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 そしてカップルのような二人組のハンターのメモ帳から薬草とキノコの絵を見せて貰ったのですが、その絵はとても独創的。


「これでわかったろ?」

「完璧ね」


 頷くしかないような状況にどんどん追い込まれているような状態なのですが、正直言って子供が描いた落書きと大差ないその草とキノコの絵はあまり参考になりそうな感じはないのですが、一応とっかかりは手に入れたともいえる状態。


「と、とりあえずこれで行けそうです」

「そうか、役立ってよかった」

「まあ、先輩のいう事を聞いていれば間違いはないわよ」


 とりあえず今の自分は宿を借りる為にもやれることをしないといけない状況で、正常な判断が出来ない状態でもあったのですが、そのままギルドを出てハッとするのは何処に行けばいいのかさっぱり分かっていない事。

 ギルドを出て突っ立ってしまったところ、


「ん?新しいハンターか?」


 つい少し前に反対側の門番さんに声を掛けられていたので同じような顔、服装で同じような装備を持っているこの人は多分門番に違いないと思えたので、


「です。今日食べるモノも宿も何もないので、とりあえず路銀を稼ごうかと思いまして」


 説明をすれば教えてくれそうな空気があったので、そのまま今の状況を伝えると、


「なるほど。お説教だな?」

「え?」

「当たり前だろう?こんな時間から初心者が何をしに行くんだ?」


 言われて今更ながらに時間を気にするのですが、モンスターをハンターしていたゲームだと昼も夜も気にせずに色々なモンスターを狩った記憶があって、それに準じて自分も考えていたので、もしかしてと質問をしてみる事に。


「夜だと危ないとか、獣が狂暴化するとかもしかしてあったりします?」

「いや、まあ夜行性の獣は勿論いるが、そもそもの土地鑑とちかんがないだろう?行って帰ってこられるのか?」

「え、あー?」

「それと、その装備で行くつもりなら門番として流石に止めさせてもらうぞ?よく分からない服に防御力があるようには見えないからな?」

「あー、まあ、そうなりますかね?」

「という事で、出戻りになるが、一緒に来い」


 子供が手を引かれるような感じにかなり近い門番さんによる連行で出たばかりのギルドの中に戻ると、


「お早い戻りですね?草とキノコは取れました?」


 ものの数秒で手に入れたとは思っていない顔でそんなことをレベッカさんが言うのですが、


「新しいハンターをつぶす気か?説明も何もしないで送り出しただろう?」

「そりゃぁ、門番のアンタがいるんだから問題ないだろ?」

「結局ここに戻すんだから、自分で説明をしろよ?ギルド職員だろうが?」

「まぁねー。でもやることが色々とあったからさー仕方ないんだよー」

「サボってただk」


 ゾワッ


 物凄い何かが放たれた気配だけがあって、急な寒気まで。

 ちょっと歩き疲れて変な事になってしまっているのかと思ったのですが、


「んー?何か言ったかなー?」

「い、いや。ただ新しいハンターを使い潰すなって……話をだな?」

「うんうん。分かってるよー。ということで、これね?」


 そう言ってレベッカさんが自分に渡してきたのは鍵?みたいな何か。


「ココの上の部屋をパパっと片付けたから、とりあえず今日は休んで、明日の朝からお仕事お願いしまーす。あ、お腹が減っているんだったら後日払いの有料になるけど、ご飯だせるけど、どうする?因みに後日払いで逃げてもいいけど、地の果てまで追いかけるからそこのところはよろしくね?」


 サラッと恐ろしい事を言いながらも、どうやら気を使ってくれていた事だけは分かるので、


「ご飯後日払いでお願いします。あと、明日からよろしくお願いします?」

「うんうん。いいハンターが育ってくれるとお姉さんは嬉しいよー」

「お前、おねえs」


 余計な言葉を発しようとした門番さんは何故かふらりと倒れる事になったのですが、あまり気にすることは出来なかったので、そのままご飯を待っているとご飯が運ばれてくることに。

 空腹は最高のスパイスとよく言いますが、水にあたってからぶりの食事と水分補給はとても美味しいもので、なんとなくさっきも思ったようにここはモンスターなハンターの世界のような感じがしていたので、もしかしたら猫がご飯を持ってきてくれたりするのかもと思っていたのですが、当たり前ですがそんなことは無く、普通に先ほどのカップルみたいなハンターの二人が料理を持ってきてくれて、何故か一緒に横で食べてくれることに。


「ここなりの歓迎だと思ってくれ」

「そうなのよー、よろしくねー」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 と、思っていた以上に真面目な会話をすることになったのですが空腹だったこともあってあまり話を聞かずにがつがつ食べていたら二人も喋りかける事はあまりなくなって。


「とっても美味しかったです。ごちそうさまでした」


 お礼を言うと口にあったならよかったと言われ、そのまま部屋に行くと桶にお湯とタオルが置かれていて奇麗に体を拭く事という気遣いまで。

 その横を見ると替えの服とパジャマのような寝間着まであったのでありがたく使わせてもらう事にして、長い長いこっちの世界での一日がやっと終わりを迎えました。






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