「軽微です」


カンザキが被せる。


「統合対象です」


「……書かなくていいんですか」


「不要です」


「でも……」


「判断しなくていい、と言いましたよね」


アオイは、黙って確定を押した。


何も、記録されなかった。


その瞬間。


時計は、静かに揃った。


「……揃った」


シラベが呟く。


「成功です」


カンザキが言う。


「処理完了」


事務室に戻る。


アオイは、個人メモを開いた。


・統合が先に走る

・書かなくても処理される

・判断が消えていく


クロガネが、コーヒーを飲みながら言う。


「どうだ」


「……楽です」


アオイは答えた。


「迷わなくていい」


「だろ」


「でも」


言葉を探す。


「……ちょっと、怖いです」


クロガネは、頷いた。


「楽ってのはな」


「はい」


「戻れない時に、気づく」


夕方。


端末に通知が届く。


改訂通知

第6.4版

記録統合

「判断工程を省略する」


アオイは、画面を見つめた。


「……省略」


廊下で、シラベが言った。


「ねえアオイ」


「はい」


「これさ」


笑いながら。


「仕事、上手くなったって言っていい?」


アオイは、返事ができなかった。

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