表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/74

Ⅰ時限目(13)

「エスターテとアウトゥンノがつかまっちゃった」

 段の上を小人がジグザグに走っていた。

「ロロねえちゃんもあそんでくれるのは、うれしいけど」

 四人で一枚の絵に収まっているため、小人達は経験したことを共有できる。

「さいごにつかまらないと、やだよ」

 小人に大きな影と小さな影が覆い被さった。

「ごめん、鬼ごっこはおしまいなんだ」

「皆様、夕ごはんをお作りになってお待ちしておりますよ」

 ロロの手が伸ばされると、小人は垂直に跳ねた。

「すいせんには、どくがあるんだよ!」

 悪あがきの蹴りは、ジゲンⅢの友達に受け止められた。

「韮と間違えやすいから注意、だったな」

 水仙の飾りを付けた小人は、貝と貝とを擦り合わせた音を発した。ロロが小人の胴を持って、答える。

「つかまえましたよ、インヴェルノ」

 冬は ジングルベルベル インヴェルノ、三個目のしゃぼん玉が、絵に帰った。

「最後は、支援学級の教室か」

 ロロは探査のマホーを再び唱えた。

「はい。お二方はまだそちらに留まっていらっしゃいます」

 雑音混じりの「今日の日はさようなら」が流れ出した。下校時刻を知らせる音楽である。

「このペースだと、残業は決まりだなあ」

 鶯谷真は凝りをほぐすために腕を回しながら、幼馴染に微笑んだのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ