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 よく分からない寄り道をしたのですが結果だけで言うとかなりいいモノで。

 いつも以上の薬草採取が出来たので、今日はいつもより少し多めの稼ぎになった気がするのですが、同じぐらい気になるのは今撫子が咥えている木。


 ただの木だと思うのですが、だとしたらなんでわざわざあんな場所で渡してきたのかもわかりませんし、そして置いていくというのはダメだという空気を自分が感じたことも多少不思議で。


 そんな寄り道があって、いつも時間よりは少し早いぐらいに村に到着。


 門番をしていたウェージさんが片手を上げて、それに呼応するようにアウェクルが微妙に進路を変更。

 ウェージさんに撫でられるように移動します。


「おう、おかえり?」

「ただいまもどりました」


 ソレどうした?みたいな目でこっちを見てきますが、何かいつもと違うところはあったかな?と一瞬思ったのですが、頭の上の撫子が木を咥えていることを思い出します。


「ちょっとだけ寄り道をしまして。その産物です」

「あんまり寄り道はよくないが、まあ昼間の間に帰って来るなら何も言えんからな」

「そう言ってもらえると助かります。アウェクルはここで降りて帰せばいいですかね?」

「ああ、大丈夫だ。レベッカに挨拶だけ頼むな?」

「はい」


 ウェージさんに今日も一日お世話になったアウェクルを預けるので降りるのですが、降りてすぐにいつものようにお腹の辺りにすりすりという名の体当たりみたいなのを食らう事に。

 疲れは殆ど無いと思うのですが、頭の上の撫子がいつもよりも重たい状態だという事をすっかりと忘れていて、勢いに負けてよろめくことに。


「おっとっと」


 それを見ていたウェージさん、まさかこの程度でよろけるとは思っていなかったみたいで、かなり焦った感じになって手を貸してくれたのですが少しタイミングが遅く、そのまま尻餅をつくことに。


「おいおい。疲れているんだったらしっかり休んでくれよ?」

「いや、ちょっとバランスが今は悪くて」

「ああ、そっちか。まあ、無理はし過ぎるなよ」

「そうします」


 手を貸してくれたのでそのまま引っ張られる形で起き上がり、今日の報告という事でレベッカさんの所へ行こうとしたのですが、珍しく撫子がペチペチと何か反応を求めるような動き。


「えーっと、報告より先にソレを置きたいのかな?」


 すりすり


「じゃあ、部屋に先に戻ろうか」


 レベッカさんへの報告は急がなくても大丈夫なのでただいまと挨拶だけして一度部屋に荷物を置いてきますと言えばいいだけなので、そのまま部屋へ戻ると、撫子がこっちを見て待っている状態に。


「置いたら?」


 ペチペチ


 尻尾の方でペチペチと叩いてきたので、両手を前に出すとその上にそっと置くような感じに、咥えている木を置いてきます。


「何かしらの木なんだよね?」


 すりすり


「何の木?って聞いたところで返事はないんだよねぇ……」


 すりすり


「この木って、そこらへんに置いちゃダメとかある?」


 ペチペチ


 どうやら普通に保管をすればいいみたいなのですが、木の保管の仕方なんて正直知らないわけで。


「とりあえず、この部屋に置いておく出構わない?」


 すりすり


「大事なモノなんだよね?」


すりすり


「このまま置くだけでいいの?」


すりすり


 今できる事はとりあえずここに置いておくことみたいなので、いつも寝るベッドの横に普通に置くのですが、別に香りがあるわけでもなく何か特別な効果があるわけでもなさそうで、コレがあるからと言って何か変化というのももちろんないわけで。


「じゃ、レベッカさんの所に今日の報告に行こうか」


 いつも通りだと空っぽになったリュックを置くわけですが、今日はまだ薬草を出していないので置くものは撫子が咥えていた木ぐらい。

 置くものを置いたので、レベッカさんがいるカウンターに。


「お帰りなさい。今日はスタートからゴタゴタとあったけど問題は無かった?」

「多分?」

「また何かあったの?」

「あー、ちょっと寄り道をしたぐらいですけど、もしかしたらいつもより多めに薬草は取れたかもしれないので、いい寄り道……でした?」


 説明がちょっと難しい所ですが、アウェクルと撫子に連れられて行った先は良く分からない場所だったので、何処?と聞かれても上手く説明が出来ないので、あくまで言えるのは寄り道というぐらい。


「あら、でも今日も沢山の薬草……いつもより少し良さそうなものも混じっているわね?」

「それはよかったです」


 何となく察する部分があったのかもしれませんが、誤魔化せる気はあまりしないので有った事だけを伝えればいいように思っているのですが、その後はレベッカさんが何か聞いてくることもなく普通にいつも通りの清算をして終わり。まあ、いつもより結構色を付けてくれた感じの結果だったので薬草のモノ自体がいつもより良かった模様。


「じゃあ、いつも通り体を拭いて来るので夕飯をお願いします」

「ええ。用意しておくわねー」


 ちょっといつもとは違うスタートになりましたが、寄り道のあるいつもとは違う一日。

 アウェクルの話などは夕食時や後でゆっくり話すことになりそうです。



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