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 頭を打ったと言っても躓いた後のちょっと受け身を取れなかった程度のもの。

 確かに上からの奇麗なスポットライトを見る形になったので、一瞬目の前がチカチカと白黒というか真っ白になる瞬間はあったのですが、大したことはなく。


 そして頭を打ったのが木の上だったのもあってかなり衝撃としては小さいモノだったのですが、そのまま枕のような状態で少しだけ動く事が出来ずにいる事に。


 ただ、木を枕にしているとまるで自分の身体を優しい何かが包んでくれている感覚があり、何と表現したらいいのか分からないのですがやっぱりこの撫子が用意してくれている木は普通のナニカではない事が分かります。


 さらに言うと、頭を置いていたことによりチカチカと断片的ながら見える景色があって、それは今回の答えになりそうなものばかり。

 そんな優しい感覚に包まれていたのでついついぼーっとそのまま横になっていたかったのですが、ちょっと慌てた撫子が凄い勢いで脇腹をつんつん。

 反応が無いと踏んだのか、そのままお腹の上に登っていつものとぐろを巻く形になってじーっとこっちを見てきます。


 ぼっーっとしていたので視線はすぐに合うことがなかったのですが、少し経てばいつもの撫子と目が合います。


 チロチロと舌を出し入れして、首を少しだけ傾げ、目が合ったことを確認すると、頬の辺りにすりすりといつもの感じに。

 とりあえず大丈夫だよと声を出そうと思ったのですが、何故か声は出ず「あれ?」と思ったのですが、何はともあれ撫子に大丈夫と伝えたかったので、そのまま頭をゆっくりと撫でると、目をスゥーっと細めて気持ちよさそうな顔に。


 余りにも気持ちよさそうに撫子の顔がとろけそうな感じになっているので、なんとなく頭を撫でるのをそのまま続けていたのですが、ハッとするのに撫子も時間が掛かったみたいで、急に撫子も正気になったのか今度は手を振り払う動きをしてきます。


 振り払われた手はそのまま地面にもっていき、体を支えてくるりと体を回す形で起き上がろうとするのですが、撫子が今度はお腹から落ちそうになったので、左手でそれを支えると撫子はそのまま肩の方に。


 頭を打った際にチカチカとしながらも見えた映像は不思議なもので、確かにこの取っ手の中に木を置いていたのですが、色々と違うものもあってそれをどうやって再現をすればいいのかが分からないわけですが、なんとなく分かる事もあって。


「このままじゃ動かないか」


 さっきと違い声は出るようになったのですが、微妙に頭が痛いのはさっきの衝撃のせいだと思うのですが、ここに医者がいるわけもなくこのままどうにかするしかないわけですが、見えた映像はしっかりと覚えているわけで。


「撫子、手伝ってくれる?」


 すりすり


 いつもの返事が返って来るのでそのまま取っ手も右手に持つのですが、どうやっても木を持つことは出来そうにないので撫子に木を咥えて貰って、頭の上だとバランスが悪すぎるので肩の上あたりでいい感じにバランスをとって貰う事に。

 一人で先程上がった時よりも少し遅いペースになるのは荷物があるから。

 そう言い聞かせていたのですが、あまりにも遅いのが困ったのか撫子が首にくるりと巻きつき取っ手をココにという感じで体に取っ手を挟むことを提案してきます。


「ごめん、お願い」


 ここは自分の弱さを指摘されたと思う場所でもなかったので、そのまま撫子に甘えて両手を使えるようになったので上に登るスピードがぐんと上がります。

 そして取っ手を抜いた場所まで到着。


「さてと、後はここにこの木を置くんだよね?」


 すりすり


 撫子は口に木を咥え尻尾を自分に巻き付けて、更に人間でいう首のあたりに取っ手を通している状態で器用に自分に返事をします。

 すぐに撫子から取っ手を抜き取って少しへこみのある場所に先っぽだけを入れて固定をして、木を置くような形をとってみますが、色々と足りない事だけは分かります。


「撫子もこうしたいんだよね?」


 取っ手の真ん中辺りに木を置いて浮かせた状態にしたい訳ですが、浮く様子はなくパッと見ても分かるぐらい何か一つ足りないような感じ。

 木を固定出来ないのでギュッとこのまま押し込む事も出来そうになく、さらに言うといつもだと誰かしらが下でボタンを押してくれているのですが、それも無いので押し込んだらもう一度二人で別れて今と同じような作業をしないといけないので、結構面倒な状態でもあって。


「つぅ、さっき変な位置でも頭打ったかな?」


 もう一度頭痛があって、思わず目を閉じると目の中にさっきも見た映像が。

 その映像はさっきよりも鮮明で、この取っ手の中に木を置くところまでは一緒。

 ただ、その後に少しだけ違いがあって。


 それは目を閉じている間だけの不思議な映像だったのですが、今の自分に必要な映像。ただ、それをどうやってやればいいのかはさっぱりわからないという映像。


「ねぇ、撫子?」


 質問をするように声をかけると、こちらをじーっと見るように向いてくれます。


「前に火を放っていた火竜みたいな魔法陣?みたいなのって出せる?」


 すりすり


 どうやら、今見た映像を再現出来そうです。



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