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 撫子やレベッカさんと自分が色々と違うところがある事は今更なので気にしないのですが、今のやり取りで一つ思いついたことがあって。


「えーっと、無理にとは言わないんですけど試して貰いたいことがありまして」

「なになに?」

「身体的接触があれば、もしかしたらと思いまして」

「あら、あらあら?」


 いや、今の会話にあらあらという単語が出て来る意味は分からないわけですが、レベッカさんは少しだけ頬を染める様な振りをします。


「いきなりそんな事を言われたら……」

「いえ、そういう感じじゃないんですけど」


 まだその振りを続けるつもりですか?という感じに少しだけ声が低くなりながら、話を進めます。


「えー、だったら何でそんな言い方したのよぅ」

「言い方っていうか、普通に言っただけですよね?」

「そうなの?何となく少しだけいやらしさを感じた気がしたんだけどー?」


 そんなことをレベッカさんが言うので、撫子がちょっと冷たい目でこっちを見てきますが、そんなつもりは全く無かったのでそもそもその視線自体も冤罪なわけで。


「まあ、言いたいことは分かったけど、じゃあどうしましょ?」

「え?普通に手を繋げばいいんじゃないですかね?」

「……あれ?本当に下心全く無し?」


 少しは気があると思われていたみたいですが、まあレベッカさんは可愛いですし手を出す云々な話をしてもおかしくない人ではあるかもしれませんが、自分からすれば借金元みたいな部分もあって、あまり不誠実な関係になりたい訳ではないので。

 それに自分で言うのも悲しい話ですが、年齢差もあり過ぎると相手にされない事ぐらいは言われなくても分かっている部分もあって……って自分で自分を貶めても意味ない訳ですが、落ち込みそうになる事に。


「とりあえず撫子はいつも通りの場所に戻って貰っていい?」


 分かったという感じもあってかレベッカさんからひょいッとジャンプして自分の肩の上に乗ってからいつも通りのすりすりをして、返事が来たと思ったら少しだけ照れはあるみたいで、レベッカさんがおずおずと手をこちらに出してきます。


「えーっと、優しくしてね?」

「手を繋ぐだけですからね?」


 変な事を言われ過ぎて自分も少しだけ体温が上がったような気がするのですが、頭の上に居る撫子がすりすりと首回りをン出るような動きをしてくれて、それがヒンヤリと結構気持ちのいいモノで。

 そんな動きを撫子がしてくれたので、あがった体温が落ち着く感じが。


「どちらかというと歩みも遅いかもしれないのでもう少し早く歩いて欲しいとか何かあれば言ってくださいね?」

「うん」


 まだレベッカさんは微妙なままみたいで反応は薄いのですが、歩き始めてみると何も変わらず、いつも通りに大体の方向に向かって行きます。


「コレでロボットが見られたら、身体的接触が答えって事よね?」

「ですね」

「そうなって来ると、なんでそんな機能が残っているかを考えないといけないんだけど、大丈夫かしら?」

「どうでしょう?今の所という感じですが、自分も撫子も何も変な事は起きていないんですよね」

「私が最初の犠牲者って事!?」

「いえ、犠牲どころか何も起きないと思いますけどね?」

「まあそれが一番いいんだけど……って、あれ?」


 何かを感じたレベッカさんが一瞬動きを止めたので歩みを止めます。


「感じました?」

「うん。空気が変わった?」

「多分なんですけど、今回は連れて来ることが出来たみたいですね」

「それは嬉しいわね」


 何かしらの変化を自分も毎回感じていたのですが、今回はソレを自分だけでなくレベッカさんも感じる事が出来たので、ほぼ確実にロボットの所へ来られた感じがするのですが、いつも通りにロボットのかなり近くまで来ると、上からの光が降り注ぎます。


「え、え!?」

「あ、ロボットの所に着くと毎回こうなのですよ」

「嘘だと思っていたけど、二人が嘘を言わない事も分かっていたから、信じられなかったんだけど、これを目の前にしたら嘘だとは言えないわね」

「やっと、見せる事が出来ましたね」


 光が降り注いだそこには、いつも見ているロボットがあって三か月程たった今でも確認できることはそこまで増えておらず、足元のボタンをレベッカさんに説明するぐらい。


「本当に……あったのね」

「ええ。この通り」

「今まで武器や防具はここの遺跡以外でも見て来たけど、これほど巨大なモノは見たことが無かったわ。それに身体的接触だけで通過出来たり、出来なかったりなんて言う技術は未だに聞いたことが無い訳だから、私達の技術よりもはるか先にこの文明があったって事よね?」

「まあ、多分?」

「それにしても、おじさんと私達って大した差がないとは思っていたけど、そうでもないみたいね?」

「まあ、そうですかねぇ」


 ロボットを前にそんな会話をするわけですが、いつか見せたいと思っていたものを見せられることが出来たので、自分としては結構満足のいく今回の探索。

 ただ、これをどうにかしたいと伝えたのですがレベッカさん的にも自分達の文明よりも先の文明を解明も出来ないのに動かす事なんて無理だと当たり前の言葉が返って来るだけ。


「触ってさえいればここに来られる事が分かっただけでも収穫だけど、あの二人も今度連れて来てもいい?」

「いいんじゃないですかね?というか、なんで自分にそんなことを聞くんです?」

「え、だってここって貴方が居ないと入れない訳でしょ?って事は、多分ここって貴方のテリトリーって事じゃないの?」

「その考え方は分からないとは言いませんけど、別にそういうわけではないですよ?」

「そういうものかのかしらね?」


 この遺跡が自分のモノという良く分からない話をいきなりされるのもビックリですが、とりあえず今回の探索はいつも以上の収穫が出来た気がします。




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