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 気を失って、次に起きた時には何故か体調もすっきりとした意味の分からない状態になっていてとても不思議なのですが、お腹も減っていない状態になっていることには正直違和感しかなく。

 まあ、あの激痛に耐えた……つもりはないのですが、一応あれを克服できたとするのであれば、恩恵の一つでもあっておかしくないハズ?という雑な考え。


「薄暗くて分からないけど、とりあえず馬車に戻るか」


 結局自分が水を飲んだ沢は全く見つからないまま、倒れていた場所から小走りに馬車があった位置に戻るのですが、


「マジかー。えーっと、こういう時はガッデム!!いや、ブリャー?……普通にクソッが一番分かりやすいのか?」


 独り言をあれこれと言ってみますが、意味は大体一緒。

ガッデムは英語で神を罵り、ブリャーもロシア語で同じような意味……ですが、詳しく知っているわけでもなく。


「よく、交通事故とかの画像を見ていたら言っていたから覚えているけど……流石にFワードはピーって入りそうだしなぁ(何に?(笑))」


 フ〇ック!ファ〇ク!!〇ァック!!!と三連続で叫ぼうかとも思ったのですが、そもそも自分の使う言語は日本語なのでわざわざ英語や外国語を使う意味もなく。

そしてなぜそんなことを思い出したかと言えば、



「さて、現実逃避しても仕方ない。事実を認めるか」



 そこにあったはずの馬車は無く、焚火をしていた跡はあるのですがその燃えカスもかなり時間が経っているように見えて、このよく分からない森の中に完全に一人ポツンと取り残されたわけで。


「よく分からない水を飲む判断はやっぱり間違いだったかぁ」


 後悔先に立たず。


 やってしまったことを今更悔いても仕方がないのですが、とりあえず生きるためには水と食料が必要。

 それをどうにかしない事には何も始まらないのでとりあえずさっき水を飲んだ場所へもう一度行くことに。


「沢がそんな簡単に枯れるはずないんだが……、取りえずもう一度探してみるか」


 馬車は無いのでそれはもうじっくりと長い時間をかけて沢を探してみたのですが、水が流れていたはずの場所は普通に小枝が落ちていて、落ち葉もパラパラとなっていて、沢の形跡の欠片も見つけることは出来ず、今度こそ本当に途方に暮れる事に。


「水も食料もないないの状態になった訳か……」


 どんどん自分が追い込まれている状況にあるはずなのですが、何故かそこまで悲観的な気持ちにならない自分が少しだけ不思議なのですが、そういうモノだろうと諦めて、とりあえず焚火の場所へ戻る事に。



 元の場所に戻ったからといって食料の一つでも落ちていれば嬉しいのですが、そんな都合のいい事があるはずもなく。


「えーっと、目が覚めたらよく分からない場所に居て、とりあえず馬車に飛び乗ってお手洗い休憩をしていたら怪しい水があって、その水を飲んだら多分あたって、知らない森の中にぽつんと一人。……自分の状況を客観的にみるとなかなかだが、フラグ的には結構色々とヤバい方向に行き続けている感じか?」


 ドラマもゲームも色々と見て来たからこそこの後に起こる事も予想は出来てしまうわけで。


「普通の作者なら……肉食獣かな?いや、あえて弱いけど強くなるテイムモンスターが出てくるパターン?そしてそこでチートに目覚め……って、チートもなさそうだったし……あ、魔法使って水を作るとか、食料出せるとか?」


 言葉に出してみると色々と出来そうなことがあったことに本当に今更気がついたのですが、魔力がそこまでなかったことも同時に思い出します。


「とりあえず、まずは水。食料も欲しいけどまあコレだけ木が一杯あるなら……嫌だけどすっごく嫌だけど最悪木の皮、木の根を齧る方法もあるはずだけど……とりあえずそれは後にして、水だけでもどうにかするか」


 こうなって来ると街の中でとりあえず魔法の使い方の一つでも習っておけばよかったとも思うのですが、同じぐらいあの街に居たくなかったのも本音としてはある状態。

 ついさっきも思ったばかりの後悔先に立たずという言葉を再び思う事になったのですが、一応ステータスを確認して、その状態で両手を器の状態にして「水よ出ろ」と恥ずかしがることもなく言ってみたのですが、水は出るそぶりもなく、そして魔力も減る事もなく。


「まあ、呪文もなにもなしに想像力でどうにか出来るっていう魔法じゃない限り無理かぁ」


 多少の予想はしていたのですが、水が出る事もなく何も今は出来ないことが確定。


「オワタ……いや、これこそまさに人生オワタ!!」


 勿論返事などあるはずもなく、念の為神様とかが見ていないかなーという希望も込めて、両手を広げてポーズを決めてみたのですが、年のせいもあってその見栄えはどちらかというとコロンビアのポーズっぽくて、


「コロンビアのポーズだと、意味変わっちゃうんだよなぁ」


 セルフ突っ込みを入れてみますが、勿論何も変わりなく。


「やれることもなくなったから、とりあえず動くしかないか」


 飲み水の確保も難しそうで食べるものもない状態だという事が完全に分かったのでとりあえず移動するとしましょう。





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