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「駄目よ!」


 いつもの場所にいるレベッカさんに声を掛けようとしただけなのですが、なにも言っていないのに最大の拒否から会話がスタートすることに。


「えーっと、とりあえず今からいつもの薬草採取に行きたいんですけど、流石にそれはいいですよね?」

「まあ、それは大丈夫よ。でも、そっちで話をしていた夜の件はダメ、ダメ、絶対にダメ!!」


 ギルドのいつも食事をしている場所での会話だったので、他の人にも筒抜けというか聞こえる状態でしていたのでレベッカさんもしっかりと今までの話は聞いていたみたいで、ノーを突き付けてきます。


「でも、魔法を見たいですし……もしかしたら魔法を見る事によって何かあのロボットについても閃くことがあるかもしれないじゃないですか」

「そうは言っても、自衛が出来ないでしょう?」

「まあ、出来ると言ったらそれは嘘になるので無理ですけど、この通り撫子も呆れているようにも見えますが、一応付き合ってくれるみたいですし……」

「撫子ちゃんがかわいそうじゃないの?」

「……それを言われてしまうと何も言えない部分もあるのですが、でも正直言ってコレ以上は後悔したくないんですよ」


 こういう時は何を言ってもダメな気がしますが、正直な気持ちをしっかりとぶつければレベッカさんは分かってくれるはずという思いがあったので、今の気持ちをしっかりと伝えてみる事に。


「正直、こっちの世界に来た瞬間なんて何が起こったのか分かっていませんでしたし、生きていけるかもわからない状況で逃げ出したり、大変な思いをしたりしてこの村に着いたんです。凄くありがたい事に皆さんみたいにいい人達と出会えたので今も普通にこうやって生きていますが、元々の生活能力なんて皆無なんで生きていられる事が不思議な位の感じだったんですよ。そんな自分ですけど、タイミングとか空気とか色々と読む事に慣れてきちゃって、やりたいこともあまりやれてきていないんです。そんな自分がやっと見つけたやりたいことなので、こればっかりは正直止めないで欲しい気持ちが強いんです」


 生きやすい、生きづらい、そういうのって自分で判断するしかなくて人からは凄く生きやすく見えてしまっていることもあるし、逆にとても生きづらそうに見えていても本人としてはそんな事も無いという事もあるので、人の物差しで自分をはからないで欲しいとも思う事で。

 今回のレベッカさんの心配は自分を心配してくれている事が分かるので嬉しくてありがたい事ですが、それのお陰でやりたいことが出来ないというのは正直辛い話でもあって。


「自分の命なので好きにさせて欲しいって言うのはちょっと違うのかもしれませんが、あまり過保護に守られ過ぎても息が詰まっちゃいます」


 ちょっと言いすぎてしまったような気もしたのですが、正直な気持ちをそのまま言葉に出して伝える事が出来た気がしたので後はレベッカさんの反応を待つだけなのですが、レベッカさんは凄く微妙そうな顔。


「おじさんの言っている事は分かるし、おせっかいな事も分かっているけど、今までと状況が違うのもあるし、力がない事も分かっちゃった以上あまり無茶な事をさせるわけにもいかないのよ。それにギルドっていう組織がある以上、あまり無茶な事をさせるわけにもいかない訳。明らかに自分のレベルに合っていないモンスターを見学するって言うのは、命を無駄にするような行為に他ならないからね?」


 レベッカさんはレベッカさんで自分の気持ちとギルド職員としての気持ちの板挟み状態で、どちらかと言えばいつも通りこっちのやりたいことを応援してあげたい気持ちもしっかりとあるみたい。ただ、今回のこの見学は今までの見学などとはレベルが全然違うという事を知るべきだという職員としての要素が強いみたい。


「そこを何とか、頼めません?」

「……はぁ、なんでそうやって無茶や無理をしたがるんですかねぇ」

「まあ、男ってバカな生き物なんですよ」

「それを応援しようと思っちゃう女もバカって事になっちゃうんですけど?」

「……言いっこなしってことにしてもらえると助かります」


 呆れながらもレベッカさんも折れてくれる空気に。


「アウェクルはいつも個人依頼の時に来てくれている子を使って、カップルの二人のいう事を絶対に聞いて、少しでも危ない事にならないようにして。で、二人は二人でかなり無茶な事をしているんだから、おじさんのほうにモンスターが行かないようにしっかりと討伐する事。時期的にそろそろ繁殖期が近いから、今の時期に討伐して減らしてくれることは凄く助かるけど、そういう時期が近いって事は通常の時期よりは狂暴になり始めている事でもあるのは理解しているわよね?」


 そこに居てただ聞いてくれているだけだったカップルハンターの二人が力強く頷いてくれます。


「後は、撫子ちゃん?この馬鹿なおじさんに付き合う事になるけど、大丈夫?」


 ひょいっと頭の上から移動してすりすりといつもの行動を撫子はレベッカさんに。

 これで許可も出たので、この後はいつもの丘に行く事に。


「あ、アウェクルにもし何かあったら借金がドドーンって増えるからね?それも分かっているのよね?」

「……お金の話は大事ですからね」


 借金が増える可能性と魔法見学だと魔法見学が強い状態。

 ただ、ここまで皆さんが心配するという事はアウェクル亜種とは違う謎石の先で初めて見たようなああいうヤバそうなやつを見る事になると思われるわけですが、怖さを知らない今の自分には楽しいアトラクションを前にしている子供と同じ気分。


 いつもの準備をしっかりとして、いつもの丘に行くとしましょう。




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