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「じゃあ、早速カードを作っちゃいましょう」


 そう言って、レベッカさんがだしてきたのはA4の紙。そこには何か文字が書いてあったり、図形があったりという事はなく、本当にただの紙で正直コレをだされてなに?って感じにしかならないのですが、


「名前を書いてくださいな?って、文字は書けます?」

「多分?」

「じゃ、お願いします」


 こっちが多分って言ったのにもかかわらずそれを気にする様子もないままどうぞと紙と羽ペンのようなものを渡されます。

 正直この羽ペンの使い方は分からないのですが、多分インクでも付けてかくのかな?と考えながらペンを見ていると「そのまま書けますよ」と、教えてくれたのでそのまま自分の名前を書くことに。

 どのぐらいの大きさで書けばいいのかは分からなかったのでとりあえず真ん中にそこまで小さくなりすぎないように気を付けながら書いてみたのですが、書きあがった状態を見るとバランスはとても悪く、書き出しは大きな文字で最後の方は小さな文字になってしまったのですが、


「はい、ソレの両端を両手で持ってー」

「両端?この端っこを?」

「そそ。持っていれば紙が後はやってくれるのでー」


 紙が後はやってくれる?の意味が分からなかったのですが、それは見ているうちにすぐに分かる事に。

 下の方から何故かクルクルと紙が勝手に動いて丸まっていきます。そして、自分が持っている両端までクルクルと巻きあがってきたところで、


「はい、おっけー。後はこっちの機械に置いて、ちょっと待ってねー」


 ハイと返事をする以外出来ることは無いまま、自分が名前を書いた紙を目で追っていると、機械の上でピカッと光って、その後そこにあったのは財布の中によく入っているポイントカードと同じような大きさのカードが一枚。


「はい。これでハンターカードの出来上がりっと。新米ハンターさん爆誕です!」

「あ、はい。ありがとうございます?」

「うんうん。コレで無茶な仕事も斡旋出来るってもんですよ。うへへへ」


 レベッカさんの笑い顔は表現することを許されるのか分からないような凄く下卑た笑い顔。そして、その状態で目が合うと流石に恥ずかしくなったのか、今度は猫の目のようなハッとしたような真顔の様な不思議な顔に。

 そしてさらに数秒間見つめ合っている状態でいたのですが、その間に入ってきたのはカップルの様な男女ハンター。


「いつまで見つめ合っているんだ?というか、新しいハンターは歓迎だが、その体格を見る限り大した仕事は出来そうにないが?」

「アンタは本当に見た目で判断ばっかりでと言いたいけど、それは私も思ったわ」


 そんな言葉を掛けられて、何を思っていたかというと、コレが噂に聞くテンプレ的展開!!とちょっとワクワクしていたのはナイショ。

 とりあえず話が進む空気になったのでこのカードで何が出来るか確認してみる事に。


「ハンターカードがあればハンターの仕事が出来るって事ですよね?」

「ですよー。あんなことからこんなことまで。あ、でもランクもあるので正直言うと大したことは出来ませんけどね?」

「とりあえず仕事を頂いて路銀を稼ぎたいのと、着の身着のままここにたどり着いたので寝る場所の確保もしたいところなのですが、それってどうにかなりますか?」

「うーん……これは本当に何も分からない人をハンターにしちゃったパトゥーン?いえいえ、パターン?とりあえず、ハンター用の宿舎はあるのでそこで寝泊まりは出来ますけど、あそこって何年使ってなかったかな?」


 これはその部屋を使わせてもらえる感じ?というちょっと期待が出来そうな話かと思ったのですが、


「知らない人間をいきなりは無理だろ?」


 当たり前の一言で、そりゃそうだと認められたら何も言えることは無く。

 ただ、泊まることが出来ないにしてもとにかく路銀が欲しい状態。


「何でもいいから仕事をとりあえず貰えませんか?」

「ですね。宿の話はとりあえず後回し。えーっと、そうしましたら……肉を手に入れるのは……難しそうなので、逃げ回っても出来る薬草とキノコの採取をお願いしますか」


 まあ、言われなくても自分のこの体型で狩りが出来るかと言われると微妙なので出来るだけ安全な薬草やキノコの採取は助かるのですが、もうちょっとオブラートに包むとか……出来そうにない人に自分が何を期待しても意味がない事はもう分かり切っています。


「はい、行ってきたいのですが……」

「では、頑張って下さーい」

「あ、いえ、どういう薬草やキノコなのか挿絵とか現物をせめて見せてもらえませんかね?」

「えー?薬草は草です。キノコはキノコです?」


 何を当たり前のことを聞いている?という顔をしてこちらを向いてきますが、その草もキノコもどういう形でどういうモノなのか分からないと意味ないでしょ?という顔で見ると、


「はっはーん?色々と手ほどきが欲しい訳ですかー。男ですねぇ」

「あ、いえ、違います」


 こればっかりはすぐに否定をしないといけない気がしたので、否定をすぐにしたのですが、その速さに何を感じたのか、


「「この人はいいハンターになるかもしれない」」


 今のどこにそれを査定する部分があったのかは不明ですが、カップルみたいなハンター二人がポケットからメモを取り出して、薬草とキノコについて教えてくれることに。

 とりあえず、この後クエストに行くことが出来る準備が進みます。







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